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「こんちゃー」
聞き覚えのある声とドアを開ける音がが玄関から聞こえてきた。恐らく勝手に入ってきたのだろう。せめて連絡くらいくれてから来て欲しいものだ。
「仁人いるー??」
はいはいいますよっと…。太智にちょっと待っててと告げて玄関へ向かう。
すると案の定にっこにっこしながらこちらに手を振っている佐野がいた。
「やっほー!おすそわけ〜」
「なんこれ」
「酒とか色々。CMの収録のプレゼント的な」
…家に入ってきている。ここで飲む気しかないということだろうか。でも怪我人がいる中普通酒飲むか?…いやあまり宜しくないだろう。
というか俺の家以外の選択肢はこの人にはなかったのか??
とか色々考えてるうちに勇斗はリビングに行って太智と話していた。
「あれ?太智じゃん」
「おおっ。勇ちゃん!」
「えなんでいるの?」
「頭ぶつけてもうた笑笑」
「あーだから冷やしてんの?」
「そそ。」
「あ、てか。太智酒飲む?なんか色々ある。」
「へー。飲もっかなぁー。久々に」
リビングに戻ると勇斗と太智が缶ビールを片手にわちゃわちゃと話していた。
2人を見ていると、顔の赤い太智と目が合う。
「おっ。じんちゃんも一緒飲もーやー!」
「めっちゃ顔赤いけど。大丈夫なの?」
「大丈夫Vでしょー笑」
「あ。間違えて開けちゃった。これは仁人飲むしかない」
勇斗まで進めてきたし!まぁ捨てるのはもったいないか…。めっちゃわざとらしいけど。
勇斗が開けたやつを一口だけ飲む。
…やはり慣れない。もういいやと思いTVを見る。
「てかだいちゃん酒弱いっしょ。」
「まぁ。そうやな」
「今日めっちゃ飲んでね?」
「いっやいやー全然全然笑笑笑」
「うるっさ、笑」
自分もうるさいなーと思ってTV見てたら突然後ろからばんっと太智が乗っかってきた。
「うぉっ!何!?」
結構酒の匂いがする。
返事ないしなんか重くなったような…太智の方を見るとぐっすり寝ていた。
「あ。俺家に舜太来てんだったわ」
勇斗が思い出したように立ち上がる。
「は?笑」
「酒置いとくわ」
「え?要らない」
「じゃまた明日」
帰った。あまりにもあっけなく。
今起こしても起きないだろう。
ずっとこうしている訳にもいかないのでソファーに太智を寝転がす。
赤ちゃんみたいな顔しながら寝てる。
あまりにも良い意味で顔と身体が合ってない。
「お疲れ様」
頭を撫でてその場からそっと離れた。
コメント
1件
ああ、この話、すごく日常の空気感がいいですね。知り合いが突然やって来て、酒飲んで寝落ちて、また帰っていく――この何でもない感じが逆にリアルで、キャラの距離感が自然に伝わってきました。太智が顔真っ赤で寝ちゃうところとか、仁人が「お疲れ様」って頭撫でるところにじんわり来ました。設定の派手さはないけど、こういう何気ない時間の切り取り方、すごく好きです。