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私の部屋へ向かう足音が聞こえる。
「あなた今日早退したそうね。そんなに学校へ行きたくないの?勉強はどうしたの?」
母が帰ってきて一言目がこれだ。娘の心配ではなく娘のいや、自身の将来の心配だ。
父は、
「お前そんなようだとあいつのようになるぞ。お前まで両親に失望させるのか。」
父の言うあいつとは私の兄のことだ。兄は大学受験で医学部に落ちたがネット関係の仕事に就いた。収入もよく、楽しいためこの仕事を続けていると兄は語った。元々両親とも高学歴で学歴主義の両親はそれをよく思わなかった。
兄への期待(圧)は凄かった。兄は小さい頃から何でもそつ無くこなした。その度私にも沢山の教養や知識を教えてくれる兄が好きだった。
けれど、兄は大学受験に失敗し両親からは失望されていた。兄のことがあったためこれまで兄に向けられていた期待が一気に私へ向けられた。これまで私は所詮兄の劣化版に過ぎないと期待されずに育ったので、いきなりではあったが私は嬉しかった。兄が期待され頑張る姿が羨ましかったから。
でも、それは最初だけだった。