テラーノベル
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甘ったるい雨の匂い。嫌いじゃない。
「おいで〜!」
公園の真ん中にお母さんの姿。
「ままぁー」
僕は一生懸命お母さんの所へ行く。お父さんが後ろから優しく見守っている。
「ままー!」
お母さんのお腹に抱きつく。
温かい。
「へへっ」
「…ぅわああ!」
手に持ったお花をお母さんに渡そうとするが、虫が乗っていた。
「みつばちさんだね〜」
お母さんがひょいとお花を手に取る。
「わ、ふわふわぁ。へへ、かわいい!」
「そうだね〜。」
数分経ち、家に帰る事にする。
「ちょっともっといて。」
僕はお花に夢中で隣を歩く。
「危ないーー」
ドシャッ
一瞬だった。
目の前には飛び出した目、流れていく血。肉からは骨が飛び出している。僕の手にあったシロツメクサは、紅く染まっていた。僕の膝や手には、ただのかすり傷だけ。
キーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
耳鳴りがする。何も考えられない。
お母さんのお腹らしき所に抱きつく。
冷たい。
危ない、の後、僕の名前を呼んでくれたっけ。
中宮、って。
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全て、僕のせいだ。
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僕が死ねば良いんだ
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お前らばっかり救われやがって。
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いつか殺してやる。
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「ッ!!」
駄目だ。僕が救いたかったから救ったんだ。
でも、
でも、
「恩返ししてほしいなぁ〜。」
いや、駄目だ自分の不注意でお母さんを殺してしまったんだ。
殺される側だと言うのに。
残ったご飯を口にほうばり、カーテンと窓を開ける。無理やり口角を上げ、テレビで音楽を流す。
「さて、掃除しないと…」
こんな所で壊れちゃ駄目だ。
駄目だ。
「〜♪…。」
助けないと…
助けないと!!
助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと!!!
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何も出来ない。
してはいけない?
居てはいけない?
邪魔だった?
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何も………..出来ない。
「うッ」
ドコッ
「このッこの役立たずが!」
掃除機の電源を付けたまま床に倒れ込む。
何もやる気が起きない。
笑えない。
泣けない。
歩けない。
動けない。
怒れない。
息が浅くなる。
カッターに手を伸ばす。
切らないと。
(カッターは初めてかも、
ちょっと怖いな)
腕にカッターの刃を付ける。
スーー
(あれ?切れにくいな、)
ス、ス-
(怖いな、初めてだな、リスカなんて、紙で指が切れる感じ?シュッてやれば良いかな、)
シュッ…
目ではあまり見えない傷から水滴の様な形の血が出てくる。ジワジワと。その血の美しさに、体が震える程興奮する。
「綺麗、」
シュッ
シュッ
シュッ
シュッ
クセになる。傷は浅いけど。
たいしてそこまで悩んでもいないのに、ほんとに悩んでない。しかも勇気すらない。何でこんな事をしているんだろうか、にしても、綺麗だな、バレたらどうしよう。
「………….」
「やべっ!」(小声)
どうしよう。気持ち悪いって言われちゃう!明日は長袖で行く?血が染みるか、そう、だ!包帯がある、言い訳は、
「うちの猫が引っ掻いた。」
でも、見られたら終わりだ!!とりあえずそれでいいか、
「ホッ」
シュッ
シュッ
シュッ
そんなに悩んでもないのに、本当に。
罪悪感が、
「うーん…」
良くないな。
#CP要素あり
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コメント
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のるちさん、第6話読ませていただきました。 ……最初の甘い雨の匂いと、お母さんに抱きつく温かいシーンが、あの瞬間の冷たさを一層際立たせていて、胸が締め付けられました。「僕のせいだ」という自責と、それでも「助けないと」と繰り返す強迫的な思考の描写が、本当に生々しくて…。カッターのシーンも、冷静な観察と高ぶる感情のギャップが怖いくらいに伝わってきました。 これからどうなっていくのか、気になりながらも、主人公の心の声にそっと寄り添いたくなるお話ですね。続きも楽しみにしています。