「莉犬今日学校どうする?」
あれからしばらく経った。
さとみくんはもう理由もなしに俺の傍にいてくれるって訳じゃない。
理由があって居てくれる。権利があって居てもらっている。
なんだかとっても幸せだ。
「ぅ、あ..今日も休んでいい…?」
「ん、いいよ。無理しないのが大事」
さとみくんは変わらず俺の家に毎日来てくれていて、身の回りの事全てやってくれている。
こちらが申し訳なくなっちゃうくらいに。
少し変化があったとしたら、さとみくんが泊まる回数が増えたことと一緒の布団で寝ることが増えたこと。
もういっそ一緒に住めたらいいのに。
…あとさとみくんが前にも増して過保護になった気がする。
学校を辞めた所でお金には困らず暮らしていけるし、さとみくんも無理に行かなくてもいいよとは言ってくれるけど、
学校にもだんだん行かなくなっていって、そのせいで余計に行った1回がしんどくてまた足が遠のいてしまう、、
でもさとみくんは許してくれる。
こんな俺でも受け入れて頭を撫でてくれるから。
さとみくんの腕の中にいる間俺は息を吸うことができるから。
まるで蟻地獄みたいだ。
もう逃げられない逃げ方も分からない。
「さとみくん」
「どうしたの」
…でも、さとみくんは今幸せなのかな、
俺はさとみくんがいたら幸せでいられる。
さとみくんはずっと一緒にいようって、でもさとみくんは幸せ?
俺に合わせちゃってないか偶に不安になる。
さとみくんに嫌われることが俺が今1番怖いこと。
考えすぎる俺の悪い癖。
いつまで経っても治らない悪い癖。
「..やっぱりなんでもない」
「そう?でも言いたくなったら教えて」
優しく頭を撫でてくれるその手に擦り寄った。
「あ、そうだ莉犬」
「なぁに」
「ほんとはもう少し後で渡そうと思ってたんだけど、これ。開けてみて」
突然渡された封筒。
下が垂れ下がるそれは何か固形物が入ってるみたいだった。
一体なんだろうと開けたそこに入っていたのは鍵だった。
「これ、、鍵…?」
「そう。莉犬一緒に住もうか。」
「莉犬と俺2人の家」
「なん、え、」
突然のことに驚く俺に少し微笑んでさとみくんは続ける
「俺が莉犬と一緒にいたかったんだ」
「これからはいらっしゃいじゃなくてさ、おかえりって言ってよ」
優しい瞳。甘くて溺れてしまいそうになる。
「せっかく恋人同士にもなれたからさ」
「…でもこれは俺の我儘だから莉犬が嫌なら無理にとは言わないけど」
少し不安そうな顔をしたさとみくんにドキリとして、否定をしたくて首を横に振った。
嫌なんかじゃない。一緒に住めたらいいのになんてこと考えてたばっかりだったから。
寧ろ嬉しすぎて言葉に詰まってしまった。
「毎日一緒?」
「そうだよ一緒」
「そっかぁ。えへへさとみくんと俺のお家」
でもそれだけじゃない。さとみくんも俺といたいって思っててくれたんだ。
俺だけじゃなかった。
変に不安がる心配なんて微塵もなかった。
いつもさとみくんといると考えてること全て見透かされてる気分になる。
でもそれはそんだけ俺の事考えて見てくれてるってことでしょ?
「うれしい」
「さとみくんだいすき」
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更新遅くなりました(ᥩ . ̫ .)…💦
コメント
2件
更新ありがとうございます! 桃くんは相変わらず赤くんが大好きだし、赤くんも桃くんが居ないと生きられないくらいになっちゃったし、お互いが幸せに溺れてく感じがめちゃくちゃ好きすぎました🥹🫶🏻遂に同棲するんですね、!尊いような桃くんのストーカーとかが気になるような🙃続き楽しみです!