テラーノベル
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543
しろせんせー総受け
「 」×しろ
叶わない恋あり
病みシチュ
自傷行為、幻覚、幻聴、暴言表現あり
途中ナレーションが入る場所があります
そこにはN〔〕と表示しています
出演回数多いキャラと少ないキャラで結構差があります
早稲田大学在学中謎時空if
地雷さんUターン
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
sr side
最近、なんで生きているのかが分からなくなっていた。
毎日講義と活動の繰り返し。
もちろん楽しめる、やりがいのあることだと思う。
だけど、なぜか楽しいという感情が一切湧かなくなって、日々生きることがただの作業のように感じていた。
理由は分かっている
大学でのストレスとアンチによる精神の消耗だ。
大学ではレベルの高い授業を一日に何時間も受ける。俺もそこそこ勉強ができる方ではあるが、周りのヤツと比べるとそれほどでもない
才能があるやつはとっくに高レベルな試験に挑戦しているし、大学側からの評価もとてつもなく高い
俺の無力さが強く目に当てられる
周りの人間との学力の差が最近は特に見え始めていて、休学していたがために勉強も遅れている。
元々同じレベルを勉強していたヤツらはとっくに上のレベルに行っているし、俺は到底追いつけない
そのせいで毎日毎日家で机に何時間も向き合っている
活動と食事以外は全部勉強だと思う
常にノートとペンを持っていて、文字を書かない日なんてなかった
活動についても、最近急激に人気が出てきたからなのかは分からないが、アンチがよく出るようになった
【おもしろくない】【活動やめろ】【お前なんかは生きている価値はない】
そんなコメントが印象に残るようになった
正直いってもう疲れた
生きている意味が分からなくなるほどには。
元々自傷癖があった俺は、最近は毎日時間が空けば無意識に自傷行為を行ってしまうようになった。
「……ただいま」
扉を開けて何も無い空間に独り言のように呟く
今日も一限から講義が続いて、今しがた帰ってきたばかりだ
ソファに沈み込むように倒れる
「はぁ………」
ソファに置いてある枕を掴んで顔をうずめる
数分深呼吸をして
枕から顔を離す
そして無意識のうちに近くに置いてあったカッターを手に取る
刃をカチカチと出して、先端をまだ生々しい傷跡が残っている左手首にあてる
ゆっくり力を入れて刃を肌の上を滑らせると
すぐに皮膚が切れて赤い血がぷつぷつと浮かび出す
俺はその血を見て少しだけホッとする
それと同時に俺は、自分は今生きているんだと実感する
血の出が弱くなるとすぐにそれの下に新しく切り傷を作る
切っては眺めて、切っては眺めて
左手首のほとんどを切り終えたらすぐにカッターを左手に持ち替えて次は右手に向かって刃を立てる
俺の周りはもうすでに血で溢れかえっていて
乾き始めた血が茶色になっていた
「あ、やば」
右手首のちょうど真ん中くらいを切ったら、思わず力が入ってしまい、クパッと割れる
皮や皮膚なんか余裕で貫いて、奥の脂肪が見えていた
「これ跡残るなぁ……」
今の俺には痛い、だとか、危ない状況かも、とか普通の人なら思いつく単語なんかじゃなくて
治癒していくにつれて跡が残ることだけを心配していた
でも、久々に脂肪まで切ったので俺の気分は最骨頂まで高まっていた
「ふふ……ぁっ、ははは、」
笑うことしか出来なかった
もう前の自分には戻ることはできないのかもしれない
昔から生きていることに疑問を持っていて、常に死にたいと思っていた
俺は役たたずなんだと思い込んでいたし、なにも才能はないんだと思っていた
だから、やっと今回のことで事がついた。
俺はいらない子だったんだ。
ニキ達とももう1ヶ月以上連絡を取っていない
取っていないと言うよりかは連絡全てを既読無視している状態だ
鬼電と鬼LINE
みんなからの心配の声が全て伝わる
様子がおかしいのもバレていた
なんなら自傷行為をしていることはニキにはバレている
前に1度遭遇したことがあったから
でももう疲れたんだ
俺は
誰に何を言われようとも
もう無理なんだ
がんばって耐えた方だと自分では思うんよ
ごめん、ごめんな
もうすぐお前らは俺の家に来るんだろうな
来るなって言ったけど
お願いニキ、りぃちょ、キャメ、じゅうはち、キル、ニトちゃん、しーど、トニー
もう
楽にさせてや
俺は近くに置いてあった、OD用の薬を数箱手に取る。
ざっと80粒は入っているだろうか
薬を手にバラバラとだして、口の中に放り込む
ゴクンッ
ゴクンッ
ゴクンッ
ゴクンッ
気付けば瓶の中の薬は全て無くなっていて、目の前には薬が入っていた箱と紙が辺り一面に広がっていた
自身の足の周りには血溜まりができて、両手首は血の海
床には一面の薬箱
誰かが見たら明らかに精神異常者と分かるだろう
薬が回るのは案外早かった
久しぶりのODだったからかいつもより症状が酷かった
ふわふわして、体が浮いているような気分で。
ずつとあたまの中がぐるぐ る シ てい る
「ぁ………、ぅ」
う まく こと、バが しゃべられ な い 。
【こっちにおいで】
N〔不意に、しろせんせーの背後からそのような声が聞こえる。
しろせんせーはゆっくりと首を後ろに向けて、声の主を探す。だが、そこには何もいない〕
「だ……ぇ、?」
だ レだ ぉい で、?
だれか、が よ ん で る
ぉ れ?
【死になさい】
N〔また聞こえる。今度は死になさい。またもしろせんせーは声の主の方へ目を向けるがやはり居ない。〕
【おいで】
【死ね】
【役たたず】
【こっちへおいで】
N〔声が聞こえる。1人目は女の子の声。2人目は中年男性の声。3人目は老女の声。4人目は青年の声。5人目は中性的な声。
言葉を発する全ての人の声が違う。音がする場所も違う
一体どこから発言されているのだろうか
でも、一つだけ言えるならば、その声はしろせんせーの精神を蝕んでいるということ 〕
「しぬ……」
そ、っ チにいく、
ぉ れ 、 が し、ヌ
たす_ け、 て
たす
け
て
し に、た
ぃ
で
す
【おいで】
N〔今度ははっきりと、真後ろから声がした。若い女の人の声で、聞くとふわふわするような声色だった。
しろせんせーが後ろを振り返る。
そこには白装束に身を包んだ、白髪で長髪の女の人が少しだけ宙に浮いて立っていた
その姿はとても神々しくて、背中にはうっすらと天使のはねのようなものが見えた
しろせんせーは少し目を見張って手を伸ばす〕
「ぁ………だ、ぇ?、う」
【……ふふ】
N〔”なにか”が笑いながらしろせんせーに近付く。
そしてしろせんせーの手を握って顔をグイッと近付ける〕
【おいで】
N〔ふわふわと響きそうな声色にしろせんせーはとろんと目を細める〕
おれ、 し、 ね る?
だれ、 ャ
「む、かぇ に 、、?」
【おいで】
N〔”なにか”がしろせんせーの頬を手で覆う
「おいで」ただそれだけを繰り返す
しろせんせーの頭の中は。しねる。それ1色だった。
“なにか”は明らかなるしろせんせーの幻聴と幻覚の現れだった
暗い部屋に一人、荒れた環境で虚ろな目で空中を見つめるしろせんせー
その様子はあまりにも狂気じみていた〕
【連れて行ってあげる】
N〔”なにか”がそう言って眩い光でしろせんせーを包み込む
そこでしろせんせーの意識は途絶えた〕
nk side
ボビーと連絡が付かなくなって1ヶ月が過ぎようとしていた
毎日俺らが送るLINEも、掛ける電話も、全て既読はするが無視
数日前に送られてきた唯一の文章は「くるな」の一言だけ
明らかに様子がおかしいことは俺らも分かっていた
rc「ねぇ、やっぱまずいんじゃない?」
rc「大学が忙しいだけかもしれないのもあるけど、既読無視はさすがにあのしろせんせーでもしないでしょ」
りぃちょの言うことは最もだった
どれだけ大学が忙しくてもどれだけ勉強に追われていようとも
ボビーは仲間からのメッセージは全て返していた
既読無視なんて今回が始めてだ
km「せんせーの知り合いに聞いたら、大学は行ってるみたいだけど……」
discordにいる8人が全員黙り込む
kr「せんせーの家、行ってみない?」
nt「でも来るなって言われてる」
sd「そんなん関係ないじゃろ。しろに何かあったらどうするん」
ht「俺はシードの意見に賛成」
zh「じゃあ、今から皆で行く、?」
rc「皆だとさすがにあれだから、4人くらいだけ様子見に行かせよ」
じゅうはちの提案にりぃちょが修正点を加える
その意見には俺も賛成だ
大人数でいっても不利なことだらけだろうし、大事が起きていなかったらを考えると4人くらいがちょうどいいだろう
話し合った結果、俺、りぃちょ、シード、弐十ちゃんで向かうことになった
zh「じゃあ何かあったら教えてね〜」
ht「逐一報告しろよ」
kr「いってらー」
km「じゃねー」
4人が俺たちがdiscordから抜けるのを見送る
俺はすぐに財布とスマホだけをポッケに詰め込んで、いつもの下駄ではなく、何かあった時用のスニーカーを吐いて家を出る
俺の頭の中には嫌な予感があった
昔、ボビーが自傷行為をしていた時のことを思い出してだ。
なぜ自傷行為をしていたのかはその時は聞かなかった
だけど、「やめてほしい」それだけは伝えた
もしも、もしも今、ボビーが前みたいになっているのなら
その時は俺は
ボビーを守る
不安を取り除く
ボビーに笑顔になって欲しいから
自然と歩く足のスピードが早くなる
数分歩くとりぃちょ達と合流した
rc「ニキニキ」
りぃちょがそっと俺の手に自身の手を添える
俺はハっとした
気付かないうちに強く拳を握りしめていたのだ
手のひらにじんわりと血の跡が浮かび上がる
険しい顔でりぃちょを見つめる俺に弐十ちゃんがいつも通りの陽気な声で俺に話を振る
nt「大丈夫だって!しろせんせーの事だよ?なんかやましい事隠してるだけだと思うなー笑」
それに便乗してシードも軽口を叩く
sd「女でも連れ込んどんのやない?笑連れ込んでたら皆でしばこーや」
少しだけ、空気が軽くなった気がした
りぃちょも不安を浮かべていた顔に笑顔が浮かんでいて、俺も体の力が抜けていた
ボビーの家まではあと数分
俺たちは足並みを揃えて歩き出した
ピンポーン
弐十ちゃんがボビーの家のインターホンを鳴らす
だが、応答が帰ってくるはずも無く、無言
ピンポーン、ピンポーン
何回もインターホンを鳴らすが一向に人が出てくる気配はなく、シーンとしているだけだった
rc「あ、開いてる」
りぃちょが取っ手に手を置いてカチャリと下げると扉が静かに開いた
sd「入ろうぜ」
シードがそう言って扉を開いて中に入る
中は真っ暗で、どこも電気が付いていなかった
「ボビー!」
大声でそう叫ぶ
だが声が反響するだけで、ボビーからの返事はない
nt「靴、あるね」
足元を見るとボビーのであろう靴が何足か並んでいた
1番履き古された靴はいつもボビーが好んで履いている靴で、見覚えがあった
中は真っ暗で奥の扉がうっすら見えるくらいだった
悪いとは思いつつも、俺らは中に入ることにした
ボビーの家には同居していたこともある為、間取りは完全に覚えている
トイレとお風呂場が左右にある廊下を進んで、突き当たりにある扉に手を掛ける
この先がリビングだ
「ボビー」
カチャリ
扉を開いて中を確認する
うっすらとだけスタンドライトのようなものが付いていた
その光で照らされているリビングの真ん中を見ると
ボビーがいた。
rc「せん……せ、?」
俺達はボビーをみて息を呑んだ。
そこには赤黒い液体、血だと思われるものが床に飛び散っていて、床には薬のゴミが大量にあった
そしてその中心で息絶えるように横たわるボビー
nt「せんせー!!」
弐十ちゃんがボビーに真っ先に駆け寄る
nt「せんせー!せんせー!!」
何回も呼びかけるがなにも応答はない
俺はすぐに部屋の電気を付けて確認する
暗闇の中でみた景色とはまた違って、より部屋の中は悲惨だった
ボビーの両手首は血で染まっていた
sd「救急車呼ぶ。りぃちょくん、息してるか確認して」
rc「はい」
シードがすぐにポケットからスマホを取りだして救急に連絡する
りぃちょはキルの指示に従って、ボビーの首と心臓に手を当てて脈と鼓動を確認する
rc「生きてはいる……けど脈が弱い……」
俺はその場にあった布でボビーの両手首の傷跡を抑えた
nt「ニキくん……これって……」
弐十ちゃんがボビーの手首を見ながらこちらを見る
恐れていたことが起きていた
あの時あれだけやめてって言ったのに。
いや、やめられないか
こんなになるまで追い詰められているのに
前々からその節はあったのに
自傷行為に縋るしかなかったくらいにボビーは悩んでいたのだろうか
「……うん………リスカ……」
ボビーの両手首には脂肪が見えるくらい深く切られた跡があった
nt「なんで………!」
弐十ちゃんの目には、信じらない。そんな言葉が浮かんでいるような気がした
sd「救急車、あと数分で来るって」
シードがボビーの体に触れながらそういう
sd「………冷たい……体あっためるぞ。」
シードがそう言って、腰を上げる
でも俺達3人は冷静ではいられなくて、ボビーを眺めたり、自分の不甲斐なさを攻めることしか出来なかった
なぜシードがこんなに冷静に対処出来るのかが分からなかった
sd「おい」
シードがもう一度俺たちに呼びかける
俺はシードの方に顔を向けるが動くことはできない
離れたくない。ボビーと
そんな俺の横でりぃちょが泣き始める
rc「……せんせ、いや、しんじゃやだよ…泣
おれ、おれ、まだ気持ち伝えてないのに、!」
nt「……りぃちょ……」
バチンッ!!!
その瞬間、部屋中に打撃音が響き渡った
叩かれたのはりぃちょで、りぃちょが頬を抑えながら床に倒れ込んでいた
sd「なにメソメソしとん!!」
シードが大声で叫ぶ
sd「今そんなこと思っとったってなんも出来んじゃろ!!今俺らに出来ることはなんや!そんなことすら考えられんのか!りぃちょくんも!弐十くんも!ニキも!!俺らが助けるんだよ!しろを!考えろ、動け、役に立て!
今俺らにできるんはそれくらいや。メソメソすんな!しろのこと最優先!!死んでまうぞ!」
シードがそう俺らを怒鳴りつける
初めてだった。シードがこんなにも大声をだしたのは。
でも、そういうシードも目に涙を溜めていて、必死に堪えているようだった
「ごめん」
俺は深く深呼吸をしてからシードに謝る
目の前の状況にいっぱいいっぱいでちゃんと物事を考えて行動できていなかった
俺も弐十ちゃんもりぃちょもシードも
全員いっぱいいっぱいなんだ
今気持ちが。
「シード、俺とボビーを温めるようの何かを探そう。りぃちょ、皆にボビーのこと連絡して、ボビーから離れないであげて。
弐十ちゃん、多分この後すぐ病院に行くことになるだろうから、ボビーの私物、要りそうなものまとめておいて」
俺は全員に指示をだす
皆黙って頷いて、行動にでた
俺らが助けるんだ
ボビーを
死なないように
数分後、救急車がきてボビーが運ばれて行った。
rc side
しろせんせーが救急車で運ばれて行った。
ニキニキが同伴して
俺らはタクシーで病院まで向かうことになった
ほかの4人にも連絡して、皆で一緒に病院までいった
俺らが受付の人に事情を説明すると、すぐに手術室前まで通された
そこにはソファに力なく座っているニキニキがいた
「ニキニキ、せんせーは、?」
震える声でそう問いかける
ニキニキは静かに言った
nk「今、検査中。」
「手術じゃなくて?」
nk「うん、容態が悪いから手術室の中でいろんな検査してるらしい。」
ニキニキがふっと手術室を見ながらため息を吐く
kr「………せんせー、どうなってたんだよ。」
zh「病院に運ばれたからって、聞かされたけど……何があったの?」
「………っ」
俺は先程の光景を思い出してまた泣きそうになる
だめだな、ほんとに俺は。
目に浮かぶ涙を必死に堪える
皆が黙り込む中、シードが声を出す
sd「しろ、自傷行為してた。リスカとOD。意識無くなるくらい」
ht「は、」
km「そんなに、酷かったの?」
nk「ボビーの両手首は脂肪が見えるくらいに切られてたし、血溜まりがまわりに沢山あった。薬も、市販薬をざっとみ80は飲んでた」
ニキニキがその場のことを詳しく説明する
じゅうはちが口を手で押さえて顔を青くする
想像して絶句しているのだろう。
俺らでもキツかった。
現場を見た時は。吐きそうなくらいに。
じゅうはちが現場に居合わせなくて良かった。
それだけが今はホッとしている。
ガチャんッ
話していると手術室の扉が重々しく開き、中から移動式ベッドに乗せられたしろせんせーが出てくる
何本もの管がしろせんせーの体に刺さっていた。
nk「ボビー!!」
ニキニキが一目散にしろせんせーの側へ寄る
kr「白井は、どうなりましたか」
キルがいつもの様子からは考えられない落ち着きで医者へ問いかける
『一命は取り留めました。もう数十分したら麻酔の効果が切れて目を覚ますでしょう。ですが、あまりにも精神を追いやられています。手首も拝見させてもらいましたが、今回が初めてではないようです。十分注意してあげてください。今から病室まで移動させます。皆さんも着いてきてください』
そう言って医者が歩き出す
病室に着いて、しろせんせーはベッドに移動させられる
『意識が戻りましたらナースコールを押して教えてください。では』
看護師さんと医者が病室から出ていく
それと同時に隣にいる弐十ちゃんが深く溜息をつく
nt「はぁぁぁ………」
「弐十ちゃん…」
その場の空気はとても重かった
誰一人として口を開こうとしなかった
俺は、ベッドの横にある椅子にじゅうはちを座らせる。
流石に女の子を立ちっぱなしにはさせたくない
zh「ありがと…りちょ」
じゅうはちが無理やり笑おうとする
「無理しないで」
じゅうはちがしろせんせーの細い手を持って握る
zh「せんせー……痩せてるね……元々細いのに、もっと細くなってる。」
この会話も出来なかった1ヶ月間、しろせんせーがどのような食生活を送ってきたのかが分かる見た目だった
もともと痩せていた肌はもっと痩せこけて、肌も白くて、血管が浮いているところもあった
数十分後
俺らがせんせーの方を見ながら抑えめな会話をしていると、ほとんど眠りかけていたじゅうはちがビクッと肩を揺らした
nk「どうした?」
ニキニキがそう問いかけると
zh「今、私の手を握った気がした」
そう18が言った
「え、」
俺らはしろせんせーの傍に駆け寄り、しろせんせーに声をかける
「せんせ、聞こえる?」
nt「しろせんせー」
そうするとゆっくりとしろせんせーの瞼が開いた
「っ!!」
「せんせー!!」
良かった。
目が覚めて
俺は安堵に包まれながらしろせんせーの手を握る
「せんせー、せんせー、聞こえる? 」
しろせんせーは虚ろな目で天井を眺めたまま動かない
km「せんせー、?」
キャメさんがもう一度問いかけるとやっとしろせんせーは名前を呼ばれていることに気付いたらしく、ゆっくりと首を動かしてこちらを見る
sr「……き、ゃ……め…………、?」
弐十ちゃんがすぐにナースコールを押す
すぐに看護師さんと医者が駆けつけてくる
医師「白井さんー、聞こえますか?」
sr「は………ぃ」
医者「意識はあるようですね。ここがどこか分かりますか? 」
sr「びょ、ぅいん…………で、す……」
そこから何度が医者がしろせんせーに向かって質問をする
たどたどしくもしろせんせーは答える
たまに言葉につまることもあったが、医師は大丈夫だと判定したのか俺らに向き直った
医師「意識ははっきりしています。容態も今は安定しています。あとは様子見だけですね。また1時間後に来ます。なにか異変がでればナースコールを押してください。」
そういって部屋を出ていく
上半身を起こして、壁に寄りかかる形で起きているしろせんせーは
ぼぅっと自分の手のを見つめていた
その目には生気が全くなかった。
nk「ボビー、」
ニキニキが声をかけてしろせんせーの手を握る
nk「大丈夫、?」
sr「………いき……とる…………」
小さい声でしろせんせーがそう言う
まるで生きているのが残念だというかのように
「生きてるよ。しろせんせー、ちゃんと生きてる」
sr「……………し、ねん……かった…………」
そう言ってしろせんせーが泣き始める
目からぼろぼろと大粒の涙が流れる
表情は一切変わらずに
無意識に泣いているんだと思う
自身の手にぽとりと落ちた涙を見て、やっと自分が泣いていることに気付く
sr「ぁ…………、ぅ”」
しろせんせーが顔を覆って嗚咽を我慢するように泣き出す
その姿が見ているだけでも痛々しくて、目を逸らしそうだった
俺以外の奴らもそうらしく、誰も言葉を発しなかった
病室にはしろせんせーの嗚咽だけが響いていた
俺は。
どうしたらいいのだろうか
好きな人が目の前で辛そうに泣いているのに
何もすることができない
無力。その言葉が似合っていた
kr side
しろせんせーが声を抑えながら泣く
俺はそれが見るに耐えなかった
こんなに辛そうにしていて、こんなに体も心も傷付いているのに、俺は見ているだけ
しろせんせーが自傷していることにも今の今まで気付けなかった
zh「せんせー、泣かないで、」
じゅうはちが自身も泣きそうな顔でしろせんせーに声をかける
sr「ッ…………ぅ”ッ……、」
数分して、落ち着いたのか、しろせんせーが顔からゆっくり手を離す
sr「………」
rc「せんせ。落ち着いた?」
sr「…………ん……」
コクリとしろせんせーが頷く
その目はずっと掛け毛布を見ていて、一切こちらを見ようとしない
「せんせー。聞かせて。なんで自傷行為してたの 」
今この状況で聞くことではないと思う
だけど、しろせんせーがなんでこうなったのか、これからどうすればいいのか。
それを知るためには仕方の無いこと
今聞かなければしろせんせーは一生言わない気がするから。
しろせんせーの表情がもっと暗くなった気がした
sr「………」
「せんせー」
終始無言のしろせんせー
俺はできるだけ優しい声で声をかける
sr「……辛、かった………しにたかっ、た……」
しろせんせーが掠れた声で振り絞るように声を出す
sr「………………俺……しねん、かったん……ゃ、」
天井を見上げて悲嘆するしろせんせーは、今思うことではないがとても綺麗だった
儚くて、線が細くて透明感があって。
まるでどこかのドラマにありそうな景色だった
好きな人が苦しんでいるのに俺はなんてことを思っているのだろうか
俺はしろせんせーが好きだ
出会った時からずっと。
唯一無二の存在感。
しろせんせーと居ると、辛いことなんか全部忘れられて、幸せで居られる
多分これを思っているのは俺だけじゃない
俺含め全員分かりやすいからな
ニキもりぃちょくんも、キャメも18号も弐十もシードもはとねも。
みーーーんな。しろせんせーを狙ってる
だから、今みんな、複雑な心境だと思う
sr「……すまん…………迷惑かけたよな……。ごめん。もう、俺と関わろうとしなくて……ッ、ええからな…」
しろせんせーが顔を苦渋に歪めて、無理して笑おうとする
彼なりの配慮なんだろう
どうせこいつの事だから迷惑かけて申し訳ない。嫌われた。そんなことを思っているんだろう
そんなはずないのに
俺が声を発する前にシードが声を出した
sd「なんでそんなこと言うん!!」
sr「なんでって…………笑、失望、したやろ」
笑えもしない言葉にしろせんせーは不器用な笑みを浮かべる
自分だってそう言ってて辛いくせに、意地張って俺らの前で気丈に振る舞う
ムカつくんだよ
そういうの
辛いなら辛いっていえばいいのに
助けて欲しいってちょっとばかり手を伸ばせたばいいだけの話なのに
こいつは、いや、こういうヤツらは
迷惑かける。そう自分の中だけで話を完結させて先に進もうとしない
もっと頼れよ
もっと吐き出せよ
ああ、本当にムカつく
俺は気付けばしろせんせーの胸元の服を掴んでいた
ht「ちょ、キル、!」
しろせんせーは目をぱちくりさせて、何が起きているのかわかっていない様子だった
「ふざけんな。ヘラヘラすんな。辛いんだろ、苦しいんだろ、それなのに笑ってなにがしたいんだよテメェは。いつもみたいに軽口叩く勢いで俺らに助け求めろよ。俺ら仲間だろ。俺らがお前のこと捨てるような性格してると思うか?助けないと思うか?迷惑だと思うか?思わねぇだろ!言えよ!助けてって!辛いって!!そうでもしねぇとお前死んじまうぞ!!
いいんだよ!!いえ!はきだせ!!
他人のことなんて考えるな!!本音を言えよ!!」
sr side
キルちゃんに服を掴まれて、すごい形相でそう言われた。
気付けば俺の頬には涙が伝っていて、ぽとぽととキルちゃんの手の上に落ちていた。
迷惑だと思われてると思ってた
こんなことでいちいち死にたくなるなと言われているんだと思ってた。
でも、ちがった。
こいらにはこいつらなりに考えがあって、俺のことを助けてくれる。
俺を1番に考えてくれる。
キルちゃんの今の形相がそうだ。
まるで有無を言わさない圧。
「助けてって……いって、ええん……?」
kr「当たり前だろ」
キルちゃんがゆっくりと俺の服から手を離す
そしてキルちゃんと入れ替わるようにニキが俺の前に立つ
涙が止まらない
溢れ出るのを抑えられない
「おれッ、めいわくや……なぃ、?」
nk「迷惑じゃないよ。ボビー。」
nk「だから。」
nk「ボビーの抱えてるもん。全部教えて」
ニキがそっと俺の手を握る
外はもう暗くなって、月の光が差し込む病院の一室。
ベッドに上半身だけを起こして横たわる俺とそのまわりで真剣な眼差しで俺のことを見つめる最強無敵の皆
俺、なんで今まで頼ってこやんやったんやろう
不意にそう思う
今までは迷惑かけるからだとか、気持ち悪がられるからだとか
色んな思いが俺の心の中を右往左往していた
でも今はそんな気持ち一切ない
頼りたい。言いたい。助けを求めたい
それだけでいっぱいいっぱいだった
俺はニキの手をぎゅっと握り返す
すきだ。俺はこいつらの事が。特にニキの事が。
大好きだから伝えられなかった
大好きだから頼れなかった
こんな不甲斐ない俺でごめん
でも、今だけは。
今だけはお前のこと信じてもええよな
震える口を開いて俺は声を出す
「たすけて……にき……泣」
nk side
sr「たすけて……にき……泣」
ボビーが俺の目を見ながら、辛そうな顔で助けを求めた
初めてだった
ちゃんとボビーが俺たちに助けを求めてくれたのは
俺はボビーを引き寄せて抱きしめる
その体は異常な程に冷えきっていて、変な汗もかいていた
震えて泣くボビーの背中をゆっくりさする。
大丈夫。大丈夫。
そう、自分とボビーに言い聞かせる。
ボビーは仕切りに泣いていて、嗚咽が止まらない
sr「ぅ”ッ、ぁ”ッ泣ごめッ、ごめ、んッ泣」
ごめん
ボビーは繰り返しその言葉を吐いた
何に対しての謝罪なのかは大体検討が着いている。
俺も、俺以外も。
こっちこそごめん。
気付かなくて。こんな状態までほっておいて。
最愛の人の変化に気付けないなんて、俺は凄くダサい。
俺はボビーが大好きだ。
友達としてじゃない。恋愛として。
だからこそ守りたい
ボビーを、ボビーの笑顔を。
俺はボビーが泣き止むまで抱きしめ続けた。
数分するとボビーの呼吸も収まって、顔色も良くなった。
sr「………ありがとぅ。」
ボビーが俺達を見ながら感謝の言葉を示す。
sr「話も、聞いてくれてありがとう。ごめんな。ほんとに」
ボビーが今日何度目かもわからない謝罪を口にする
その瞬間に俺達はむっとした表情に切り替わる
ht「ねー、皆。しろせんせーまだ分かってないらしいよ?」
nt「はぁ。俺達1時間かけて教えたのに?」
rc「これはお仕置が必要かな〜」
皆が口々に愚痴を零す
sr「あはは笑すまん笑もう言わん」
もう。いいかな。
俺はそう思って椅子に座るボビーの前で膝まづく。
ここまで来たら察しのいい人は気付くだろう
俺が今から何をするのか
そう。告白だ。
sr「にき?」
ボビーが困惑して俺の名を呼ぶ
「ボビー」
「俺ね。ボビーの笑った顔がすごい好き。
いつも俺らのこと考えて行動してくれるところも。
後先考えずに突っ走って行くところも。
俺たちの言葉で一喜一憂するところも。
俺は、ボビーの髪の毛の先からつま先まで、全部全部大好きで、全部愛してる。
もう二度と、ボビーの泣き顔なんて見たくないし、辛くなってる姿も見たくない。
一生守っていきたい。
だからさ。ボビー」
ボビーの手を取って、俺は両手でそっと握る
今から言う言葉の返事を。ボビーがどう返すのかわからない。
でも、今だけは少しの希望を持って接しよう。
「俺と。付き合ってください」
rc side
「俺と。付き合ってください」
ニキニキがそう言ってしろせんせーの手を握る
ニキニキがしろせんせーの前で膝まづいた時から、告白するんだろうな。とは凡そ予想が付いてた。
1歩先に越されたなぁ。
俺も告白しようと思ってた。実は。
皆が帰った後に、1人だけ残ってしろせんせーにアタックしようと思ってたのだが、そんなのニキニキが悠長に待っているはずもなく
今こんな状態。
はぁ。
ほんと嫌になる
メンバーの幸せは願いたいよ?
鬼じゃないもん俺。
だけどさ。
いざ目の前にして告白してるってなるとちょっと不安になってくるじゃん?
だから。心の奥で少し、少しだけ、失敗しろって思ってる自分がいる。
最悪だよねほんと。
自分でも性格悪って思っちゃうわ。
しろせんせーがニキニキにそう言われた瞬間、ゆでダコのように顔を赤らめる
sr「は………え、それ……本気なん、?」
おどおどとした口調で疑心暗鬼に問う
ニキニキはそれでもしっかりと、もう一度告白する
nk「うん。俺は、ボビーの事が恋愛として好き
付き合ってくれますか?」
数秒しろせんせーは黙って、その後答えを出した
sr「……こんな、俺でよければ。笑」
その瞬間にニキニキがしろせんせーを抱き上げる
nk「ほんと!?ほんとにいいの!?」
sr「わっ、や、やめぇや!いいって言っとんねん!笑」
自分より身長の高い男を軽々と抱き上げるのはしろせんせーが軽いからなのだろう
ニキニキはしろせんせーを抱き上げたままグルグルと回る
こんだけテンションがあがってると言うことはそれだけ嬉しかったのだろう
sr「俺も、お前のこと好きやった」
しろせんせーが幸せそうに笑いながらニキニキを見つめて言う
ああ。ほんとに。
目の前で起きていることは幸せなことのはずなのに、俺の心は沈んでいた。
じんわりと目に涙が浮かんでくる
俺も。好きだったのにな。
そう思えば思うほど涙が止まらない
ぽとぽとと涙が落ちる
それにキルちゃんと弐十ちゃんがまっさきに気付く
kr「おまw何ないてんのw」
nt「ねえ!りぃちょ泣いてる!!」
「うるせッ、泣」
ニキニキとしろせんせーがそれに気付いて動きを止めてこちらを見る
ニキニキは申し訳なさそうな顔をしてこちらを見ているが、しろせんせーはなぜ俺が泣いているのかは分からない様子だった
sr「りぃちょ、?なんで泣いとるん?」
キョトンとした顔でしろせんせーがこちらに駆け寄ってくる
ふらふらとした足取りで、まだ動くのもやっとだろうに
「ッ……泣」
するとシードちゃんがからかうように
sd「なに、ニキ達が幸せになるのがそんなに嫌なんか?笑」
と言った
「は!?幸せになって欲しいよ!!そりゃあさ!!大事な仲間だもん!!」
俺は反論するように声を荒らげる
でも、声を出してしまったが為に口が止まらず、そのまま本音が出てしまった
「でもさ!!俺だって!俺だって、せんせーののこと、好きだったもん…………、!泣」
俺がそう言うと手を伸ばそうとするしろせんせーの動きが止まった。
sr「は………?」
俺はしろせんせーを前にぼろぼろ涙を零して大泣きする
良い大人が。と思うかもしれないがこれでもまだ一応20代前半だ
まだ少し子供の部分だってあるし、このメンツの中では一番年下なのだから泣いたっていいだろう
俺は不意にしろせんせーの袖を強く掴む
その様子をみた最強無敵のやつらは大声で笑い始めた
km「あっははははは爆笑」
kr「まって、そゆこと?!w」
sd「あーねー笑」
しろせんせーだけは何がなにやらわかっていない様子で袖を掴む俺と笑い転げる皆を交互に見つめるだけだった
「……うぅ泣」
sr「りぃちょ、俺のこと好きやったん、?」
しろせんせーがおずおずと俺の顔を見て遠慮がちに言う
「そうだよ………」
小さい声でそう答える
「お前らだってそうだろ!?!?」
俺は周りで笑い転げる男どもを指さして言う
そうすると男どもはピタッと動きを止めて苦い顔をする
俺だって知ってるし
こいつらがしろせんせーのこと好きなの
皆わかり易すぎんだよ
sr「え!?は!?」
気付いていなかったの?せんせーは
鈍感にもほどがあるでしょ
kr「……ニキに先越されたからなぁ……」
キルちゃんがにがにがと声を出す
その顔は今にも泣きそうな顔だった
nk「なんか申し訳ないわぁ笑」
ニキニキが腹立つ顔でしろせんせーを引き寄せて自慢する
くっそ、なんでこいつなんだよ
でもいつものみんなの調子に戻ったおかげで、俺は少し笑顔になれた
「しろせんせーの事泣かせたりしたら許さないからな!!ニキ!!!」
km「しろせんせーが泣いたら即別れろ!」
kr「しろせんせーが辛いとか言い始めたら俺が横取るからな」
sd「しろ、いつでも俺のとこに来いよ」
ht「俺もまっとこー」
zh「いつでも相談乗るからね、せんせ」
nt「www右に同じく」
俺達がニキニキを責める
nk「一生泣かせねぇよ!」
まぁ、すごい悔しい結果にはなったけど
この先せんせーが泣くことがありませんように
このままずっと。
ずっと
幸せな空間が続きますように
end
コメント
4件
ご馳走様でした((( ニキしろ最高ー!
アァ…スキダァ……
まってたよ^^ ニキしろエンドさいこーーーーーう まじでこっちまで苦しくなったわ描写がリアルすぎてなんか腕痛くなってきた