sn「イルミネーション綺麗でしたね!」
rd「ね、来年も一緒に行こうね」
sn「はい!!」
来年も一緒に行こうね、きっと彼の言葉に特別な意味はない。
それでも僕は嬉しかった。
sn「ふふっ…笑」
彼の台詞を何度も頭で再生し、にやけていると、肩をつんつんとつつかれた。
sn「どうしました?」
笑顔で振り向くと、彼はキョロキョロと周りを見渡していた。
そして僕の耳に顔を近づけた。
rd「俺らの周りカップル多くね?」
sn「あ~……皆恋人繋ぎしながら歩いてますね笑」
rd「非リアへの見せつけかぁ?笑」
そう笑う彼に僕は言った。
sn「じゃあ僕たちも手繋いでみます…?」
彼は一瞬驚いた顔を見せた。 正直自分も驚いている。
まさかこんなことを言うとは自分でも思っていなかった。
気づけば口が動いていたのだ。
彼からの返事を待っていると、僕の左手に大きな手が絡んできた。
rd「じゃあ俺らも見せつけてやるか笑」
sn「ふふっ笑、ですね!笑」
僕たちはお互いの指を絡め合い、彼の家へと歩みを進めた。
さっきまで冷たかった彼の手も、繋いでいるうちに暖かくなっていった。
その温もりが僕には心地よかった。
rd「ただいま~」
sn「お邪魔しま~す!」
彼の家に帰ってきた僕たちは、手を繋いだまま家の中へ入った。
さすがに離した方がいいのだろうかと思いながらタイミングを伺うが、
彼に手を強く握られていて離すことができない。
もう直接言ってしまおうか…
sn「らっだぁさん、手離さないんですか?」
そう言おうとしたときだった。
急に彼が振り返り、僕を壁に押し付けた。
繋いでいた手は頭の上で押さえられ、動くことができない。
sn「らっ…だぁさん…?」
壁にぶつかった時の痛みで顔をしかめていると、彼が顔を近づけてきた。
そのまま唇が重なり合う。
短いリップオンが静かな部屋に響いた。
rd「…今日もヤっていい…?」
sn「……はい…//」
sn「あ”ッ//」
ほんとは駄目だってわかってた。
だけど僕の体は彼を欲してる。
彼に触れたい、触れられたい。
今はそんなことしか考えられなかった。
rd「腰、大丈夫?」
sn「はい…!大丈夫だと思います…笑」
ベッドに転んだまま、彼の質問に答える。
rd「無茶はしないでね」
そう言って、彼は僕の頭を撫でた。
僕は目をつむった。
rd「おやすみ」
sn「おやすみなさい」
彼は僕に抱きつき、すぐに眠りについた。
いつもなら僕も行為をしたあとはすぐ眠りにつく。
だけど今日は心地よい彼の温もりも、行為をしているときの手の暖かさも
何故か冷たく感じてしまい、落ち着いて眠っていられなかった。
sn「冷たくてもいいからさ…僕だけ見ててよ…」
もちろん彼からの返事はない。
ただ、暗い部屋に自分のすすり泣く音が響いていた。
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