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かなかな
212
#日帝受け
こはる🍀🌸
133
「重ねちゃいけないはずなのに。」
アメ→♡?→ロシ
ロシアが来なくなってから、1週間が経っていた。
別に珍しいことでもない。
あいつだって他にも仲のいいやつは沢山いるだろう。
忙しい時だってある。
会わない日が続くこともある。
だから気にする必要は無い……
無いはずだった。
アメリカはコーヒーカップを机に置く。
時計の秒針の音がやけに大きく聞こえる。
静かな時間。
誰もいない。
今までソファに座っていた影も。
適当に置いていった本も。
あの時のまま。
「……忙しいんだろ。」
誰もいない部屋で呟く。
もちろん誰もいない。
誰も答えない。
窓の外ではあの時のように雪が降っていた。
あの日と同じ、雪。
自然と目線は机へと向かう。
引き出しの中の一枚の写真。
倉庫で見つけた古い写真。
今じゃ撮れない、あいつの写真。
見慣れた顔をしている。
若い。
今見ると笑えるくらい。
写真を取り出す。
しばらく眺めていた。
いつも通りだ。
いつもなら。
「……。」
不意に映る、別の顔。
白い睫毛、紫の瞳。
雪と、酒の匂いが似合う男。
ロシア。
「違う。」
思わず呟いた。
何が違うのかも分からない。
写真に目を戻す。
ソ連。
ロシアじゃない。
同じ存在ですらない。
そんなことわかっている。
昔から。
ずっと。
なのに。
あの日。
ロシアが笑った理由だけは分からない。
「父さんのこと好きだったのか。」
静かに問われた。
まるで雪のような透き通った声。
責める声じゃない。
怒っている訳でもない。
だから余計に忘れられない。
「違う。」
俺はそう答えた。
それ以外に答えが浮かばなかった。
本心だった。
今でもそう思う。
好きじゃない。
恋でもない。
愛でもない。
じゃあ何だ。
そう聞かれると答えられない。
答えられないから、止まるしか無かった。
答えられないから、あの時言葉が止まった。
「ただ……」
その先。
今でも分からない。
分からないままだ。
なのにどうして、
気付けば考えているのは。
ソ連じゃなくて。
ロシアなんだろう。
アメリカは写真を伏せた。
見る気が失せた訳じゃない。
ただ。
今はそれどころじゃなかった。
窓の外はまだ雪が降っている。
相変わらず。
静かだった。
「…ロシア。」
呼んだって誰もいない。
意味なんてない。
あいつにはなんの感情もなかったはずなんだ。
それなのに。
名前を呼んだ瞬間だけ。
妙に胸が苦しくなった。
「……なんで来ないんだよ。」
「なんで来なくなったんだよ…」
その問いも、雪に溶けていくのだろう。
答えられない問いは。
あいつが去った道へ溶けて消えていくんだろう。
「返事してくれよ…」
元々読み切りの予定だったんですけど続き書きたくて…!!