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#💛💜
愛日
1
特務調査局の事務所にて、コントロールルームから出てきた阿部に渡辺がこしあんミルクを作って出してくれて、それを一口飲んだところで、向かいのソファに座った渡辺の隣に座っている目黒から、こんな話が出てきた。
🖤「阿部ちゃん、命の霊薬って知ってる?」
💚「命の霊薬?」
💙「……」
🖤「うん。今日、康二の店にコーヒー飲みに行ったんだよね。そしたら、何人かお客さん来てて、康二にそんな話してた。俺は出るとこだったからあんま聞いてなかったんだけど」
渡辺と、給湯室からマグカップを持って出て来たラウールも目黒の話に耳を傾ける。
🖤「ってか、れいやくってなに?」
💚「病気を治す不思議な力が宿った薬とか、飲むと不老不死になれるって信じられてる薬、かな。神話とかに出てくるんだよ」
🖤「さすが阿部ちゃん、よく知ってるね」
💚「昔から不老不死とか不老長寿に関するものって結構あって。秦の始皇帝が不老不死の霊薬を探すために使者を送ったとか、人魚の肉を食べると不老不死になるとか、ね。かぐや姫も月に帰る時に不死の薬を残してるし」
🤍「そうやって聞くと、確かにありそうな気がするね」
💚「神話でもいろいろあってね、インド神話のアムリタとソーマが有名かな。アムリタは、神と悪魔が神聖な海を混ぜて作った霊薬で、飲むと永遠の命が得られると言われてる。ソーマは、神聖な植物から作られる飲み物。ギリシャ神話に出てくるネクタルは、神様が口にする飲み物だね」
🤍「全部、飲み物なんだ」
💚「神話だとそうだね。アムブロシアが食べ物だったかな。秦の始皇帝が探してたのは丸薬だったみたいだし、その命の霊薬が何を指してるのかは分からないけど」
そうして話していると事務所のドアが開いて、岩本と深澤が中に入って来た。
🤍「岩本くん、ふっかさん、おかえり~」
💚「二人ともお疲れ様……って、なにかあったの?」
拗ねたような表情の岩本と、本当に疲れたような顔をしている深澤。
💜「警察署の帰りに、小学校三年生くらいの小さい女の子に声かけられてさ」
💚「うん」
💜「夢の中で怖い人が追いかけてくるから、助けて下さいって」
💚「……え? うん……」
💜「で、そういうのはお父さんかお母さんに話してねって言ったら、嫌だ嫌だって大泣きされちゃって」
💛「警察署の近くだったからめっちゃ警察官に囲まれた。誘拐犯だろって」
💚「あー……見た目で判断された?」
💛「俺、そんな怖い?」
🤍「うんまあ、黙ってたら強面の部類ではあるよね」
💚「ラウ正直すぎ」
🖤「阿部ちゃん、それフォローになってないよ」
💚「あっ、ごめん」
💛「もーいいよ」
💙「で? 結局その依頼どうしたんだよ」
💜「なだめて、話だけ詳しく聞く事にしたんだけど、その話がちょっと奇妙で」
言いながら深澤は阿部の隣に座り、岩本はキッチンのカウンターに置かれているハイチェアに腰かけた。
💜「家で寝たあと、気付いたら山の中にいるんだって。黒い影が追いかけて来るから走って逃げてって、大きな木の根元にある祠に着いたら目が覚めるって言ってた」
💚「それが、奇妙?」
💙「ただの夢じゃねーの?」
💜「と思うでじゃん? それをここ数日、毎日見てるんだって。で、昨日は躓いて転んじゃったらしい。そしたら、起きた時に同じところに傷ができてたらしくて」
💚「つまり……夢じゃなくて、本当に起きた出来事だったかもしれない?」
💜「そういうこと」
💛「ホントに追いかけられてるなら危険だし、寝てるのに別の場所に移動してるってなると異能の可能性が高い。だから、依頼じゃなくて調査ってことにした。子どもからお金取るわけにもいかないし」
💚「調査に行くのは、めめと翔太かな?」
💜「お。阿部ちゃんはその二人がいいと思う?」
💚「森の中なら自然に精通してた方がいいよ。あと、調査するならラウもいた方がいいね」
🤍「わかったよー! 僕、頑張るね!」
💚「俺は、そういうことを他に体験してる人がいないか探ってみるね」
💜「じゃあ、なべとめめとラウは俺と一緒に来て。今日の14時に約束してるんだ。一回、親にもちゃんと話すっていう条件付けたから」
コメント
1件
こしあんミルクを飲みながらの穏やかな会話から、一気に不思議な夢の依頼へと移る流れがすごく自然で、引き込まれました。阿部ちゃんの霊薬の豆知識がしっかりしていて、キャラの知性を感じさせる良いアクセントになってますね。岩本くんと深澤さんの遭遇した女の子の話、ただの夢じゃなくて現実に傷ができるってところが不気味で…。異能が関わってそうな展開、続きが気になります!