テラーノベル
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冬が過ぎ去り、春の暖かさを感じられる頃。
私はクラス替えの表を見つめていた。
(蒼太くんと同じクラスになれなかったな…)
悲しんではがりじゃ駄目だ。
私は陽キャになって見返すんだ。
クラスが離れても私の中の灯火は益々勢いを増していった。
(やっぱり初めが大事だよね…友達できるかなぁ…)
クラスに入ると皆が座席表をみてざわついてる。
その中に、いつも明るくて
みんなに優しい陽キャの由紀ちゃんが
1人で座席表を見つめていることに気づいた。
(怖い…でも動かなきゃなにも始まらない…私は陽キャになるんだ…!)
私はメガネを外し、一歩踏み出す。
ともか「お、おはよう、由紀ちゃん。いっしょのクラスだね。」
由紀「おはよ!ほんとだ!いっしょだね!」
彼女が微笑みながら言う。
胸の中がじんわりと暖かい。
(成功した…!)
これがきっかけで私と由紀ちゃんは仲良くなっていった。
由紀「僕の推しの新ビジュがかわいすぎて~!」
あおい「俺の推しも新ビシュ更新されて、もうほんっっっと神!!」
ともか「…たしかに、かわいいね(笑)」
それからというもの、元々仲が良かったあおいと由紀と三人で推しの話ばかりをするようになった。
私は在ることに気づいた。
あおいはオタクであるが、
トークの上手さであおいの周りには
度々陽キャが集まっていた。
(これは使える…!)
それから毎日、
陽キャがあおいの元に来る度に 少しでも話そうと試みるが、 怖じ気づいてしまい、言葉が出て来ない。
(なんでできないの…こんなんじゃいつまで経っても陽キャになれない…)
私は考えた。
(話しかけれないなら、私が陽キャの興味を惹くようなことを話せば向こうから話しかけてくれるはず…!)
ともか「お父さんが、食べログやってるみたいで満足満足~とか書いててめっちゃ面白いんだよね(笑)」
優奈「え、なにそれおもしろwww」
私は初めて陽キャと会話をした。
陽キャが笑ってくれたことに安堵しつつも、お父さんをネタにしてしまったことに罪悪感を覚えた。
(陽キャと仲良くなれば私も陽キャになれる…!)
安易にそんなことを考えて、
私は陽キャと接触することを当面の目標にした。
係決め
偶然、 陽キャと係活動が同じになることができた。
私は不安と緊張と期待が混じった想いを抱えながら陽キャの様子を伺う。
千夏「ちょっと桜!ペンちょーだい!」
桜「あたしペン持ってないんだけど」
陽キャたちはペンが無くて困ってるみたいだ。
(私がペンを持ってきたら、仲良くなれるかも!)
ともか「…ペン持ってきたよ」
千夏「えっ、ああ、ありがと(笑)」
(喜んでくれたかな…)
千夏「ペンいらな~い、邪魔だし床に置いとこ」
(…えっ、いらなかった…? どうしよう、どうしよう、謝ったほうがいいかな…?私無駄なことしちゃった…嫌われたくない…)
心臓の鼓動が五月蝿い。
顔が熱くて今にも涙が出てきそうだ。
先生「せっかくともかさんが持ってきたんだからちゃんと使いなさい」
千夏「は~い」
(私のせいで千夏ちゃんが怒られちゃった…ごめんなさい…ごめんなさい…)
私はこの時気づいた。
陽キャと仲良くなるには自分が陽キャであることが前提なことに。
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