テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
17
#absk
Sara
2
2
目黒が戦地へ赴いてからも、向井はいつも通りの生活を続けようとした。
だが、何をしていても、近くに目黒がいることはなかった。
そんな中、目黒から手紙が届く日は、向井にとって特別な日となった。
『康二へ。
元気にしてる?こっちは少し寒いよ。身体に気をつけて。
目黒より。』
短い文章ではあったものの、向井は何度も何度も読み返した。
文字一つ一つを指でなぞる。
目黒の体温がほんの少しでも残っている気がしたから。
「蓮くんらしいわ、」
そう言いながら、向井は微笑んだ。
でも、結局涙が溢れてしまって。
「早よ、帰ってきてや……」
その願いに答える者は、誰もいなかった。
ある日。
一通の知らせが届いた。
最近手紙の頻度が減っていたからもしかしたら手紙が届いたのかもしれない。
毎日毎日郵便受けを確認しては落胆……
確認してはまた落胆。
もしかしたら、もうすぐ戦争が終わって、戻ってこられるという報告かもしれない。
そんな期待を抱いて封筒を開けた。
その瞬間、時が止まった。
次の瞬間にはパサっと紙切れが手から落ちた。
目黒が死んだ。
頭の中が真っ白になった。
走馬灯のように、目黒との思い出が蘇ってきた。
「嘘、や。」
「嘘やんなぁ、、」
「はは、蓮くん、冗談言うてるんかなぁ、」
「はは、んは、っ、ぅあ、」
「うぁあああああああああっ!!!!!」
その紙切れをビリビリに破いた。
何も考えられずに、涙を流しながら町中走り回った。
無我夢中で走り続けたあと、昔、二人で遊んだ公園を見つけた。
ブランコに座って、ゆっくりギコギコ音を鳴らしながら揺らす。
「蓮くん、帰ってくる言うたやん、」
目黒からの返事はない。
「約束、したやん。」
一生返事が返ってくることがない恋人にそう言い、目黒がいない事実を時間をかけ、徐々に、徐々に受け入れていった。
だが、その後の向井について、詳しいことを知る者はいなかった。
二人の人生は悲惨なことにも、約束通りとはいかず、別々で幕を閉じることとなった。
ただ、来世では目黒とまた一緒になれることを願って、向井はこの世を去ったまでだ。
───しかし、この二人の物語はまだ、始まったばかりであった。
第三話は現代の世界線からスタートです
♡ 1000 ー
コメント
5件
えー!!めっちゃ好きです😭😭 続き待ってます‼️‼️

続きが凄く楽しみです
んぇ、好き。続き楽しみです!!!!