テラーノベル
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「……あれ? 藍、どうした?」
夕飯の準備をしていた石川が声をかけるも、ソファに座る藍は無言でゲームを続けた。
「……藍?」
「………………」
「おーい?」
「……祐希さんなんか知らん」
「は?」
完全にふてくされた声。原因はすぐわかった。
昼間のチームミーティングで、石川が他の後輩を褒めていたのを見てから、ずっと様子が変だった。
「……あー、あれか。嫉妬してる?」
「……別に」
「してるな」
「してへん。ごめんって言うまで、俺、無視するから」
「……ごめんごめん。お前のことが一番すごいし、一番好きだよ」
「……ほんまに?」
「ほんと」
「……信じられるように、ハグして。あとキスして。あとあと、ずーっと隣におって」
「……甘え放題かよ」
「すねてたんやから、当たり前やろ?」
結局全部許しちゃう石川と、許されるまで甘える藍の勝負は
──いつも藍の甘え勝ち。