テラーノベル
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九つの秘密をすべて打ち明けた翌日。
らぴすは、いつもより少しだけ早く目を覚ました。
らぴす 「……朝……」
ゆっくり起き上がろうとする。
その瞬間。
ガチャッ。
らぴす 「えっ、」
心音 「起きたか?」
らぴす 「しおにぃ、?」
心音が部屋の中に入ってきた。
らぴす 「なんでいるの……?」
心音 「朝だから。」
らぴす 「いや、そうじゃなくて……」
心音 「今日から朝は俺が起こす。」
らぴす 「えぇ!、」
心音 「起き上がる時はゆっくりな。」
らぴす 「わかってるよぉ……」
心音 「本当に?」
らぴす 「うん。」
心音 「立つ時は俺に言う。」
らぴす 「えっ?」
心音 「ふらついたら危ないから。」
らぴす 「しおにぃ……」
心音 「何だ?」
らぴす 「過保護……。」
心音 「何か言ったか?」
らぴす 「なんでもない……。」
リビングに行くと、すでに全員が揃っていた。
ロゼ 「らぴす、おはよう。」
らぴす 「おはよ、ろぜにぃ。」
ロゼ 「朝食は食べられそうか?」
らぴす 「うん……少しなら。」
ロゼ 「無理に食べなくていい。ただ、食べられるものを食べよう。」
らぴす 「わかった。」
らいと 「らぴす、今日の予定は?」
らぴす 「動画撮影。」
らいと 「体調は?」
らぴす 「大丈夫。」
らいと 「それ禁止っちゃろ。」
らぴす 「またぁ!、」
みかさ 「じゃあ聞き方を変えるね。」
らぴす 「?」
みかさ 「今日、体調悪いところはある?」
らぴす 「……ないよ。」
みかさ 「本当?」
らぴす 「うん。」
メルト 「じゃあ俺はらぴすの顔色を見る係ね~」
らぴす 「係ってなに!?」
メルト 「らぴすが無理してないか確認する係の事」
らいと 「それ俺もやる。」
ロゼ 「俺も。」
みかさ 「俺も。」
心音 「俺も。」
らぴす 「五人もいらないってば、ムス」
兄たちは顔を見合わせる。
心音 「いや、必要だろ。」
ロゼ 「むしろ足りないくらいだ。」
らぴす 「……。」
らぴすは頬を膨らませた。
その表情があまりにも可愛くて。
五人 「……。」
らぴす 「?」
メルト 「……かわい。」
らいと 「それな。」
みかさ 「めちゃくちゃ可愛い。」
ロゼ 「……。」
心音 「らぴす。」
らぴす 「なに?」
心音 「今日から一人で外に行くの禁止な。」
らぴす 「えぇ」
らぴす 「なんで?」
心音 「体調が悪くなった時に困る。」
らぴす 「でも……!」
ロゼ 「誰かが一緒に行く。」
らいと 「俺でもいいぞ。」
メルト 「俺も、」
みかさ 「俺も行けるよ!」
らぴす 「そんなに…、」
心音 「嫌か?」
らぴす 「……嫌じゃないけど……。」
らぴすは小さな声で呟いた。
らぴす 「みんなに迷惑かけたくない……。」
その瞬間。
五人の表情が変わった。
心音 「らぴ。」
らぴす 「……。」
心音 「それは迷惑じゃない。」
ロゼ 「何度でも言う。」
らいと 「頼っていいけん。」
みかさ 「甘えていい。」
メルト 「弟なんだし、」
らぴす 「……弟だから?」
メルト 「そう、」
らぴす 「じゃあ……。」
らぴすは少し考えた。
そして。
らぴす 「……今日は、しおにぃと一緒にいたい。」
心音 「……。」
ロゼ 「心音、固まってるぞ。」
らいと 「顔めっちゃ嬉しそう。」
メルト 「分かりやす、」
みかさ 「よかったね、心音。」
心音 「うるさい。」
らぴす 「……だめ?」
心音 「いや。」
心音は少し照れながら、らぴすの頭を撫でた。
心音 「断るわけない。」
らぴす 「えへへ……。」
その笑顔を見た瞬間。
兄たちは改めて思った。
この弟を。
もう絶対に一人で苦しませない。
もう絶対に無理をさせない。
そして。
らぴすが「大丈夫」と言った時は。
その言葉を、絶対にそのまま信じない。
こうして。
らぴすの九つの秘密を知った兄たちによる、
過保護な日々が始まった。
――しかし。
この日、兄たちはまだ知らなかった。
らぴすが「九つの秘密」以外にも。
まだ隠していることがあるということを。
らぴす 「……これは、まだ言わなくていいよね。」
らぴすは誰にも聞こえないように呟いた。
その秘密は。
病気でも障害でもない。
けれど。
五人の兄たちが知ったら。
きっと、今以上に過保護になる秘密だった。
――続く。
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コメント
5件
ああ、第14話読みました……! らぴすくんが「しおにぃと一緒にいたい」って自分から言えたの、本当に尊かったです。九つの秘密を打ち明けたあとで、ちょっとずつ甘え方も変わってきてる感じがする。心音くんが固まって照れてるのも可愛いし、5人全員が「もう絶対に無理させない」って心に決めてるのが伝わってきて、胸がじんわりしました。でも最後の「まだ隠してることがある」って伏線、気になりますね……! 読めてよかったです🤍