テラーノベル
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「あ?なんつった、今」
「浮気してやる、って言った」
じっとこっちを睨む緑は複雑な感情に揺れている。
「俺がそんなん許すと思ってんの」
「ぺいんとに許されなくてもしてやる」
「は?そもそもなんでいきなりそんなこと」
視線を逸らして口を一文字にした。
黙秘する気だ、こいつ。
「……あ、っそ」
「っ」
俺もトラゾーから目を逸らした。
視線の端でびくりと肩を縮こませたのが見える。
「……(そんな反応すんなら言うなよ)」
わざとらしく溜息をつくとまた肩が跳ねた。
「お前がそういう態度なら、俺もそういうつもりにするけど」
部屋を出て行こうと立ち上がろうとしたら服を掴まれた。
振り解けるほど弱々しく。
「……何がしたいんだよお前」
「、…ぁ、」
「トラゾー」
「……」
掴んでいた手が離される。
「………最近、ぺいんと、他の人たちと仲良い、から…」
ぽつぽつと話し始めたトラゾーの表情は見えない。
「…は…?」
「……俺、なんかといるより…楽しそう、だったから…」
それって、もしかして。
「だ、から…ムカついて、きて…」
「それで浮気?」
「っ、……うん」
トラゾーは完全に俯いてしまった。
「……はぁぁあ?」
「っ!!」
俯いていたトラゾーのやらけぇほっぺを掴んで顔を上げる。
「お前、それってヤキモチじゃん。んでムカつくからって浮気?はぁああ⁈」
恥ずかしくなったのか俺から顔を晒そうとする。
そうはさせないと、顔を固定してやった。
「ゔぅ…だって、ぺいんと、楽しそうだもん…俺、じゃ、ついてけない話とか、いっぱいあるし…」
「いや俺のボケについてこれるのお前しかいねぇのに何言ってんだよ」
「でも…」
言い淀むトラゾーのほっぺを軽く抓る。
「ぃへっ」
「てか、それとこれとが見合ってなくね」
浮気というのは一体どこまでのことを言ってるつもりかは分からないけど。
「浮気って、誰とどこまでする気なんだよ」
「ぇ?……いや…そこは、なんも考えてなかった…」
その場の勢いで言ったらしい。
「バカかよ!お前、頭がいいのに妙なとこ抜けてるよな…」
「でもっ…」
「でもじゃねーよ。さっきも言ったけど俺のボケを拾えんのはトラゾーだけなんだよ。つーか、お前のその理論が通るなら俺も浮気できっからな」
ほっぺから手を離すとトラゾーはきょとんとして首を傾げた。
考え込んだあと、更に頭の上にハテナを増やした。
「…なんで…?」
無自覚やべぇ。
「…俺以外の人とお前も仲良いじゃん。旅行したりキャンプ行ったりとかしてさ」
「でも、ともさんとかぴくとさんとかFBさんとかクロノアさんとかだぜ?」
「俺もおんなじようなもんじゃんか」
「……それでも、やだ…」
やだって。
拗ね方幼女かよ。
「…可愛い可愛いヤキモチ妬きのトラゾーきゅんは、それで浮気してやるなんか言ったのかよ」
「可愛くねぇし、トラゾーきゅんって言うなし…」
ほっぺを掴んでいた手を首筋に滑らせる。
「ぅひゃっ」
驚いて上擦った声を出したトラゾーの顔をじっと見る。
「こんなんで簡単に感じて、その声を他の奴にも聞かせんの?」
「待っ、感じたんじゃな…、ぁうっ…!」
「こんな可愛い顔、見せんの?」
服から覗く鎖骨を押さえると肩が跳ねた。
「なぁ?」
「だ、だからッ、可愛くなんかないって言ってるだろ…!」
「お前は可愛いんだよ、自覚ねぇだけで」
「ひゃ、っ…」
「こんなの俺以外に見せようとしたんなら、きちんと言い聞かせねーとな?トラゾー自身に」
座っていたソファーに押し倒す。
「ゎっ…!」
「まぁ、ヤキモチ妬いたってとこがあるから多目に見てやるよ」
「なんでぺいんとが上から目線で言うんだよ…!」
「いや、俺の方が”上”じゃん」
「ば、ばかッ!そう言う意味じゃねぇ!」
真っ赤な顔で涙目で睨みつける、せめてもの抵抗っぽい。
上から押さえつけられれば流石のトラゾーも対抗できないし、こいつはそんなことしない。
優しいから俺のことを跳ね除けたり拒否なんてしないから。
「あれー?物理的なこと言ってるのに、ナニと勘違いしたのかなぁ?トラゾーきゅん?」
「!!」
服の裾から手を入れるとびくっと身体を強張らせた。
「ふはっ、ホンットかわいーなトラゾー」
膝でソコを押さえてやる。
「ふぁっ♡⁈」
たったこれだけの刺激でも感じるように刷り込んだ。
素直に反応してるのを見ると、自然と口角が上がってぞくりと優越感が背筋をはしった。
「俺以外に触られんの嫌なくせに、浮気なんて。俺、そんなことしたら相手のことを殺すぞ?」
物理は無理だから社会的にだけど。
緑を見開いて俺を見るのを笑って返す。
「ひ、ゃ…ッ」
反応し始めているトラゾーのモノをゆるゆると触るとさっきの俺の不穏な言葉はもう飛んでいってしまったのか短く声を上げていくトラゾー。
「そんでお前のことは閉じ込める」
「っあ…!」
「俺も別に引き込もんの慣れてるし、そうすればトラゾーの言う他の奴と仲良くすることもなくなるし?」
服をたくし上げて今はまだ凹んでいる腹を撫でる。
「ココも俺のでたくさんにしてやれるぜ?」
小刻みに跳ねる身体。
俺がそうした。
なんも知らないこいつに。
「ぺ、いんと…ッ」
「うん?」
「ちゃ、ちゃんとっ、触れよ…!」
上目に睨まれたって全然怖くない。
寧ろ逆効果になってることもこいつは知らない。
ひとまず、無自覚の煽りは一旦置いておく。
「はぁ?変なこと言ったトラゾーに命令する権利あんのかよ。…その前に俺に言うことあるんじゃねぇの?」
「ぅえ、…?」
「ごめんなさい、は?」
ぱっと目が見開く。
「じゃなきゃ、お前の言う”ちゃんと”はしてやんねぇ」
こいつの弱いトコロを外して撫でるように触る。
勿論、下も焦らすように触ってやる。
「ぁ、う…ふッ」
「言い出しっぺはお前だろ?ヤキモチ妬いてくれたのは嬉しいけど、それはそれこれはこれだろうが」
きゅっと胸の尖りを摘むと腰が跳ねた。
「ぅひゃっ!」
「ほら、ごめんなさいしろよ」
「うぅ…上から目線腹立つッ…!」
出っ張る腸骨を今度は撫でてやると一際高い声を出した。
慌てて口を押さえて声を出さないようにするバカ可愛いトラゾーに笑う。
「はっ♡それ逆効果だぜ?」
「は…ぇ、⁇」
ホントになんも分かってない。
これは言ってやんねぇとな。
「仕方ねーな。ちゃんと触って言い聞かせてやっか」
無抵抗なトラゾーの下を全て脱がせる。
そうなってから焦り出したトラゾーはたくし上げられていた服の裾を引っ張り隠そうとした。
「隠すとちゃんと触ってやんねぇぞ」
「だ、って…!」
内腿を撫でると期待したように腰が揺れていた。
「ほら、トラゾーも触ってほしいだろ?」
「っっ、!ぅ、…」
服の裾から手を離したトラゾーは今度は顔を隠した。
「隠すなって言ってんだろ。いい加減慣れろよ」
「むり…ッ」
足を開いてその間に入る。
「コッチはもうこんなんなのにな?」
「ンぁ…♡⁈」
先走りが垂れて、トラゾーのソコは触って欲しそうに震えていた。
「俺に見せろよ、全部」
隠していた手を退かせば案の定、クソ可愛い顔していた。
「ほら、自分で足持ってろ」
退かさせた手を太ももの方に持って来させる。
「ん。トラゾーはいい子だな」
涙をいっぱい溜めた目を逸らして恥ずかしさに震えていた。
こういう初々しさがいつまでもあるから虐めたくなる。
トラゾーの出す先走りで後ろに指を伸ばす。
「ひっ、ぃきなり…ッッ⁈」
「だってお前に反省させるのも目的なんだから、全部望んだ通りに触ってもらえると思うなよ」
ゆっくり指を挿れていけば、ソコは従順に俺の指を受け入れた。
「柔らか。…もしかして自分で弄ってた?」
「バッ………そぅ、だよ…」
バカと言いかけ、暫くの沈黙の後トラゾーは素直に白状した。
「は…?」
「ぺいん、とに会えなかった時は、…じ、自分で触ってた…っ!」
憤死しそうな顔で俺を見るトラゾーによくない感情が湧き上がる。
「…へー?じゃ、ひとりえっちしてたわけか」
「い、言い方…!」
「そういうのも俺の知らないとこでしてたならごめんなさいだな」
「理不尽だ…ッ」
指を増やして弱いトコを押さえるとトラゾーの顔が仰け反った。
「ふぁあっ♡⁈」
「自分で触って満足できんのかよ♡俺じゃダメなくせに♡」
バラバラに動かしてやれば嫌々と首を横に振って快楽から逃れようとする。
ホント、俺を煽る天才だな。
「どうなんだよ、トラゾー♡?」
「でッ、できなかった…っ♡、ぺいんとじゃ、なきゃ…らめらった、ッッ♡♡」
「ふは♡だよな?」
ぐりっと強く押さえるとトラゾーはイッた。
「後ろでイケるようになっちゃったな♡」
「ぉ、まえが、おれをッ♡そうしたくせにぃ…っ♡!」
「そうだよ♡」
自分の反応しているモノをひくつくソコに充てる。
「っ〜〜♡!」
「ほら、これが欲しいならごめんなさいって言えよ」
「はぅ…っ♡」
入り口を軽く突くようにする。
焦らされてるのが分かるのだろう、トラゾーの緑はどうしてと視線で訴えてきていた。
「トラゾーごめんなさい」
「ゃ、ぁあ…ッ」
少しだけ挿れては抜く。
「んン…ぅう♡」
「ごめんなさい」
今度はさっきより深く挿れる。
弱いトコを避けて。
そしてすぐに抜く。
「やッ♡なんで、ぇ…♡⁇」
「ごめんなさいができたらもっとしてやる♡」
「ぅ〜!むかつく…ッ♡」
「まずはひとりえっちしてごめんなさいして」
口を開いては閉じをしていたトラゾーは泣きそうな顔で口を開いた。
「〜〜〜!!、ふ、ッ、ひ、…ひとり、ぁうぅ…♡、ぇっちしへ♡、ごめんなさい…っ♡!」
「よし」
少し挿れる。
「ン、あッ♡」
「次、無自覚に煽ってごめんなさい」
「⁇⁇、む、じかくにッ♡?、あぉっへ、ごめんにゃさぃ…♡⁇」
「(全然分かってねーな)」
まぁ、自覚持って煽られたらこいつのことめちゃくちゃにする気がする。
見てみたい気もするけど。
そう思いつつまた腰を進める。
「ふ、は、ぁあッ♡」
「浮気するとか言ってごめんなさい」
「♡、ぅわき、ッする、♡とかいって、ごめん、にゃッさい…♡」
「〜♡♡」
半分くらい入ったところで腰を止める。
中途半端な刺激にトラゾーは困惑して俺に手を伸ばした。
「ごめッ、な、しゃぃい…♡♡ぺ、ぃんろ、ごめん、なひゃッ♡♡ぃい♡」
何度も何度もごめんなさいを言い聞かせてるうちに、トラゾーは俺の言葉を重複し始めた。
「♡、トラゾーごめんなさい?」
「ごめッ、ん♡な、ひゃぃ…っ♡」
もうごめんなさいを言わされてる意味も分かってない。
寧ろ目の前の欲の為に言ってるだけになってる。
弱々なこういうのは俺しか知らない。
トラゾー自身も他人も知らなくていい。
「トラゾーはぺいんとのモノです」
「ぉ、れはッ♡ぺぃんとの…モノ、れふっ♡」
「快楽に弱くってごめんなさい」
「かぃらく♡に、ょわくへッ♡♡ごめんっ、な、はい…っ♡♡!」
トラゾーの弱いトコロを押さえながら俺しか入れない場所まで腰を進める。
お互いの肌が触れて隙間がないくらい密着した。
「!!♡ッ♡ぁあ〜〜!!」
「ははッ♡嬉しい?トラゾー♡」
「う、ぅれしぃッ♡♡」
背中に手を回して俺の腰には自分の足を絡ませた。
「そんなことしなくても離れねーって♡」
「ぺいんとッ、ぅそつくもん…ッ♡」
「嘘つきはトラゾーだろ♡浮気なんてする度量ないのに」
「ひゃっあ♡♡」
「まぁもうそんな馬鹿げたこと考えられないくらい、俺でいっぱいにしてやるな♡?」
「ぅ、んッ♡おれのことッ、ぺいんとッ、れ、♡ぃっぱいにして♡♡」
深いトコを突いてやれば嬉しそうにするトラゾーに笑った。
そうやって俺のことだけ見てたらいいんだよ。
ヤキモチなんて可愛いことして、ムカついたからっていもしない相手と浮気してやるだなんてまた可愛いことしようとして。
ただ浮気ってのはいただけねぇけど。
ま、たまに変なこと言うのがトラゾーだし、その度に言い聞かせてやればいいことなだけだし。
こんな風に嬉しそうにしてるトラゾーにこんな俺に捕まえられて可哀想にと思っていても罪悪感は全くない。
俺を堕としたトラゾーが悪いんだから。
あ、そうか。
そのことも謝らせねぇとな。
コメント
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ほんっとにこのシリーズ好きです!!更新ありがとうございます!
トラゾーさんがペイントさんに泣きながら可愛くごめんなさいって言ってるのが目に浮かぶ…✨️ もう最っ高です美味しすぎます!! ※美味しいとは推し受けが尊いことです(多分理解しているとは思いますが一応念の為です、何回もすみませんm(_ _)m)