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第7章〜Eye want to〜
今日は一年記念。遊園地に行くのだ。
俺が提案した訳ではなく、唯華が行きたい。といっていた。俺は他のところがいいんじゃない?って言っても嫌だ。遊園地がいい。の一点張り。俺は別に嫌じゃないから唯華がいいならいいよ。言って決まった。
ただ、眼が見えない分乗るのが少し難しいものもあるので、食べ歩きをしたり、軽く乗るくらいだ。アイスやデザート。お肉やポップコーン、チュロスなど。様々なものを食べては、ショーを聴いたり、体感で楽しめるアトラクションに乗ったりして楽しんだ。最高の1日になった。俺は疲れきったが、唯華は次どこ行こう!何しよう!と止まる気配もない。疲れを知らないのか?と思ったが、何とかついて行った。なぜなら、唯華には白杖はあるものの、遊園地は人混みの中だ。俺がリードしたり手を繋いで引っ張って行かないと、唯華にとって危険。転けるかもしれないし、人にぶつかってしまうかもしれない。白杖が1人あたると迷惑がかかる。だから俺は少しでも周りと唯華を配慮しつつゆっくり進んだ。この遊園地はなかなか大きい。とても大きい観覧車があれば、凄いスピードの出るジェットコースター。映像を利用した錯覚ジェットコースターなど。
唯華「謙也乗りたいヤツあったら乗ってもいいよ!私も乗れるように頑張る!」
唯華のその言葉にあまえて乗りたいやつに乗った。
錯覚を利用したやつはなんとも恐ろしかった。その世界に入りこんだかのような感覚や、実際にその乗り物に乗っているような揺れ。フワッとした感じ。怖かった。でも楽しかった。
こんな毎日が続けばなー。と思っていた。
気づけば夜になり、あと2時間で遊園地が閉園。俺らは最後にとてもでかい観覧車に乗った。
観覧車はライトアップされており。青色に輝いていた。唯華は雰囲気で楽しんでいた。
観覧車に乗り、ゆっくりと上に上がっていく。
気まづさはなく、ずっと喋っていた。しかし、この観覧車大きすぎて、途中で会話のネタが尽きてしまった。まだ頂上にも行っていない。俺は景色を見ながらすごいなー。と思い、唯華に今、このくらいだよ。っと教えていた。すると唯華もまるで自分で見ているかのように。ヘェー!凄いなー!私たち高いね!と、言っていた。そんな唯華のことが益々好きになっていった。そもそも俺らはそんないい出会い方では無いが、今はとてもいい出会いになった。付き合えてよかったとも思うし、唯華が俺の事を好きになってくれて嬉しかった。
あの時、唯華があんな言葉を言わなかったら。
好きと伝えてくれなかったら。唯華が俺の事を嫌いだったら、生徒の手紙がなかったら。と思うと、やっぱり、今俺がここにあるのは、過去のみんなのおかげだと気づいた。ダメダメな俺をここまで育ててくれた周りの皆。
そろそろ観覧車が頂点に着く。
謙也「唯華!そろそ頂上だよ!」
唯華「そうなの!高そう〜!」
しばらくの沈黙の後。唯華が口を開いた
唯華「今までいつもありがとうね。」
急に言われた俺はびっくりした。しかし少し経って、「俺の方こそ。ありがとう。」と言った。
4分の3を回った頃。俺は、過去の話を始めた。
謙也「あの時。唯華が俺の事を好きになっていなかったら。今の俺はなかったし、もしかしたら俺も生きていないかもしれないね。」
唯華「う〜ん。でも。私もそうだよ?たしかに、過去に謙也がしたことはいいことでは無いけど、過去をひきつってもいいことは無いし。私だって、死にたいなって思ってる。でもね。謙也に救われていたし、謙也に迷惑をかけても全然いいよ!って許してくれる。生きててくれてありがとう。」
最後の言葉に俺は涙を軽く1滴流した。
気付けば終わりになった。でも。俺は妙にふたつの言葉に引っかかった。
頂上の時の「今までいつもありがとう。」
さっきの「死にたいなって思ってる。」
なんか。引っかかる。考えすぎか?気のせいか?そう思っていた。
観覧車も終わり、俺らは遊園地を後にした。途中までは一緒に帰った。
唯華「今日は楽しかったよ。ありがと!またいつか行きたいね。」
謙也「そうだね。絶対行こう。」
しばらく歩いたあと。
唯華「ここまでで大丈夫!疲れてるだろうし早く帰って疲れを取りなよ!」
謙也「1人で帰れる?」
唯華「大丈夫だよ!」
謙也「じゃぁ!またね!」
俺らはその場で解散をし、各自家に帰った。
家に着きしばらくした後、俺は嫌な感じがした。気づけば体は外に駆け出し、唯華の住んでいるマンションに向かった。
なんか、嫌な感じだ。これから、最悪なことが起こりそうな。最悪なことが起こりそうな前に、早く着きたい。俺の感が外れろ。