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腐向けHQ


【日影】が恋してるだけの話。


初恋の初々しい感じを彼らでかわいく書きたいなと思いながら書いております…。

初投稿・ハマりたてなので文が変だったり口調があやふやだったりしますがお手柔らかに…


※本作品とお名前をお借りしている作品との関係は一切ございません。






影山 side


帰宅するや否や、自分の部屋に直行してベッドの横にカバンを放り投げた。

下を見て、きっちりとした自分には少し大きめの真っ黒な学ランが視界に入る。

学ラン動きにくくてうぜぇ、脱ぐか…。なんて考えつつ、さっさと脱いでカバンのもとに学ランを投げる。


「…っ、、」

あいつ、俺のトスでスパイク決まった時にこっち見ながら笑ったり、バレー上手くてすげぇやつに目キラキラさせながら話聞きに行ったり、勝ったら全力で全身で喜んだり…かわい_

…ってうわ、何考えてんだ俺…!?


最近、ずっと日向__日向翔陽のことを考えている気がする。

それを菅原さんに言ったら、それ恋だべ、って笑われた。…いや意味わかんねぇ、こっちは真剣なのに。そんな漢字一文字で終わらされると困る…気がする。


「…いや、で、も…!」

仲間や自分が誰かに冗談抜きで馬鹿にされたときは本気で怒るし、スパイク決めるときの顔かっけぇし…その顔から笑顔に…、あとは_

「っ、じゃなくて……!」


「つか、別に俺あいつのこと…なんて、」

好きじゃねぇし…。なんて、いろいろな言葉が脳をぐるぐるとまわりながらも、そんなことをブツブツと床に吐く。


いやいやっ、学校から帰宅してすぐだぞ!?

これじゃまるで、、日向のこと…が、好き…みたいに、、うっ…しかもあの菅原さんが…


「な、ないない、あんな…ばかで、バレーのことしか考えてなくて、んで考えずに動くやつとか…好きになるはずが…っ」

ない…、は、ず……

俺の顔は、頬を撫でるエアコンの冷たい風とは真逆に、どんどん熱を帯びる。

って、クッションに顔埋めて、あいつのこと好きなのか好きじゃないのか…とか考えてるとか、乙女か俺は!


…てかまて、もしかして(学力的に)ばかでバレーのことしか考えてなくて、(昔からバレーばっかりで家族以外の人とコミュニケーションとってこなかったから、何をどうすればいいか全然わかんなくて、他人がどう思ってるか特に)考えずに動くって…俺のことでも、、うわ、なんか反省…。


「…っ、ボゲがぁぁ……」

クッションから顔を退けて軽く叩くと、ぼふっと音がして、すぐに戻ってきてしまう。

それと同時に気持ちも溢れてきた気がして、必死でクッションを抑えた。低反発ならよかったのに。…いや、それもどっちにしろ返ってくるしそのほうがリアルで嫌だからふわふわの食パンとかに……なんて。

いつからこんなにヘタレに…いや、そんなの俺が聞きたいぐらいだわボゲ……とかなんとか思いつつ、クッションをベッドに投げつけた後、ダイブして枕に顔を埋めた。


「だ、だいいち、俺はバレーが一番、だろ、!」

「日向は…ただの、相棒、、」

…あいぼう、愛…ぼう……

違う違う、違うわボゲ、!!

どうせ、高校離れたら別々になるし、俺にはあいつだけしかいないわけじゃない。…じゃない…けど、できれば離れたくないな…なん、て……そ、、んなこと…思ってない!!

「うぅ”…」


「…さっさと風呂入って寝るか、、」



こんな気持ち、気づかなければ…



_



次の日、今日は部活が体育館の修理か何かで無くなった。

バレーボールができなくて残念というか、日向に会わなくてラッキーというかなんというか…。色々考えた結果、昨日ああなってしまったし…。

いや、好きではないんだ。うん、これは絶対。

とにかく、俺側だけくそ気まずいという意味不明な立場にあるし、こんなこと考えるのはもう考えるのはやめよう。

先輩(菅原さん)の助言?なんて…なんて!なんて、、!!…俺はあいつのことレンアイタイショウ?としてはみてねぇ。ただ、ただそれだけだ。


「めんどくさくなってきた…」

「はぁ……」

俺はいったいどうすればいいんだろう。


「お!影山~!」

急に後ろから投げかけられた声に、反射的に立ち止まって振り返ってしまう。

「ひな、た、」

急に体温が上昇していくのが分かる。

それがバレるのが嫌で、恥ずかしくて、こちらに向かってきた日向から顔を背けて、ゆっくり歩きだした。


バレーの試合でもあまり緊張しない俺が、まさに今、こいつのせいで緊張しているのか。

影山ー?と、名前を呼ばれながら顔を覗き込まれかけたものの、いつものノリで日向のおでこで顔を押しのけた。日向の押していた自転車が少し揺れて、ガシャン、と金属となにかが触れ合った音がした。それから、日向ボゲぇ!などと怒鳴ってみせると、またわーわーと何かを叫んでいた。

…あいつのおでこを触った手がまだ熱い。

その手を素早く肩にかけたカバンの持ち手に移動させたが、その熱はなにをしても消えなかった。


「…なぁ影山、なんか今日変だぞ?大丈夫か?」

「なんだよ、別になんともねぇよ、」

てきとーにいつものように鼻であしらってみる。一方、日向はというと、それを聞いて、んー…そうかー…などとうんうん唸っていた。

…しんぱいしてもらえてうれしい。などと、幼稚園児みたいな意味の分からない感情が噴出してきて、うるっと視界が歪んだ。なんで、俺はこんな些細なことで嬉しがってんだ、泣いてんだ、あーもうわけわかんねぇっ…。


「え、ちょ、影山!?」

「なんで泣いて……だいじょうぶか…!?」

視界の端で急いで自転車を止めてあたふたする日向に、俺は涙のせいでいつも通り声をかけることができなかった。

ごちゃごちゃの頭とぐしゃぐしゃの視界に頭が混乱する。

「っ……ふぅ、ごめ、ひ…なた、」

あぁ、もう少しで俺の家だったのに、我慢できたのに。我慢、できたらよかったのに…したかった、のに。

そしたら俺は普通に家に帰ることができて、お前も普通に自転車で山を越えていたのに。

…なんでこうなっちゃったんだろう。


「ごめ、泣き止んだら帰るから、お前は先帰ってろ」

今日も明日も、家族は家にいねぇし大丈夫、と心の中で付け足した。

父も母も久々の出張だから長くて被ってしまったし、姉は友達の家にお泊りでいない。…それに、俺は高校生だし大丈夫。

誰か止めてもいいよと言われたものの、そんな予定はないし。

家で一人で泣いても大丈夫だ。


「やだ、おれ、絶対おまえのこと置いて行かないから。」

あぁほら、またそうやって俺のことを甘やかす。俺のこと特別扱いみたいに言う。そういうところだ、そんなこと言ってすぐ期待させて、期待して。

「てか、大切なアイボウが目の前で泣いてんのにそのまま放って行くとか普通に考えてサイテーだろ。」

なぜか、相棒という言葉にチクリ、と胸が痛んだ。…なんで、なんでだ。今まで通りの相棒で…そのままの関係でいいじゃないか。

「……そう、か」

でも、いつだってお前は眩しい。お前がいなくなった後は、長時間直射日光浴び続けていたような気分になる(谷地さんもこの前言ってた)けれど…それでもよかった。

「おう!今日影山んち泊ってってもいい?」

「あぁ、今日は家に誰もいねぇから作り置きのカレーになるけど、」

急に発されたトンデモ発言に、さっきとは違う混乱が脳内で起こる。が、反射的にパパっと伝えてしまう。


「おぉ!そういやカレー久しぶりだなぁ!」

「そうか、」

「…う、なんか腹減ってきた、早く帰ろーぜ!」

へな、と元気がなくなったかと思えば、とたんに走り出した日向の背中を追いかけた。

くそ、なんであいつ自転車押してんのにいつも通りのペースで走れんだよ…!

なんだかちょっと、悔しかった。




_




「遅かったねぇ、影山クン」

「たいして変わんねーだろーがボゲ」

そう、玄関ドアの鍵を開けながら、いつも通りのテンションで言う。

心臓はばっくばくだけど、これは恋じゃないと…俺は信じてるから。というか、そう思わないと今後どう接すればいいか分からないから。


「うぉぉ!ひっさしぶりだなぁ!影山んち!!」

ドアを開けた直後、横を日向が勢いよく走っていき、そう叫ぶ。

「…おう、」

人の話聞けよ…なんて思いながら、俺も続けて中に入った。


「何見てんだ、」

カレーができた(と言ってもご飯は炊いてあったのでカレーを温めただけ)ので、テレビを見ながらも、どことなくボーっとしている日向に声をかける。

「んー?んと…テレビ!」

「それは見ればわかるわボゲ」

あぁ、見入ってるわけではなかったんだな、と悟って、日向からテレビに視線を移す。

「んー、なんのやつだっけこの番組…」

「わかんねぇのかよ」

やっぱり見てなかったんだな、と納得して、こちらへ振り返った日向と視線を交わすようにして彼を見た。


「カレー楽しみすぎてカレーとお前のことばっかり考えてた」

ほら、まただ。そうやって俺を喜ばせる。カレーとお前って…”お前”ってぇぇぇ…このボゲ日向があぁぁぁぁ…

俺はこの気持ちを隠すために苦労してるってのに、なんてやつだ。

ちなみに、こいつのこと、俺は好きじゃないからな!絶、対…、!!


「なっ……、は、早く食うぞ、!」

こんなことで嬉しくなっている自分が恥ずかしくて、いつものように誤魔化す。

「なんだよ照れてんのか?ww」

「うっせーなボゲ日向ボゲぇ!」

俺って、本当に人とコミュニケーションとるの苦手なんだな、とか。俺、いつまでも素直じゃねぇな、とか。いろいろ思ったけどやっぱり好きだと思ってしまう気がして、無になろうと必死になった。

…って、なに必死になってんだ、そんなことで。


「ごめんってww」

「さ、早く食おーぜ!」

気を取り直して…というように、日向がダイニングにある椅子の方へと移動する。

すぐに俺も後をついていき、席に着いた。

「…ったく、」

いつもの調子でため息をついた。


「いただきます!」

「いただきます」

本当に噛んでんのか、本人以外…というか本人もわからなさそうだし、もしかしたらカレーは飲み物とかいうデブの名言みたいなことになっているのではないのか、と疑うほど、勢いよくカレーをかきこむ日向。まぁ美味いのはわかるけど。

「んめ~!!影山のお母さんさすがだな!」

その幸せそうな顔を見るだけで、今日のいつもより相当きつかったはずの部活の疲れが吹っ飛んでしまうのは俺だけだろうか。

「…だな」

俺も、カレーを口に運んだ。


「影山って…顔とバレーはいいよなぁ…あ、あと髪質」

「んだよ急に…」

心臓の動きが早く感じるのは、顔が熱くなっているのは、気のせいだろうか。別に過度な運動をした直後とかではないし、エアコンは直あたりだけど。

…顔とバレー”は”って言われたのは、とりあえず置いておく。


「髪とか、寝て起きたらこうなってるだけだ」

嘘だけど。姉ちゃんに髪は大切だからちゃんとしなさいって言われて、なんならトリートメントしてる。

「まじかよ~、うらやまし~…」

「髪の毛なんかより、バレーの練習したほうがいいだろ」

口からはスラスラと。

まぁそれもそうなのだが…でも、髪の毛で手をケガすることなんかほとんどないし、気分転換にいいんじゃない?と母さんにも言われた。


「これだからバレー馬鹿は…」

呆れたように見せてそう言う日向。

「ばかじゃねぇよボゲ」

いつもの調子で口悪く返す俺。

「影山って暴言ボゲの一種類しかないのか?ww」

「岩泉さんのせいだ」

「…そうなのかw」

「おう」

こんな会話ですら、ずっとしていたいと思うのはなんでだろうか。

岩泉さんの名前を出したとき、日向の顔が少し曇った気がしたのは気のせいだろうか。



「っし!風呂入るか!」

カレーを食べ終わり、バタバタしながらも皿を無事洗い終わったあと、日向はバッと腕を上に突き上げてそう叫んだ。

「日向先に入って来いよ」

「え、一緒に入ればよくね?」

キョトンとした顔で、なんの悪気もなく言う日向。

こういう言動一つで、あいつに男をレンアイタイショウとしてみるなんてことはできないのだろうな、と悟ることができてしまう。

「…いや、でも、、」

そんなの恥ずかしくてむり!と、どこかの一年生男バレマネージャーみたく、素直に言えたらどうだろうか。残念ながら、俺はあんな素直な性格はしていない。


「恥ずかしがんなよ影山クン!」

図星をつかれて一瞬固まりかけたが、がんばって言い訳を考える。

「恥ずかしがってねぇよボゲ日向ボゲ!風呂場とか風呂が狭くなるだろーが!!」

「恥ずかしくないなら一緒に入ってもいいだろ~?…時間短縮にもなるしさ!」

確かに…それなら、、と流されてしまい、結局一緒に風呂に入ったものの、風呂場で一線をこえてしまうなんていう安いエロ漫画(読んだことないけど)みたいなことは起きなかった。

そうしているうちに時間が過ぎ、そろそろ寝るか、と一日を終わらせるところだった。


「日向、そこで寝ろ」

「え、でもここ影山のベッドだろ?」

キョトンとした顔で見る。

俺がこの顔にめっぽう弱いのを、お前は知っているのだろうか。


「俺は客用の布団で寝るからいい、いいからお前はそこで寝ろ」

「でもそれ客用だろ?俺客だし」

「…これはただの布団だ」

あぁまずい、言い訳できなくなってきた、と思った。しかも、口から出たのは意味がわからなさすぎる言い訳だし。

「たしかに…!」

あ、バカだ。こいつがバカでよかった。相手が月島でも山口でも谷地さんでも先輩でもなく日向でよかった。


「ん~、でもな~…」

と言い、俺のベッドに座っていた日向は、少しうつむいて何かを考えるようだった。

特に案が出なさそうなので俺が布団を取りに行こうとすると、腕をがっと掴まれて日向の方に勢いよく引っ張られた。

「うぉっ…!?」




_to be continued


※次回ちょいあーる?注意

【日影】こんなこと。

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