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美奈Side
私は不良校、聖蘭学園に通う。
理由は単純。
勉強はしたくないけど、
中卒は嫌だったから。
願書さえ書けば入学できるようなここは、
有名な不良校だったのに…
それに気づくのは、
受験に行った時。
バイクで来る男たち。
校庭では喧嘩。
いかつい人たち。
カオスだった。
女子でさえも、
やばい人は多かった。
とくに一軍は、
The、ギャルみたいな感じだった。
そして私は、
一軍のリーダーに気に入られたらしい。
無事受験にうかって、(当たり前だけど)
入学式の日、
一軍のリーダーが話しかけてきた。
「おはよう!あなた名前は何?」
遠くから見るとギャルだった一軍は、
近くで見るとけっこうかわいい。
「内田美奈といいます!」
「美奈ちゃん!ウチらのグループ入んない?
美奈ちゃんかわいいし、
来て欲しいんだー♡」
「えっ、可愛いわけないですよ(/// ^///)
グループですか…ちょっと考える時間もらえますか?」
「もちろんいいよ!
いつでも声かけてね!
じゃあまた後で!」
そういうと、どこかえいってしまった。
うーん、どうしようかな…
一軍とかちょっとな…
目立つの得意じゃないし…
でも4人ぐるだったな…
人数少ないぐるのが好きだけど…
あの子たちかわいいし、
一緒にいれたら嬉しいなぁ…
オシャレとか、してみたいし…
うーん……
そんなことを考えるうちに、
入学式の時間になった。
出席番号順に廊下に並ぶ。
と、後ろに並ぶ子がガチガチになっているのに
気づいた。
私は声をかけてみることにした。
「初めまして!
内田美奈っていいます!
美奈って呼んで!
これから仲良くしよー♡」
ここまで言った理由は…
彼女は地味子だけど、
黒髪はヴィッグに見えるし、
きっとその下に綺麗な髪があると思ったから。
綺麗な薄い茶色の澄んだ瞳をしていたから。
瓶底メガネの下に、
たしかに綺麗で整った顔が見えたから。
きっと、この子はかわいい!
仲良くしたい!
ニコッと笑いかけた。
その子は、一瞬ビクッと肩を揺らした後、
「はっ、はじめまして!
内野、涼香です。
よろしく、お願いします。」
控えめにそう言った。
「タメ口でいいからね!
これからよろしく!
すずちゃん!」
「よろしくね!美奈ちゃん!」
すずちゃんはニコッと笑った。
めっちゃかわいい♡
それから私たちは親友となって、
過ごした。
そして私は決めた。
一軍に、はいる。
カースト上位のグループはちょっと苦手だけれど、
すぐなれると思う。
あの子たちと友達になれるなんて嬉しい!
中間テストがおわった。
点数は、まぁ、悲惨だった。
そもそも勉強したくなくて入ったとこだしね。
でも、私と違ってすずちゃんは勉強できる。
まだすずちゃんは学校に来ていないけれど、
張り出されている順位表を見てこよう。
すずちゃん、何位かな?
あ、みっけ!
1位だよ!
さすがすずちゃん!
人混みから抜け出した。
すると、すずちゃんを見つけた。
「ねぇすずちゃん!
すずちゃん学年で1位だよ!」
すずちゃんすごーい!といって
肩を掴んでぴょんぴょん跳ねる。
「やった!」
そういってすずちゃんも喜ぶ。
「ねぇ美奈
あんたまだあんな地味子と一緒にいるのぉ?
さっさと友達やめなさいよぉ
あんなの埋め合わせ程度なんでしょどーせ
私たちのぐる入れたんだからもう不要よね?」
「えっひどい!
すずちゃんは私の親友だし、
かわいいし、いつまでも一緒だよ!?」
「へーぇ。
でも、私たちは地味子が嫌いなの。
美奈が仲良くしているところを見るのも嫌よ
あんな勉強しかしなくて、
勉強がちょーっとできるからって
気取っているようなやつなんか
邪魔者よ。
美奈、あの子と縁を切ってちょうだい?」
「嫌だよ!なんで?
私はすずちゃんとずっと親友でいたい!」
「まだそんなこと言うの?
言っとくけど、
内野は『本当は友達なんていらないのに
私の友達は勉強だけでいい。
美奈ちゃんも本当は迷惑で鬱陶しい。』
って言ってたわよ?」
「えっ!?いや、すずちゃんがそんなこと言うわけない!」
「はぁっ!まだそんなこと言うの!?
だったら、アンタは内野を信じるのね?
美奈!どっちか選びなさい!
私たちとこれからも過ごす代わり、
内野と縁を切る。
もしくは、
内野とこれからも親友でいる代わり、
うちらのぐるから外れる。」
「そんな……」
本当に迷った…
いや、
本当の本当をいえば、
答えは既に決まっていたのかも…
私は、ぐるにいることを選んだ。
すずちゃんがあんなこと言うはずないけど、
どこかで信じちゃう自分がいた。
すずちゃんという1人の友達を選んで、
自分の居場所と4人の友達を無くすなら、
1人の友達を捨てた方が良かった。