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オメガバースです。

hbr・skng・kntがα

srfがΩ

kntとhbrはマジでちょっとしか出てこない。

hbsrあり、ngsrあり。


地雷と感じたら自衛お願いします。

ご本人様とは何1つ関係ありありません、作者の妄想の楽園です。





なんでだろうか、これほどまでに惹かれている。好きだって、安直に言えないのに。言えない相手なのに。


「凪ちゃん、俺、どうしよ」

そんな怯えた表情でセラ夫は、私に一枚の紙を渡した。

「『後天性Ω』、、セラ夫が?」

「どうしよ、今まで通り、仕事できなくなる。どう、すれば、いいの?」

その瞳は、か弱い獣のようであって、か弱い少女のようであって、いつも見ている強いセラ夫ではなかった。

「凪ちゃん、αだから、なんか知ってないの」

「まず、医者から抑制剤はもらいましたね?それでとりあえずは大丈夫でしょう。一番体にも精神的にも良いことは番を持つことです」

「つ、番、、」

第二の性があるこの世界では、生まれてきた時と小学一年生と6年生の時・中学入学と高校入学。そして健康診断のたびに第二の性についての検査をする。先天性の第二の性と同じくらい後天性の第二の性が生まれることがあるからだ。

それでもなお、ほとんどの人がβだし、αやΩも今の社会では問題なく生活できるのが現状。第二の性のための福利厚生なども充実しているし、不便なことはほとんどと言っていいほどない。そう、発情期を除いて。

「現在の医療は発展しており、発情期でも周りに迷惑をかけない手段は五万とあります。しかし、その分の副作用はかなりでかいものとなっています。政府もαやΩは結婚をしなくてもいいからつがいを持つことを推奨しています」

「発情期?番?副作用?抑制剤?」

「小学生や中学生の時に保健の授業でやりませんでしたか?」

「俺、そんなに真面目に受けてないし」

基本的な家庭では、第二の性についてかなり詳しく説明するし、万が一のために備えもする。しかしそれはあくまで一般家庭の場合。裏社会という場所に限って、Ωという性別はかなり嫌悪されている。

優秀の証として与えられてるようなαと違い、定期的に来る発情期は仕事に影響をもたらすためΩの暗殺者は見たことがない。それは、諜報員も怪盗もマフィアもだ。

「しかし幸いここは政府の卵や裏社会の人間。優秀な人間たちが集う学舎。第二の性であるαを持つものは少なくありません。あなたが番を見つけるまでは私を頼ってくださいね」


「凪ちゃん、雲雀が番にならないかって」

薄々気づいていたことだった。最近セラ夫は私を頼る機会が少なく、代わりにたらいと共にすることが多いことなんて。たらいは頭は馬鹿だし、お世辞にも知性が高いとは言えない。だがその分怪盗と歌の神様に愛された男であった。物を盗むことと歌に関しては優秀としか言いようのない男。

「良かったですね、これで安心できます」

「ありがとね、凪ちゃんも早く番見つけられたらいいね」

あぁ、バレなかった。今日も、秘密にできた。あの時、もっと押せば良かったのだろうか。番になりたいって言えば良かった。

「えぇ、そうですね」

第二の性なんて嫌いだ。私にαという肩書きがなければ、あなたにΩという肩書きがなければ、この気持ちをあなたに伝えられたのだろうか。

胸の中で絡まったこの気持ちの行方があなたへ向くことになったのだろうか。この気持ちに、整理をつけることができたのだろうか。

「アキラ」

この男は、唯一私の恋心を知ってる人間。

「奏斗、なんですか。想いも伝えられないまま、儚げに散った恋心を嘲笑いにきたんですか」

「んなわけないでしょ。どうせ、泣いてたんでしょ。セラと初めて出会った、恋をした場所で」

初めて顔を見た。初めて姿を知った。初めてあなたと目を合わせたあの日。寄宿学校の入学式のあの日、あの時、この場所で私は一目惚れをした。

「理由なんてない。ただ、その瞳が好きだった。夕焼けみたいに、青と赤が混ざり合ったあの瞳が、ピンクブロンドのあの髪が、冷たいようで隠しきれてない優しさも。全部全部好きだったんです」

たった一瞬で、彼にとってはそんなに重要な出来事じゃないかもしれない。でも、どうしても忘れられない。

「αなんて嫌いだ、Ωなんて嫌いだ」

頬を伝った、生ぬるい何かの正体なんてわかりきってるのに、なんでか見てみぬふりをしたかった。

「周りから見たら無意味な恋愛だって知ってるのに。好きなんだよ、好きでたまらないんだよ。ただ、好きなんだよ」

奏斗は私の背中をゆっくりと撫でてくれた。その手は暖かくてより言葉を吐き出したくなった。


「雲雀!」

「お、セラお〜!」

あの頃は、セラ夫のことをあだ名で呼ぶのは、私だけだったのに。

「セラ」

「ダズズ!」

なんでこう、私の唯一は奪われていくのだろうか。この胸に残ったのは結局、特別感でもなく喜びでもなく、ただの虚しさだけだった。

第二の性に怯えていた彼はもういない。たらいと出会い、なんならその第二の性さえ喜びに感じてるのではないだろうか。変わり果てていく彼に、手を伸ばそうとしても彼はこちらを見ようとさえしないように見えて。

番を見つけたあなたに、私はもう手出しできない。

セラ夫が思っている以上に番というのは重い契約である。もう、解約できない一生物の契約であることもあるが、基本的につがいとなったαは番であるΩにとんでもないほどの執着心を抱くためだ。

特にたらいは執着心が強い人間だ。私がセラ夫に手を出した時点で私はもうどうなっているかわからない。

「好きなんだよ、好きだって。たった、一言でもいいから伝えさせてくださいよ」

この作品はいかがでしたか?

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コメント

5

ユーザー

めちゃくちゃすきです…儚く散っちゃう凪ちゃんの恋心が…もうほんとに刺さりました…最高

ユーザー

ねええ天才!! 久しぶりなのも相まって、普通に惚れそう。 まじ天才なんだと思う🫵🏻🫵🏻

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