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プロローグ
花は咲く
小学六年生。
小学校生活最後の年、三学期になると中学校へと準備が進んでいく。
中学校説明会の日。
説明を聞き終わると部活見学が出来た。
友達と気になる部活を見学しに行くことにした。
僕は帰宅部のつもりだったが、興味はある部活もあるので見ることに。
絵を描くのが好きで、入るなら美術部と思っていた。
ただ、音楽も好きで吹奏楽部も見に行った。
美術部はシンと静まり返った教室に、部員がただ黙々の絵を描いていた。
吹奏楽部はみんな楽しそうで、とても明るい雰囲気と共に色んな音色が流れてきた。
そこに居たパーカッションの先輩が何曲か演奏してくれた。
「さよーならまたいつか!」や
「高嶺の花子さん」など。
打楽器だけでも凄く魅力的だった。
その時はまだ部活をどうするかは決めなかった。
時は経ち、入学式の日。
校庭には桜がひらひらと舞っていた。
入学式から数日後、待ちに待った部活見学。
前と同じ様に友達と美術部と吹奏楽部を見に行った。
すると吹奏楽部の顧問の先生に
「今日新入生歓迎演奏会するから、良かったら見に来て」
と言われた。
この期間には3回程やるらしい。
その日は友達と一緒だったので友達に合わせ演奏は見ずに帰った。
その次の演奏会、僕はどうしても見に行きたかったのだが、友達は「1回見たし良いかな」とそのまま帰ってしまった。
演奏会は4時半頃。
一人で時間を潰し、その時を待っていた。
興味の無い物を見るのはとても退屈だった。
4時半が近ずいていた、音楽室へ向かい歩き出す。
4階にある音楽室に、とても軽い足取りで。
そこには先生が居た。
先生が言うには「まだ貴方しか来ていない」
僕一人が見に来たのかと緊張と不安が過ぎった
先生に取り敢えず入りなと案内され一人で約30人分の視線を浴び音楽室へ入った。
そこから数分、他に何人か来て、1人は免れた
そこから演奏が始まる。
僕は音楽なんて無知だし、ドレミも分からない程だし、楽器なんてフルートぐらいしか分からなかった。
そんな唯一知っているフルートのソロがあり、初めてフルートの音を生で聴いた。
それは今見ている景色がまるで夢の様に見えて、透き通っていて、澄んだ青空のような音色だった。
その先輩の動きは軽やかで、とても楽しそうに吹いていた。
やっぱり、音楽が好きだ。
音楽を、やりたい。