テラーノベル
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朝のピザ屋。
窓から光。
エリオットはカウンターの奥でケーキを食べている。
ぱく
幸せそうな顔。
チャンスは椅子に座っている。
コインを指で回している。
カラン
エリオットが言う。
「チャンス」
「ん」
「コーヒー飲む?」
チャンス。
「飲む」
エリオットがカップを置く。
それから。
ネクタイ。
ぐい
チャンスが前に引かれる。
「……」
チャンス。
「癖」
エリオットは笑う。
「落ち着く」
チャンスはコーヒーを一口飲む。
それからコインを弾く。
カラン
エリオットが聞く。
「またコイントス?」
チャンス。
「そう」
エリオット。
「何決めるの」
チャンスは少し考える。
それから。
わざと。
少し大きめの声。
「昨日のこと」
エリオット。
「?」
チャンス。
「覚えてないらしいし」
エリオットはケーキを食べながら聞く。
「昨日?」
チャンスがコインを親指に乗せる。
カラン
弾く。
空中で回る。
エリオットの目が追う。
パシッ
チャンスが受ける。
手を閉じたまま言う。
「昨日」
少し間。
「酔って」
エリオット。
「うん」
チャンス。
「俺の肩にもたれて」
エリオット。
「うん」
チャンスはわざと続ける。
「ネクタイ掴んで」
エリオット。
「それは普通」
チャンス。
「それから」
少し笑う。
「好きって言った」
エリオット。
ぱく
ケーキ食べたまま。
止まる。
沈黙。
チャンスはコーヒーを飲む。
何でもない顔。
エリオット。
「……」
チャンス。
「……」
エリオットがゆっくりケーキを置く。
「……え?」
チャンス。
「聞こえなかった?」
エリオット。
「え」
チャンスが言う。
「言った」
エリオット。
固まる。
耳が少し赤い。
チャンスがコインを見せる。
「コイントス」
エリオット。
「なに」
チャンス。
「もう一回言うか」
エリオット。
「……」
チャンス。
「表なら」
エリオット。
「……」
チャンス。
「言う」
エリオットの顔が一気に赤くなる。
「待って」
チャンス。
「裏なら」
エリオット。
「……」
チャンス。
「秘密」
エリオットが急に近づく。
そして――
ネクタイ。
ぐい
チャンスが前に引かれる。
エリオット。
顔真っ赤。
でも。
にこっと笑う。
「チャンス」
「ん」
エリオットが言う。
「コイントス」
チャンス。
「?」
エリオット。
「しなくていい」
チャンス。
「なんで」
エリオットは少し照れた顔で言う。
「もう知ってる」
チャンスは少し笑った。
ゆゆゆゆ
#Paycheck
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