次の日、朝ごはんを食べようとキッチンに行くと、いつも通り、お兄ちゃんがご飯を作っていた。
「おはよう。メル。今日はメルの好きなプリンがデザートだからな。」
「やったぁ!お兄ちゃん大好き♡」
昨日の『あれ』は悪夢だったんだ。お兄ちゃんは私だけのお兄ちゃんだ。
私は超笑顔。食器を運ぼうとお兄ちゃんの方へ行く。
あれ?お兄ちゃん、何で食器が3つなの?パパもママもいないのに…そ、そっか。お供え用だね!パパとママの位牌の前に持ってかなきゃ!
「ふわぁ…おはよう。リレン、メルちゃん。」
キッチンに入って来たのは…あの女…悪夢じゃなかった…現実だったんだ…。私は女を思いっきり睨み付けると、お兄ちゃんに、体調が悪いから自分のペースで食べると言い、自分の分のご飯を持って部屋に籠った。
キッチンから聞こえてくるお兄ちゃんとあの女の楽しそうな笑い声。昨日までは私がお兄ちゃんと笑ってたのに…。昨日まではお兄ちゃんは私だけを見ててくれたのに…。昨日まではこの家での暮らしは私とお兄ちゃん2人だけのものだったのに…。
許せない…。必ずあの女からお兄ちゃんを取り戻してやる…!