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「この教団はとても危険で、教祖は心理学者で怪しい資格証明書を元手に、若い子からお年寄りまで、裕福だけど孤独な女性からお金を巻き上げているの」
弘美さんが答えた次に奈々さんが言う
「あの教団が開催する「あなたの惨めな人生を変えるサクセスセミナー」っていうセミナーには、疑う事を知らない人達がごまんと集まるの 」
奈々さんがワインを一口啜る
「酷い話よ、若い人はこれからどうするべきか導いてくれる師を与えて、お年寄りにはこれまでたどってきた人生を変える方法を提供するんだって」
「私が俊哉に連れられたセミナーは・・・無料だったけどそのセミナーはお金をとられるのかしら?」
私は怪訝そうに聞いた
「一泊二日で100万円 」
奈々さんが言った
「100万???」
これには驚いた値段が法外すぎる
奈々さんはタブレットを私に渡した
「この人実は私のクライアントさんなんだけど・・・この方のお母さん清水貞子さん(65歳)は、二年前にご主人を亡くして以来、ずっと鬱状態になって、クライアントの娘さんがずっと励ましていたんだけど、カウンセリングにも行かず、薬も拒んでいたの 」
弘美さんが続ける
「愛する人を亡くしたんですもの、悲しむのも無理もないわ・・・でも貞子さんが二年目にやっと外出するようになったの」
「よかったわね、それから?」
私ももう一口ワインを飲んだ
「そして友人の誘いでリバティ・トラストのセミナーに参加したの100万払って 」
「まぁ!そういうセミナーって何人ぐらい参加するの?」
「2~300人ですって」
「教祖は大儲けね!」
私はなんとなく、俊哉とリバティ・トラストの施設に行った時の事を思い出していた、たしかに参加している人はみんな良い人で自分の話をよく聞いてくれた
ご主人を亡くして寂しい人には救いになっただろう・・・・
そして立ち入り禁止区域に入った時のあの長髪の男性・・・・
さらに奈々さんが話す