俺と呉宮先生の代金は払っておくから先に家に連れて帰ってあげてと言われて仕方なく居酒屋を出た。寝てるならそれで放っておけばいいのに。肩を揺すったり頭を触ったりしても起きる気配がない。ちなみに頬はちょっともちもちしてた。
歩いて帰れ無さそうだし俺が背負って行くしかないのか…しかも呉宮先生の家知らないし。ここから歩いて15分くらいで俺の家がある。近いし俺の家連れていくか
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「呉宮先生そろそろ起きてください」
「ん、起きてる」
「起きてるならなんで俺が運ばなきゃ行けなかったんですか!」
夜の人通りが多い町を、男を背負って歩く姿はあまりにも滑稽だった。恥ずかしさから逃げるように街を後にして呉宮先生を俺が普段寝ているベッドにそっと置いた。
この部屋に今まで人を呼んだことがなかったから俺以外がいるのが変に感じる。呉宮先生の酔いがいいタイプでよかった。酔ったらもっと怒りっぽくなるとかだったら最悪だったな。
「ここどこだ?」
「俺の家ですよ」
「冴島の、家?」
「そうですけど」
「んふ、このベッドで一緒に寝るのか? 」
呉宮先生は楽しそうにケラケラと笑いながら俺の事をつついてくる。ちょっと可愛いかも。
「歩きでここから帰れるなら帰ってもいいんですよ?」
「無理、帰れないから。ここがいい」
「はぁ…スーツシワになっちゃうから脱がないと」
「冴島が脱がせてほし、」
「え、俺ですか」
俺の目をうるうるとした瞳で見つめてくる。これが上目遣いと言うやつか。
呉宮先生のスーツのボタンに手をかけて外していく。ネクタイも外して…って、シャツまで脱がせたらなんも着てないなんてことないよな?下も脱がすと太腿にはシャツガーターが着いていた。無防備で白い脚に黒いシャツガーターが映えている。いつもスーツをビシッと着こなしている呉宮先生のこんな格好を初めて見た。
「部屋着なんか持ってませんよね?」
「ない。冴島の服は?」
「部屋着はスウェットとか、そういうのしかありませんよ。」
「それでいいから」
タンスに入っていたなるべくシンプルで誰にでも似合いそうなものを呉宮先生に着せた。顔がいいせいでなんでも似合うなこの人。
「この服冴島の匂いする…♡」
「臭いってことですか…すいません」
「違う。冴島の、いい匂い」
「いい匂い??俺が?」
「落ち着く」
「ちょ、ちょっと近いです!」
酔っぱらいは危険だ。仲良くもないのに抱きついて匂いを嗅ごうとしてくるとか危なすぎる。普通にあざとくてドキドキするし。
「風呂は明日の朝にしましょうか。今日はもう寝ましょう」
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