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#雑カプ
れま
46
#片思い
君への恋心を自覚してから何度目の冬を迎えただろう。僕は未だに伝えられないまま刻一刻と迫るタイムリミットに焦っていた。
“もしかしたらこれで最後の冬になるかもしれない”
そう思った僕は雪が舞っているのを窓から眺めながら幼馴染の彼女に告白しようと決意した。
日が射した午後。忙しいスケジュールの中、彼女がお見舞いに来てくれた。
しばらく体調の事や最近の出来事について話していたが
「少し外に出てみない?」
と彼女に誘われた。
体調も良く医者から病院内であれば平気だと許可を貰い庭に出た。
彼女は初雪に手を伸ばし無邪気にはしゃいでいた。その姿を見て僕は心から幸せだと思った。
でも彼女の左手にリングが嵌められているのを見て少し言おうか躊躇ったが言わないという選択肢を選びたくは無かった。
「僕は…ずっと貴方の事が好きでした」
例えどんな答えだとしても僕のこの気持ちを知って欲しかった。
短い恋を繰り返していた彼女が僕以外の人と結婚するとしても、彼女にとって特別な存在で無かったとしても良い。
彼女が笑顔でいられるならばその隣に居るのが僕でなくとも構わない。
「別に答えが欲しい訳じゃないから何も言わなくて良いよ。ただ僕は貴方の事が好きなんだ。
結婚おめでとう、どうか幸せになってね」
辛い気持ちを抑えながら今出来る精一杯の笑顔を向けた。
彼女は複雑そうな顔をして「気付いてたの?」と尋ねた。
「うん、私ね…春になったら結婚するの。これから先の人生をずっと一緒に歩いて生きたいと思える人に出逢えたから」
少し照れながら言ってた彼女は可愛らしくてとても幸せそうだった。
彼女の携帯に会社から連絡が入り、すぐに向かわないといけなくなり慌てて帰ってくのを見送り、僕は近くにあるベンチに座った。
「分かってたつもりだけど…直接結婚報告を聞くのは結構キツいな。
最後にもう一度だけ彼女を抱き締めたかった、虐めっ子から守ったあの日の様に」
この感情は今更だと分かっている。一生傍には居られないから、彼女を悲しませたくなかったからと理由を付けて想いを伝える事を避けていた僕の弱さが招いた結果だ。
もう何を言っても臆病者の言い訳にしかならない。
(それでも僕は彼女の幸せそうな笑顔が好きだった)
本当は彼女だって僕のこの気持ちに気付いていた。その癖明確な答えを出さないまま、傍に居てくれた。
悔しさを噛み締めている時に心臓発作が起こり、本能的にこれで死ぬのだと悟った。
「幸せに…なって欲しいっていう…気持ちは…嘘じゃ…無かったけど…それでも僕は…嘘でも…良いから好きだって…言って欲しかった…。さよなら…大好きだよ」
ーこの恋心よ どうかこの雪に染まってくれー
そうして僕は意識を手放し、命は雪の様に溶けて消えた。
それから1年後ー
彼女は花を携え、墓参りに来ていた。
一通り、墓地を綺麗にし手を合わせて祈ると彼に語りかけるように話しかけた。
「私は君の事を友人として、弟みたいな存在として愛していたよ。
その気持ちに気付いていても応えることは出来なかった。
でもその代わりに私は君をずっと忘れない。
君が愛してくれたこの命を最期の瞬間まで全うする。それが私に出来る唯一の事だから。」
ハハコグサを供えながら毎年この日はここに来ると墓前に約束して私はその場から立って歩き出した。
その時、優しい風が吹いて彼が見守ってくれている様に感じて微笑んだ。
また来るね
その声は優しい風に飲み込まれて消えた。
コメント
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うわあ…すごく胸にくる話でしたね。入院中の主人公が、幼なじみの結婚を知りながらそれでも告白する決意をしたシーン、特に「答えが欲しいわけじゃない」って言葉が切なくて。リングを見て躊躇いながらも想いを伝えた強さと、最後の「嘘でも好きだと言ってほしかった」という本音のギャップにやられました。雪に恋心が溶けていくようなラストも美しくて、余韻がじんわり残ります。彼女が墓前で語る「弟みたいな存在として愛していた」という返答も、彼には残酷だけど誠実な答えで…。素敵な作品でした。