コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
放課後の教室に、斜めの光が差し込む。
誰もいない教室で、私 はノートを閉じた。
窓の外には、白いシャツの袖を風に揺らす五条悟の姿。
笑って、誰かと話している。
その声が聞こえた気がして、胸が少し痛んだ。
「先生、また誰かと笑ってる… 」
呟いた声は私にしか聞こえない。誰にも届かない。
五条先生の笑顔は、遠い。
眩しいほどに遠くて、
だからこそ、好きになってしまったのだと思う。
伝えたら、きっと壊れてしまう気がして。
だから今日も、何も言わないまま、
夕陽の色に染っていく教室で、
私はそっと目を閉じた。
「”好き”って、言えたら良かったのに。」