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2026年02月05日

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特に左右描写無しですが生産元が😋🐃なので気になる方はブラウザバック推奨です。







2人の帰り道、楓弥はあからさまに不機嫌だった。いつもなら祥の腕に抱きついたり、その日にあったことをマシンガンのように喋り倒すのに、今は一歩先を「ずんずん」という効果音が聞こえてきそうな勢いで歩いている。

「……楓弥、待ってよ。歩くの早いって」



後ろから祥が声をかけると、楓弥は足を止めて振り返った。頬をこれ以上ないほど膨らませて、唇を尖らせている。その顔は、まるでお気に入りのおもちゃを取られた子供のようだった。



「祥ちゃんのバカ。もう知らない。聖哉くんとずっと喋ってればよかったじゃん!」


「ええ……そんなこと言わないでよ」



祥が苦笑しながら追いつくと、楓弥は「ぷいっ」と顔を背けた。けれど、完全に突き放すわけではなく、祥が隣に来るのをちゃんと待っているのが彼らしい。



「だってさ! 祥ちゃん、聖哉くんに頭撫でられてもニコニコしてるんだもん。俺以外に触らせちゃダメって言ったのに、祥ちゃんはすぐこれだ。俺のことなんて、どうでもいいんだ」


「どうでもよくないよ。楓弥が一番だよ」


「……聖哉くんはかっこいいし、ダンスも上手いし……。俺なんか、ただうるさくてガキなだけだって、祥ちゃんも思ってるんでしょ」



急にトーンダウンして、しゅん、と肩を落とす楓弥。さっきまでの勢いはどこへやら、今にも消え入りそうな声で「俺なんて……」と地面を見つめる姿は、飼い主に捨てられた子犬そのものだ。


祥は、そのあまりの落差に驚きながらも、愛おしさが込み上げてくるのを止められなかった。



「楓弥」



祥が呼びかけるが、楓弥は俯いたまま動かない。祥は一歩踏み込むと、自分の「俺」という一人称に少しだけ強さを込めて、楓弥の大きな手を両手で包み込んだ。



「俺が、楓弥のことそんな風に思うわけないじゃん。聖哉は確かに凄いけど、俺をこんなにドキドキさせてくれるのは、世界中で楓弥だけだよ」


「……本当? 慰めじゃなくて?」


「本当。楓弥がステージではっちゃけてるのも、こうやって俺にヤキモチ焼いてくれるのも、全部俺の元気の源なんだから」


祥が優しく覗き込むと、楓弥はおずおずと顔を上げた。その瞳は少しだけ潤んでいて、捨てられた子犬のような切なさと、祥への熱い独占欲が混ざり合っている。



「……じゃあ、もう聖哉くんのとこ行かない?」


「行かないよ。楓弥の隣が、俺の指定席だもん」



祥がふにゃりと笑って楓弥の頭を撫でると、楓弥は「うぅ……」と喉を鳴らして、そのまま祥の肩に額を押し当てた。



「祥ちゃんが優しすぎるから、俺、すぐ不安になっちゃうんだよ……。もう、今日は絶対離さないから。お家ついても、ずっと俺のことだけ見てて」


「はいはい。わかってるよ」



さっきまでの「しゅん」とした姿が嘘のように、楓弥は祥の腕をぎゅっと抱きしめ、自分の頬を祥の肩にすり寄せた。



「よし、帰ったらお仕置きだからね! 俺がいかに祥ちゃんを好きか、一晩中語ってあげる!」


「それはお仕置きなのかなぁ……」



祥は苦笑しながらも、元気を取り戻した楓弥の体温を心地よく感じながら、二人で夜の道をゆっくりと進んでいった。

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