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ここはAgreement《アグリーメント》、ウイスキー専門のBAR。
一本のレトロな街灯がオレンジ色の灯りを落とす。石畳の小径へと足を運ぶとセンサーライトがポツポツと点る。ユーカリの樹が揺れる煉瓦の外壁、マホガニーの重厚な扉には真鍮のドアノブが付いていた。
カランカランカラン
「いらっしゃいませ」
鈍い音を立てて扉を開けるとレトロ蓄音機が針を飛ばしブツブツと途切れながら緩やかなジャズを奏でていた。
「よう、久しぶり」
「おまえ変わんねーな!」
ダークチェリーのカウンターでストレートバーボンのグラスを傾けていたのは拓真の高等学校時代からの付き合いがある羽場勝己だ。羽場は金沢高校バスケットボール部に所属し、その躍動感のある姿を拓真は撮り続けた。
「紺谷のおっさんとこで仕事見つかりそうなんだって?」
「あぁ、おまえのお陰だよ」
「これも縁だよ、縁」
現在、羽場は勤務先である北國《ほっこく》銀行のバスケットボールクラブチームに所属している。その同僚が紺谷に近しい人物だった。
「どんな仕事なんだよ」
「化粧品会社のポスター」
「何処の」
「blos-som、花」
「マジか、大手じゃん」
「そうみたいだな」
「パーーっと桜みたいに散るなよーー」
「やめろよ、縁起でもない」
二人はウィスキーを片手に懐かしい時代を振り返った。
「ありがとうございました」
カランカランカラン
バーカウンターから他の客が姿を消すと羽場はやや小声で話し始めた。
「なぁ」
「なんだよ」
「おまえ、佐原《青の旧姓》と付き合っているんだろう」
「なんでだよ」
「顔色が悪いぞ、覇気がないというか、大丈夫なのかよ」
拓真はその話題を逸らすように「マスターおかわり」とグラスをカウンターに置いた。
「付き合っていたら悪いのか」
「やっぱりまだ続いてんのか」
羽場の面持ちがやや厳しくなった。
「俺は 青 の事が好きで一緒にいるんだ」
「拓真、それストックホルム症候群じゃねーのか」
「なんだよ、その山みたいな名前」
「監禁、監視」
「なにが言いたいんだよ」
「監禁監視されてっと、相手を好きだと思い込むらしいぞ」
「 青 がそうだと言いたいのか」
「じゃあ、なんでおまえは《《撮らないんだ》》」
「なんだよそれ」
「おまえらしい写真を撮れよ」
ふと羽場が木枠の窓の外を見ると逆光の中に一人の女性が佇んでいた。
「おまえ、佐原にここに来るって言ったのか」
「ーーーー言っていない」
カランカランカラン
「いらっしゃいませ」
マホガニーの重厚な扉が閉まった。
「羽場先輩、お久しぶりです」
そこに立っていたのは 青 だった。
歩み寄る 青 の姿に羽場は一瞬怯んだが、バーカウンターに肘を突いて何事もなかったかのようにグラスを傾けた。
「佐原、元気そうじゃないか」
「お陰さまで」
「先輩はなんのお仕事をされているんですか?」
「あぁ、銀行員だよ佐原は?」
「専業主婦です」
羽場の眉間に皺が寄った。
「あ、蒼井さんの奥さまですね、はじめまして」
「大野木拓真さん」
「はい」
「初めまして」
青 はAgreement《アグリーメント》のマスターと簡単な自己紹介をし、バーカウンターに飾られた青いクチナシのポストカードを手に、一言、二言と言葉を交わし始めた。
「お待たせいたしました」
「ありがとう」
青 が注文した烏龍茶のグラスで氷がカラカラと音を立てた。
「佐原が《《奥さま》》だって?」
「羽場先輩、私、蒼井 青 なんです」
「マジか」
「はい」
青の妖しげな微笑みがダウンライトの中に浮かび上がった。
「拓真、おまえ」
「好きだから結婚した、それだけだよ」
羽場は驚きが隠せない表情で呷《あお》るようにウィスキーを喉に流し込んだ。 青 はアーモンドチョコレートの粒を噛み砕きながらその顔を覗き込んだ。
「どうしてそんなに驚くんですか」
「拓真、ちょっと来い」
「なんだよ」
「《《奥さん》》、ちょっと男同士の話があるんだ」
「は、羽場、どうしたんだよ」
「俺の恋バナの続きだよ」
羽場は拓真の腕を掴むとカウンターチェアーから引き摺り下ろし、マホガニーの扉を力任せに押した。
カランカラン
呆気に取られる 青 。グラスを白い布巾で拭いていたマスターがその横顔に微笑み掛けた。
「ちょっと入り組んだご相談事らしいですよ」
「えーーー、なんだろう」
「道ならぬ恋」
「ええーー!不倫!」
「しっ、僕が言った事は内緒ですよ」
マスターは悪戯っ子のような面持ちで唇の前で指を一本立てて見せた。 青 は「わかった」と頷くとオレンジジュースを注文し、青い花の写真集の話題で盛り上がった。
「ま、待てよ、おい、羽場!」
腕を引っ張られた拓真は石畳に躓きながらもその背中を追った。普段からスポーツをして鍛えているだけあって羽場の肩幅は広くワイシャツの下で肩甲骨が左右に動いていた。
「おい!」
表通りに出た所で羽場は周囲を気にしながら拓真に詰め寄った。
「なんでおまえが佐原と結婚しているんだ」
「それは好きだからだって言っただろう!」
「拓真、おまえ頭、大丈夫か」
「大丈夫だよ」
「どっちが結婚しようって言い出した!」
「それは」
「佐原だろう!?」
「そうだ」
羽場は拓真の両肩を揺さぶった。
「佐原はおまえの《《ストーカー》》だったんだぞ!」
「それは昔の事だ!」
「おまえ、マジヤベェって」
「大丈夫だよ」
「家に帰ったら持ち物とか服とか探してみろ、携帯電話のアプリもだ」
「ーーーーは?」
「おまえ、追けられてるぞ」
石畳で砂利を踏む音がした。その音に飛び上がって驚いた羽場の顔色が変わった。
「羽場先輩、恋バナは終わりましたか?」
「ーーーー青 ?」
「あぁ、終わったよ」
「拓真、もう遅いから帰ろう、お会計は済ませて来たから」
羽場が店に戻ろうと踵を返すと 青 はクスクスと笑った。
「先輩のお会計も済ませました」
「そうか、幾らだ」
ポケットから長財布を取り出すと 青 は街灯の薄暗闇の下で手を小さく横に振った。その表情は陰になり読み取れなかった。
「再会の記念です。奢らせて下さい」
「そ、そうか」
「じゃ、またな」
「おう」
オリーブの枝が揺れる小径、羽場は二人の背中を見送った。
石畳の道を少し先に進むと車両通行止めが解除されていた。ガタガタとマンホールを踏みながら向かって来る車から 青 を守るように拓真が車道側を歩いた。人の疎な街灯の下、 青 が手を差し出して二人は手を繋いだ。
「羽場先輩って私の事、嫌いだよね」
「そんな事ないよ」
「高校の時からそんな感じだったもの」
高等学校、その言葉に汗が滲んだ。
「なに、どうしたの」
「なにが」
「手のひら、汗かいてるよ」
「酔いが回って来たのかな」
「ウイスキー一杯しか飲んでないのに」
「雑草むしって疲れたのかな」
「慣れない事するからだよ」
ふと、そこで羽場の言葉が拓真の脳裏を過った。
(もし、監視されていたとすれば)
喉仏が上下する。
(勝手に外出した事も、スタジオの事もバレている)
恐る恐る見下ろすと 青 はご機嫌でブティックのショーウィンドウを眺めていた。「ーーー!」ところが突然振り返って拓真の顔をじっと見たのだ。
「怖い顔」
「え」
「拓真、怖い顔してるよ」
青 が指差す硝子《がらす》には、狼狽《うろた》える拓真の表情が映っていた。10年間、こうして《《見張られて》》いたのかと思うと背中に怖気が走った。
「ねぇ、拓真」
「なに」
「拓真って高校の時、羽場先輩だけ撮ってたよね」
「そうだけど、それがなに」
「私、拓真が羽場先輩の事ばかり見る事が嫌だったんだ」
青 の黒い瞳が拓真を凝視した。
「今でも羽場先輩が撮りたい?」
「・・・・・・」
「妬けちゃうな」
「いや、それはない」
「もしかして、拓真は写真が撮りたいの?」
「それは」
「撮りたいんだ」
この蒸し暑い夜にも関わらず、拓真の首筋を冷たい汗が流れた。
「んーーーーそうだなぁ」
青 の指先がぱっと離れた。
「撮っても良いよ」
「ーーーーーえ」
「撮りたいんでしょ」
「あ、ああ」
「拓真はもう《《私のもの》》だし、撮っても良いよ」
そして 青 は妖しげな微笑みを浮かべて振り返った。
「でも本当は拓真の目《カメラ》が誰かを見る事は嫌なの」
「あ、ああ」
「だけど、私に隠れて誰かを見る事はもっと嫌なの」
(ーーーやはりばれていた)
「分かった」
「約束して。撮った写真は全部私に見せてね」
「あ、ああ」
「隠し事はいけないわ」
「あ、ああ」
青 の腕が拓真の腕へと絡み付いた。
「茶色の本は捨ててね」
(ーーーー!)
10年前も今も月下美人に囚われ続けている拓真を嘲笑うかのように、羽化したばかりのアブラゼミが一斉に鳴き始めた。
拓真は自宅に戻ると、中をくり抜いた茶色い本を 青 に手渡した。
「はい、これ」
青 はこの《《本》》の在処を知っていた。それならば 青 自身のカメラでSDカードのデータを確認する事など容易く、拓真がどんな写真を撮っていたかなど一目瞭然だ。
「座って」
それでも 青 は宛《さなが》ら公開処刑をするかのように拓真をワークチェアに座らせるとパソコンを起動させた。
「はい、これ」
青 は拓真に一枚のSDカードを手渡した。パソコンの画面に映し出されたのは高等学校の教室、文化祭、体育祭、修学旅行、教壇で喚く教師、笑い合う友人、手鏡を手に前髪を整える女子学生、風に揺れるカーテン。
陽射し溢れる温かい写真ばかりだった。
「拓真はこの人が好きだった」
「・・・・・・・」
「好きだったのよね」
「・・・・・・・」
「田代先輩」
「知っているのか!」
「ほら、やっぱり好きだったんだ」
二枚目カードには 青 が毛嫌いする羽場勝己がバスケットボールコートで所狭しと走り回っていた。
「こんなに見てたのね」
「モデルだからな」
「・・・・・・・」
青 は黙り込むと次のSDカードを手渡した。それは比較的新しいもので、ここ二年ほど前から密かに撮り続けていた写真だった。
犀川の河川敷で日向ぼっこをする老夫婦、子どもを追いかける若い母親、ランニング中の男性、スナック菓子を頬張る制服の恋人たち。
どの写真も明るい笑顔だ。
「肖像権侵害じゃないの」
「承諾を得て撮った」
青 はその一枚を削除した。
「ーーーーあっ!」
「いつの間にこんなに撮っていたの」
「青 が買い物に行ったり、撮影に出掛けた時」
追跡アプリの精度には限度がある。マンション隣の河川敷ならば拓真が外出していても判別が付かない。青 は次の一枚を削除した。
「ーーー駄目じゃない、約束は守らなきゃ」
「ごめん」
「拓真が誰かを《《見る事》》は許されないの!」
「ごめん」
拓真が震える指で最後のSDカードをパソコンに差し込むと、それまで無表情だった 青 の顔に怒りが滲んだ。
「ーーー誰、これ」
「これは」
「今日《《見て来た》》人なのね」
「そうだ」
青 は全ての写真を消去した。
「これは誰なの」
「モデル」
「この人の事?」
その指先には、無くしたものだと思っていた結城紅の名刺が左右に揺れていた。
「紅《くれない》、それとも赤って読むの」
「べに、紅だ」
「このモデルと羽場先輩がどう繋がるの」
(その事は 青 に話していない)
追跡アプリだけでなくもしかしたら日常会話も全て盗聴されていたのかもしれない。目眩がした。
「羽場の知り合いが仕事を紹介してくれた」
「仕事、なんの仕事?」
(ーーー外出先での会話は盗聴されていなかった)
スパイ映画でもあるまいに外出先の盗聴など不可能だと拓真はホッと胸を撫で下ろした。
「この人は化粧品会社のイメージモデルだ」
「どこのブランド」
「blos-som」
「有名メーカーじゃない!凄い」
仕事の件に関して 青 は前のめりだった。その後、紺谷信二郎と結城紅、そのマネージャー日村隆信の人物像や背景、大豆田《おおまめだ》町のフォトスタジオやblos-somとの契約内容を問い正された。
「分かったわ」
「仕事は引き受けても良いのか」
「お金になるんでしょう」
この一年、個展作品の買い手は少なく、出版した写真集の印税も目減りし金銭的に余裕があるとは言い難かった。
「なる」
「良いわ」
拓真は何枚かの思い出と引き換えに|自由《しごと》を許された。フォトグラファーAOとしての新しい第一歩だ。
(ーーーやっと撮る事が出来る!)
次のスタジオ入りの日時をチェックしたそのカレンダー、1月の裏には、拓真が鉛筆で書いて消した結城紅の携帯電話番号の痕が残されていた。
青 の姿は大豆田フォトスタジオの待合にあった。いとも簡単にblos-somの撮影を許されたものだと拓真は拍子抜けしたがそうではなかった。
「私も行くわ」
青 は拓真をタクシーの後部座席に押し込むと「大豆田まで」とタクシードライバーに行き先を告げた。
「む、無理だよ」
「行ってみないと分からないわ」
案の定、 青 はフォトスタジオのスタッフに現場への立ち入りを拒まれ不機嫌な面持ちで待合の長椅子に座る事になってしまった。
「ごめん、待ってて」
「ーーーーー仕方ないわね」
「一時間ほどで終わるから」
「そんなに長い間、《《あの女》》を見るの!?」
「仕事だから、我慢してくれ」
その剣幕に驚いた撮影スタッフが拓真の耳元で囁いた。
「蒼井さん、あの人がコンテストで最優秀賞を獲られた佐原さんですか」
「はい」
「うわー、感動」
「そうですか」
「でも、鬼嫁ってやつですか」
「は、ははは、確かにそうですね」
撮影スタッフは暗幕を閉めながら背後をチラリと見た。
「噂には聞いていましたが美人ですね」
「そう、ですか?」
「モデルも出来るんじゃないですか」
「お上手ですね」
「蒼井さんは奥さんをモデルに撮らないんですか」
「あ、はぁ」
「まぁ、あれくらい美人だと独占したいですよね」
「ーーーーーは?」
「他の男には見せたくない、みたいな?」
そこで拓真は 青 を撮ろうと思った事が一度もない事実に気が付いた。
「ーーーーおい!そこ、喋ってないで!蒼井さん、お願いします!」
「は、はい!」
「結城さん、入りまーーす!」
黒のバックスクリーン、全身を覆う漆黒のロングドレスに真っ赤なハイビスカスを散らした結城紅が拓真の隣に立った。カナリアの声が呟く。
「奥さまがいらっしゃったんですね」
「ーーーはい」
漆黒のロンググローブの指先がそっと拓真の小指に触れた。
「蒼井さん」
「は、はい」
「ハイビスカスの花言葉は知ってる?」
「いえ、知りません」
「新しい恋」
「ーーーーえ」
「新しい恋」
それだけ告げると結城紅は眩いライトに向かった。
拓真は身が引き締まる思いがした。
(ーーーーこの写真を 青 が見る)
結城紅に個人的な興味を抱いている事を気取られてはならなかった。
( 青 はなにをするか分からない)
カシャカシャ カシャ
それでも、拓真の目《カメラ》は否応なしに赤茶の瞳に惹き付けられた。
(ーーーーー綺麗だ)
止められない情熱、身体の芯に男としての火が点った。
カシャ カシャ
「はい、ライトチェックしまーーす!」
眩しいライトの明かりが落とされ、黒いバックスクリーンに深紅のダウンライトが浮かび上がった。
メイクスタッフが結城紅の髪を手際よくハーフアップに結い上げると赤珊瑚のかんざしでそれを留めた。後毛《おくれげ》はヘアワックスを使い、絶妙な具合で散らされている。
(ーーーー色っぽい)
花魁のような妖艶さ、その美しさに拓真は唾を飲み込んだ。
「《《よろしくない》》写真はナシでお願いしますよ」
いつの間にか隣に立っていたマネージャーの日村が肩を叩いた。
「は、はい」
邪《よこしま》な思いを指摘され、脇に汗をかいた。
カシャカシャ カシャカシャ
撮影は順調に進み予定時間よりも早く終了した。日村はその写真の出来栄えを「先日よりは良いですね、うん、良い!」と誉めつつモニターに釘付けになっていた。
(ーーーーーあ)
それを横目に、素足の結城紅が拓真の腕を暗幕の中に引き摺り込んだ。
「蒼井さん」
拓真の首に細い腕を巻き付けて微笑んだ。赤い口紅が唇を覆い、舌先が閉じられた歯を割って口腔へと滑り込んだ。
(ーーーーんっ)
突然の行動に一瞬尻込みをしたが次の瞬間、細い身体を強く抱きしめていた。舌を差し込み互いに激しく貪りあう。息が出来ず後頭部が痺れた。脚を割った結城紅の太ももが股間に擦れ、それは形を変えて熱を持った。
「ふぅ」
唾液が糸を引いた。
「待ってて、メイク落としを貰って来るから」
口元を拭うと深紅のルージュが線を引いた。
「ーーーーまたね」
「はい」
拓真はトイレの個室に駆け込むとそれを慌ただしく上下させ、その熱情を便器へと解き放った。
バタン
帰りのタクシーの後部座席に座った 青 は、カメラの中に収められた結城紅を凝視していた。
「この子のイメージカラーは赤なのね」
「秋の口紅に合わせてモデルに選ばれたらしい。企画書に書いてあった」
「そう、赤、私とは正反対ね」
「正反対」
「ねぇ、ハイビスカスの花言葉はなんて言うか知ってる?」
拓真の脳裏に結城紅の赤い唇が浮かびやや声が上擦った。
「《《新しい恋》》だろ」
「よく知ってるね」
「あぁ、スタッフの女の子が話していたんだ」
「ーーーーーそう」
青 はカメラのスイッチを消してそれを拓真に渡すと微笑んだ。
「沖縄ではハイビスカスの事を|後生花《ぐそうはな》とも呼ぶのよ」
「そうなんだ」
「《《亡くなった人に供える花》》なの」
「そ、そうなんだ」
「覚えておいてね」