テラーノベル
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──────勇者視点──────
目の前にいた神が急に首元に手を当てる。それと同時に──────
無音の絶叫が響く。
──────しかし、無音と言ったように実際には口を大きくあけ、目の瞳孔が震え、顔が始めてみるほど青ざめ、そして色を失っていく。
いつの間にか、俺が神に突き刺した剣先の部分から、ボロボロと崩れていく。俺は、その剣を離すことも、そいつに同情することもない。
むしろ───いや、そう願ってはいけないだろう。俺は、いや、いえが神に《救済》を与えたのだ。それを否定するのはいえを否定するのと同義だろう。
もう一度、神に目をやる。既に喉は消えていると言うのに、絶叫したつもりは終わっていない。
───最後に、つうっと一筋の涙を零し、最後まで絶望した表情で神は消えていく。
「良かったな。《救済》してもらえて。」
俺はそう皮肉混じりに答える。一つ、残念なことはいえにこの顛末を見せることも、知らせることもない。この魔法が使えたということはいえは本当にこの狂った神を救いたかったのだろう。こんな───少なくともいえが望まなかった結果を教えることは出来ない。
──────その時、ふと脳内で声が響く。
『大丈夫ですか?…上手く行きましたか?』
そう、いえが尋ねてくる。そう、途中から俺達は入れ替わった。何故ならば俺は《救済》の魔法を使えなかったからだ。全て、俺がやろうと思った。ただ、神と一体一はさすがの俺も厳しかった。…卑怯な戦術ではあるが、不意打ちで一撃で倒すのが1番楽で、簡単な方法だった。
だから、悪かったが、いえを騙した。
『俺はメテヲを救いたい』『いえの協力が必要不可欠だ。』『その魔法を───メテヲに使って欲しい』『頼む。いえにしか頼めないんだ。』
そう、頼み込めば、いえは簡単に首を縦に降った。いえはいつも悩んでいたことを知っている。みんなの役に立ちたい。恩を返したい。でも、力が足りない。そう、思い悩んでいた彼に、役に立つという内容を伝える。心からいえは善良で、役に立ちたいと思う子だ。…少しだけ、罪悪感が残る。
───いや、今は誤魔化すのが先だ。真実は黙るべきである。
『上手くいった。正気には戻ったが…。』
『───え、何があったんですか?』
俺の発言が濁ったからだろう。いえは心配そうな声音で尋ねてくる。…嘘をつこう。そう心に決め、詭弁を語る。
『あぁ、戻ったみたいだ。ただ、そうしたら神に相談することにしたみたいだ。』
『…!!と、止めようとしてくれてるんですね!』
『そうみたいだ。てことで、いえに主導権を渡す。他のみんなも合流してくれ。』
そう言い残し、俺の意識は突如、白く濁っていく。この感覚はいつになっても慣れない。自分の存在が、消えていくような気がして───
そう思った瞬間、意識はプツリと切れた。
──────いえもん視点──────
───はっと突然、景色が鮮明に映る。何度か瞬きをし、自分の知っている情報も誤差がないかを確認する。いくら、外の情報を思考としてみていると言っても、実際に見えている景色とは少し解像度が違ったり、ここまで鮮明には見えない。───まあ、情報の誤差がある可能性がある。しっかりと確認するのが大事だ。が、今はとりあえずみんなとの合流を優先しよう。───しかし、どこにワープしてしまったのか…判断がつかない。ひとまず歩いて探してみる…いや、少しばかり大変だがやってみよう。
妙案を思いつき、早速俺は実行することにしてみる。
俺は、銃を掲げ、やや斜め上に銃弾を打つ。できるだけ、音が鳴る銃弾を選んだ。
───バァァァァアアンッッ!!
派手な音ともにそれはこの世界を照らす。大きく火の粉が吹き上げ、それは、円形に広がる。
───それは、いつの日かラテさんがみせてくれた花火だった。少し、銃弾を細工し作ってみたが、光りすぎて花火のように上手くは行かなかった。が、これだけ派手な光が広がれば誰かしら気づくだろう。───もちろん、それは仲間以外も、である。
「───いた!!緑髪だ!!捕らえろッッ!!!」
その時、声が響く。仲間よりも先に来たのは敵のようだ。───正直、戦闘になるなら俺は全くもって役に立たない。《救済》の魔法も、あれはメテヲさんが元々神ではなかったから効いたものだったし、俺は、そいつらを救済したいとも思えない。つまり、俺は抗う術は銃と剣。それを神と対抗するものとして使うとしては心もとない。
───まあ、そんなことにはならないが。
「こんなッ、目立つことをするのはやめた方がいいと思いますよ…ッ!!」
その瞬間、神の心臓に深々と長く、鋭い爪が突き刺さる。その爪の持ち主は───
「そうでもしないと俺の場所気づかないでしょ?───『ルカさん』」
そう言って、俺はその人───ルカさんに目を向ける。その真紅に染った瞳は、不敵に歪む。
「ま、そのおかげで合流できたのは良かったですねっと。」
そう言いながら、ルカさんは銀の剣を握り、それを神の心臓に片っ端から突き刺す。そんなことで簡単に神は死なない───が、俺の予想に反して神は呆気なく死ぬ。
「ん?…あぁ。そういえば言ってなかった。ヒナに使うな、って言われてたから今まで使わなかったんだが───。」
そう言いながら、ルカさんの周りに銀の剣が数十本あたりに舞い、そしてその剣が次々に神を突き刺していく。
「俺の能力、弱点を消すのと、消した弱点を種族に付与できるんだ。───まあ、代償に寿命を削ってるけどな…。」
そう言いながら、ルカさんの背後で神々が血飛沫を上げ、バタバタと死んでいく。
「またせましたね…『夜の支配者』の参上です!」
そう言って、ルカさんはパチリとウィンクをする。その姿は支配者という言葉を体現したかのようだった───。
ここで切ります!いや〜ルカさん活躍会ですね!書いていて胸が踊りましたよ〜!正直、ここまで活躍することになるとは思いませんでした…。それと、ルカさんの神特攻高いですね〜w!書いてる私もそう思いましたもん。まあ、なんかルカさん…寿命で死にそうだけどその弱点すら消してそうですよねw
てことで!おつはる!
コメント
14件
プリキュアかなんか???
…るかにぃ…登場の仕方好きよ…
老いが能力の対象ならまじでルカさん無法すぎるね 封印するくらいしかない?