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9.成長
登場人物
時透無一郎 霞柱
琴織星夏 星柱(命柱)
竈門炭治郎 赤い鬼殺隊員
嘴平伊之助 猪の鬼殺隊員
_________________
遊郭での戦いから二ヶ月、炭治郎くんが目覚めたというのでお見舞いにいくことになった。炭治郎くんの傷は私が治したのにどうしてって思った?
私の治癒は体の傷を治せても脳がいきなり傷に治ることに処理が追いつかずなかなか本調子になれない場合があるのだ。炭治郎くんたちはそれが治るまで蝶屋敷で昏睡していたというわけである。私がもっと命の呼吸を使いこなせていれば…ここまで時間はかからなかったかもしれないから申し訳ないけれど…。ただ宇髄さんは戦いの次の日には任務に行っていたので凄いというか怖いと思った。
…ということでいまは蝶屋敷に来ている。
伊之助くん「ぎゃっはっはっ!俺は最強だぜぇ!」
炭治郎くん「おい伊之助落ち着けって!
あっ、星夏さん!?久しぶり!元気だった?」
私「あの時から連絡できなくてごめんね
時透さんとなんとか二人でなんとか脱出できたけど瓦礫に巻き込まれちゃってほとんど戦えなかったし…」
伊之助くん「お前!前の柱だな!元気なら勝負__」
炭治郎くん「だめだって伊之助!
星夏さんはそれでも傷を治してくれたじゃない!…というか瓦礫のなかからでられるなんて…すごい」
私「まあ、これでも一応柱だからね!二人じゃなかったら死んでたけど」
炭治郎くん「(2人ともかわいい見た目なのにどれだけ強いんだろ、年下だし…)
_あっ、そう言えばこの前思ったんだけど
霞柱さんは星夏さんが大好きなんだね」
私「えっ?」
確かに時透さんと会ってから最近は特によく話すようになっていたけど
そこまで大事に思ってくれてるのかな?
そもそも時透さんのが私をどう思っているかなんて考えたこともなかったな。信頼はしてくれたとしても、そんなに私のことを好きでいてくれてるのかな…
ただ、なんとも思ってもらえないのは…さすがに悲しい、
私「そうなの…かな?」
炭治郎くん「本当だよ
だって柱合会議や他であったときはなんの感じもしなかったのに、吉原で一瞬霞柱さんが星夏さんといるとき感じたのは、あんな状況でも信頼と安心の匂いがしてたから。知らず知らずのうちに、お互い安心しているんだなって」
私「…そうなんだね、ありがとう。やっぱ炭治郎くんは優しいな」
炭治郎くんはいつも明るく話しかけてくれて、純粋でいい人だった。私はそんな彼の太陽のような明るさに憧れる。
炭治郎くん「そっ、そうかな?(笑顔がかわいいな///)」
_______________
チラッ
ぼく「(あれ、あの部屋にいるのは星夏?一緒にいるのは誰だろ…何はなしてるのかな。まあぼくには関係ないか。速く破れた服、治してもらいに行かないと)」
スタスタっ__
_______________
私「また合える機会があったら会おうよ。それまで体を大切にね。」
炭治郎くん「うん!俺はこれから刀鍛冶の里へいくから、近々合えるかは分からないけど…また合うの楽しみだよ!」
私「わたしも、また会おうね!」
そういって部屋から出ようとすると
炭治郎くん「__あっ、あと手紙も書くねー!」
私「…っ!はーい!」
ついでに手紙をくれるといってくれた。友達から手紙をもらえることは初めてなので、本当に嬉しかった。
炭治郎くん「(星夏さんは心の綺麗な優しい人だな。そんな匂いがする。)」
~無一郎邸にて~
他人に興味をもたない、物忘れが激しい時透さんにも、名前を覚えてもらえる方法は一つあった。
星夏「これ、お土産です!」
無一郎「なに?この袋」
星夏「開けて見てください」
がさっ
それは時透さんの大好物、ふろふき大根。
特にお気に入りだった店で買ってきた物だ。頻繁にこれを渡せば好物をくれる人として名前は覚えてくれる。機嫌を取るときにも必須な物だ。
時透さん「後で任務のとき食べるよ。そこ、置いておいて」
私「はいっ!…そっ、それで時透さん…一回だけ一人で外出…」
時透さん「え?なにいってるの?君はまだぼくと一緒に稽古しないとだよ。まだできることたくさんあるでしょ」
…だめだった。一人で好きな物買いに行きたかったのに。そろそろ一人で外に出させてくださいぃ(泣)
まあまた交渉しよう…はぁ…ここの掃除終わったら稽古にいかなきゃ。
__タタタッタタタッ
かっ!かつ!
だいぶ時透さんの気配を感じれるようになった。触覚が機能しなくても、耳で空気のわずかな揺れや、目が相手からくる動きを予測し、意識して気配を捉えることができる。
やっぱり、気配を掴めばお茶の子さいさいなんだ!肌の感覚がほとんどない分、他の感覚が鋭くなる。それを利用すれば…!
かっ!かっ!かっ!
時透さん「っ…
(短期間で気配を察知できるようになっている_でも)」
ばしっ!
私「あっ!」
ただ、時透さんが本気を出してしまえば私は彼の気配が読めない。
時透さんの気配の察知能力値が九なら、
私は七にいくか満たないかだろう。(ちなみに前は五ほどでした)
なんといったって霞の呼吸の使い手だ。
技術力、戦闘能力はあっても、時透さんは一瞬の隙にある私が視界から見えない角度の場所に移動し、気配をなくされることで全ての弱点を突かれてしまう。
その結果、時透さんが有利になる。
なので一回稽古すれば三勝七敗で大体は負ける。
かっ!かた!
__!また気配を消される…。空気の粒子を読み取って反応してっ!
タタタッ
そこだ!
びゅん!
当てられなかった…
気配を十分に感じ取れないからだ
タタタッタタタッ
ばんっ!
私「っ!」
背後から木刀がきた
近距離をとられた…
バシッ
その時手首を強く打たれてしまった
私「うっ…」
また攻撃を当てられ私は崩れ落ちた
バッ!
かたんかたん…
時透さん「…(木刀を降ろす)」
やはり抑えられなかった。木刀が落ちた。私の力が弱いから。そういう体質だからこれだけは克服できない弱点。けど攻撃は避けること自体はできてたのに…初めて打撃をもろ受けてしまった__時透さんも技術が上がってる。
時透さん「やっぱりだめだね。僕の気配を察知できてない」
時透さんはじっとこちらを見て言う。
そうだ、いくら頑張っても私はもっと努力が必要なんだ。自分を甘えさせるな
時透さん「ねえまだ稽古は終わりじゃないよ
構えて、もっとぼくに集中して」
まずい考えすぎてぼーっとしてた。稽古のときは絶対に気を抜くな!
私「はいっ…!すみません」
返事をするとちょうどカラスが飛んできた。時透さんは稽古場の扉を開けた。任務の話だと察知したみたい。
時透さん「少し早めに任務になったからいってくる。道場閉めといて。
(すたすた…)
あと_君ももうすぐだよね?その前に蝶屋敷に預けた服とってきて」
私「はい、承知しました」
構えをはずし、礼をして道場からでた。
そして私も支度をして蝶屋敷にいった。時透さんの言うとおりすぐ任務になるから。今日は甘露寺さんと初めての任務(前は煉獄さん)、楽しみだなぁ
外にでようとしたとき、時透さんがいた。突然思いついた。
私「あっ、時透さん__」
時透さん「なに?」
私「ふろふき大根、やっぱり一緒に食べましょう。冷めてしまったではなくて、温かくして食べたいでしょう?」
いつも温かくて柔らかそうな方をとってたから_なんとなくそう思った。
時透さん「うん、じゃあお願い」
正解だったみたい。そういってふろふき大根を渡してきた
その時少し気分がよさそうだった。
_______________
稽古中に急遽任務に呼ばれた。異能の鬼にてこづっているらしく、何人もの隊員がまた死んだらしい。
屋敷を出てしばらくして、目的地に着いた。鬼の気配がする。こっちだな
早く鬼を倒して、帰って、
星夏と一緒にいたい。
その時右に強い気配を感じ、向かった
すたたたっ
女性「助けてっ!助けて(泣)!!」
ぼく「…」
_なぜか配慮に欠けるといわれるぼくでも、分かることがある。
女性「きゃあぁぁぁ!」
タッタッタッタ!
鬼「…!また鬼狩りか__!?
っはやすぎる!?」
ぼく「これで速いとか、ずいぶん弱いね」
霞の呼吸 弐の型 八重霞
ずさっすばっ!
____鬼に襲われる恐怖、憎しみ。
鬼「ぐぁぁぁぁあ!」
首を切った。すぐに消滅。なんで隊士たちは手こずったんだこんなのに
しゅっ_(刀についた血を飛ばす)
ぼく「…大丈夫?」
女性「大丈夫…です…(子供?)」
ぼく「まだ危ないから、はやく逃げて」
女性「はっ、はい!」
スタスタスタ
鬼に対して、体が強い感情、感覚を覚えていて、そのおかげで反吐が吐くほどの努力ができた。だがそれ以外は何も分からなかった__
でも、初めて彼女とあったときは
なにも知らないはずの彼女を知っているかのように自然と言葉をかけていた。他人の事情なんてどうでもいいはずなのに、知ろうとして、深入りした唯一の人。
彼女といると、おかしなくらい心の安らぎを覚える。
困ったな__君と離れられない
…なに考えてるんだ俺は、集中を切らすな。まだ鬼の気配がする_
しゅぅぅー…
…遠くからきた?
別方向から人を求めてやって来たのか…
いや、違う
ひゅんっ
鬼「人間発見、お前はどこから食べようかなぁ」
気色の悪い声でこっち来た鬼は言った。
ぼく「なんだもう焦らないんだね」
鬼「!?」
また異能の鬼だな。下弦の鬼程度か、一瞬にして気配を消せることに長けているようだ。だからか…
ぼく「悪いけど俺、喰われないから。」
__シュンッ!
ぼく「ほら、切られるよ。こっちから刀を振る必要もない」
星夏の獲物だからね。
星夏「星の呼吸 陸の形 七曜星」
ジャキジャキジャキジャキン!!
鬼「は?(何が起こった!?あの女のガキは距離を置いて逃げたはず…)」
べちゃっ
首が落ちた
多分、鬼が視界から一瞬消えたから手こずったんだな。空気の動きを呼んで鬼の位置をすぐに特定したからまあ上出来。やはり彼女の持ち前の速さと流麗な動きにはぐうの音のもでない
星夏「時透さん済みません…。鬼をそっちの区内まで入れさせてしまって。人は襲っていなかったので幸いですが」
ぼく「大丈夫、前の君でも人を襲う前に鬼を狩れてただろうけど、成長はしてるから」
星夏「…はい!」
彼女は…今はでていない太陽みたいに笑った。それを見ると、ぼくも彼女のように成長したいと思った。もっと鍛錬しないと
甘露寺さん「きゃぁぁあ!遅れてごめんなさい(>_<)!」
星夏「甘露寺さん!大丈夫ですよ!もう一体の方の対応ありがとうございます」
甘露寺さん「うぁぁあん!優しいよぉお!二人ともまだ子供なのに立派だよぉぉ!」
ぼく「そったか、今日は甘露寺さんと任務だったんだ…」
星夏「はい!甘露寺さん強くてかっこよかったです。さすがです✨」
甘露寺さん「ありがとう~!(T-T)
じゃあまた次の任務でね!」
星夏「はいっ!(手を振る)」
タッタッ…
…気づいたけどぼくの刀ひどく刃毀れしているな。
ぼく「…」
星夏「…?時透さん?あっ…刀刃毀れしていますね…。」
ぼく「今度直しにいかないと」
星夏「あっ、そういえばしのぶさんから聞いたのですが刀鍛冶の里に戦闘用のからくり人形があるって聞きました。ちょうどいいし修行になるかもしれませんね。」
ぼく「そうなんだ。じゃあすぐ行ってみる。
君もくる?」
今気づいた。刀鍛冶に行くのには遠いのでしばらく星夏とあえなくなる。星夏と稽古したいし、離れる時の違和感も面倒くさい。
ついてこさせたい。
星夏「え?私ですか?なんでっ____」
ぼく「君以外誰がいるの。刀、血を浴びてそろそろ錆てくるんじゃない?行った方がいいよ」
星夏「あっそれは手入れするので__」
ぼく「刀鍛冶にやらせたほうが切れ味いいよ。ほら申請するよ」
星夏「はっはい…(ご、強引すぎる…)」
そうして僕たちは修行のため刀鍛冶の里へ行くことになった。