みんなは練習に学校に戻ってしまった。
すごいなぁ
試合後も練習だなんて。
それに、決勝戦の相手が誰だかそんなのどうだっていいって感じだし。
鍛治くんは本当にみんなを信頼して、絶対に勝てると思ってくれてるんだなぁ。
あ!!!
そういえば!!!
に聞きたいことがあったんだ!!
『鍛治くん〜』
私が呼ぶと猫背でみんなの後ろを歩く鍛治くんは振り向く。
ワシジョウ「ん?美樹か?どうした?」
『あのね、鍛治くん』
賢二郎の試合を見て。
思ったこと。
それは、今までお兄ちゃんのプレーとは異なるセッターを誇張しすぎないプレースタイル。
お兄ちゃんがセッターしていた時とは違う。
お兄ちゃんはもっと積極的にスパイクも
獅音くんや覚くんを使ってトスをあげてきた。
「みんなの体力の事もちゃんと考えないとな」
「積極的に俺も入っていかないと!」お兄ちゃんはそう言っていた。
けれど賢二郎が出ていた試合は、若利くんばかり使っていて…
確かに若利くんは絶対に決めてくれる、
そう思うのはわかるけれど…
若利くん、体力的にきつくならない?
賢二郎だってとってもすごい選手なのに
目立たな過ぎない?
もっと目立ったって…
これで…大丈夫なの?
賢二郎がセッターになった事がダメと言ってるわけじゃない。
お兄ちゃんだって強い選手だと鍛治くんは言っていた。
なのに、どうして、、、
プレースタイルが変わったの?
前にどうしてお兄ちゃんが正セッターじゃ無くなった時理由を聞いたけれど曖昧だった。
話すと。
ポンと手を私の頭に置き
ワシジョウ「美樹もあいつとよく似て考えすぎだなぁ」
といつもの怖い顔の監督をしてる時の鍛治ではなくて優しい顔をした普通のおじいちゃんの顔で言った。
『え、、?』
ワシジョウ「強い選手をより、引き立てる。
だからセッターは目立たなくていいんだ
試合見たろ?若利のスパイクのフォーム
圧倒的強さ。」
試合を思い返す。
どれほど試合が、早く終わってしまうような相手の時でも、どれほど長い時間プレーしていても変わらない若利くんの綺麗なフォーム。
…
ずっと見ていたくなるような。
圧倒的な____
『その意味…分かった気がする』
ワシジョウ「そうだろうそうだろう?
美樹は偉いなぁ」
そう言ってニコニコしてくれる鍛治くん。
賢二郎は、やっぱりすごい!!!!!!
みんなを引き立てる重要な役割なんだね。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
その少し前の方で
サトリ「鍛治くん、やっぱり美樹チャンと話する時普通のおじいちゃんみたいだネ〜」
シラブ「そうですね…」
サトリ「…ちょっと複雑な感じだネ〜?」
シラブ「そうですね…」
美樹が鷲匠監督と話している内容を少し聞いてしまった。
プレースタイルが前と全然違ったこと。
瀬見さんがセッターをしていた時と全然違うと。
美樹はそう言っていた。
全ての内容は聞こえなかったけれど、
俺がセッターになった事、、、
やっぱりまだ、、、。
そう、考えていると
エイタ「白布〜何、怖い顔してんだよ!ほら、行くぞ」
瀬見さんに肩を叩かれた。
この人は、、、なんも思わないのだろうか?
後輩が自分が今まで貫いていたプレースタイルを変えて試合に出ているんだぞ?
なんにも、思わないのだろうか?
ジッと瀬見さんを見る。
シラブ「な、なんだよ、そんなに触られるの嫌だったか?」
パッと肩に手を置いていたのを離し
あはは、だなんて瀬見さんは言う。
…
あいつもこの人も、、、わけわかんねぇ。
シラブ「いえ、大丈夫です」
色々考えてるのを悟られないよう飄々と答える。
俺がそう言うと
瀬見さんは
「お前は〜ほんっと可愛くねぇ後輩だな!」
と俺の肩を組んでニシシと瀬見さんは笑った。
…
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