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アリィ「開けてー。」

アリィが扉をノックする音を聞き、ジークは扉を開ける。

ジーク「ん。」

ノア「ありがとうー。手が塞がってて…だからボクがしまうって言ったのに…。」

アリィ「目立つからダメ!」

ジーク「んー。」

アリィ「もしかして、寝てた?」

ジーク「あぁ…。」

アリィ「ごめんね、起こして。 」

ジーク「いい。」

ノア「いつも目覚めがいいから、眠たそうなジークって新鮮…。」

ジーク「一応怪我人だしな…。体力はないよ。ああ、そうだ。お風呂…行ってみろ。良かった。」

ノア「楽しめたようで、良かった。頑張って探した甲斐があったよー。」

アリィ「ジーク、寝てていいよ。」

ジーク「んー。」

アリィに促されるまま、ジークは再び、横になり眠り始める。

アリィ「さて…今日はもう買い物で疲れたし…1日は休もう。明日は武器の調達と手入れだね。お風呂に行ってみよう。身体洗いたかったし。」

ノア「うん、行ってらっしゃい。」

アリィ「来ないの?」

ノア「ボク、無性だから男性用のお風呂にも、女性用のお風呂にも行けないんだよー。だから部屋のお風呂に入るよ。 」

アリィ「…ん?男性用と女性用…?え?ここに入るんじゃないの?」

アリィはそう言い、部屋の恐らく風呂があるであろう扉を指す。

ノア「違うよー。ここ温泉っていうのがあってね。」

アリィ「オンセン?」

ノア「そう。受付のヒトに聞くといいよー。」

アリィ「分かった。でもノアは本当に来ないの?」

ノア「うん。女性って言えば、誤魔化せるかもしれないけど…誰かを傷つけたら嫌だし…」

ジーク「…さっき貸切だった。男風呂の方…髪、見られたらまずいから…今お客さん居ないから、いいって…。」

ノア「じゃあ…ボクも行ってみようかな。ありがとうね、眠たいのに起きて教えてくれて。 」

ジーク「んー。」

ノアに大人しくジークは撫でられる。


ノア「うーむ。」

アリィ「どうしたの?考え込んで…」

ノア「いやぁ…最初はジークとテオスって似てるなぁって思ってたんだけど…やっぱり似てないかもしれない。テオスは撫でさせてくれなかったし…。」

アリィ「そりゃあそうだよ。一応孫だからね?一世代挟んでるんだから、両親の方が遺伝子は強いよ。でも面影はあるんでしょ?」

ノア「物凄く。」

店主「あれ、さっき荷物を大量に抱えてたお客さん?」

アリィ「そうです。」

店主「どんな御用で?鍵を無くしたかい?」

ノア「無くしてないよー。大事なものだもん。」

店主「そうは言うけど、無くすヒトがたまにいるんだよー。後は締め出されたりとかね。」

アリィ「私達、オンセンに入りたくって… 」

店主「あー!はいはい。ちょっと待っててね。お客さん達は観光で?」

アリィ「えっと…」

ノア「そんなとこだよー。折角だから是非ね。」

店主「さっき、君達のお連れのお客さんが、貸切にしてたけど、お2人方はどうする?今なら空いてるよ。 」

アリィ「貸切でお願いします。」

店主「はいはい。」

ノア「こんなにいい宿なのに、今ヒトが少ないなんて、勿体ない…。」

店主「はは、そう言ってくれると嬉しいわい。うちのお客さんの殆どはハンターの方々でね。ただ、最近は凶悪な悪魔が出たってことで、皆出払ってるんだよ。」

ノア「凶悪な悪魔?それって…」

アリィ「…その悪魔って、ヒトを影の中に引きずり込んだりした?」

店主「いや…多分お客さん達が思い浮かべてる悪魔とは違うよ。そんな厄介なのがいたのかい?」

ノア「そうなんだよね、少し前に報告したばっかで。」

店主「無事で何よりだよ。今頃死んでたらうちには来てくれていなかったからね。」

アリィ「その悪魔ってどの辺りにいるとか、分かりますか?」

店主「…この国内だよ。町中に出るんだ。」

アリィ&ノア「!?」

アリィ「それって…」

店主「ああ、下手したら国外の方が安全かもしれない。絶対に同じ悪魔だろうに、ずっと討伐はもちろん、発見すら出来ていない。だから討伐隊が組まれたってわけさ。 」

ノア「ここは安全なの?」

店主「安全って言いたいところだけど…危険だね。お客さんは守るよう全力は尽くすが、あまり長居はしない方がいい。」

アリィ「教えてくれてありがとうございます。」

店主「私にはこんなことしか出来ないからね。ただ…本当のとこ、私は妖じゃないかって睨んでる。」

アリィ「アヤ…?悪魔じゃないっことですかる」

店主「そう。妖ってのは、長命種でヒトを驚かすのが大好きな生き物でね。まぁたまに、ヒトを食べる奴もいるらしいけど、基本驚かすだけだ。それでその驚かし方ってのがね、化けるんだよ。ある時はヒト。ある時はその辺の石ころ。ある時は人魂。そんな感じでね。」

ノア「もしかして、誰も発見したことないのは…」

店主「私はそう睨んでる。実際はどうか分からないけどね。温泉はそこの右の通路を真っ直ぐ進んだ先だよ。」

ノア「はーい、ありがとうー。」

店主「くつろいどいで〜。」


ノア「気持ちいい〜。」

アリィ「……。」

ノア「どうしたの?アリィ。」

アリィ「いや…ポルポルとしてお湯に使ったら溶けるのかなって思って。」

ノア「待ってボク溶けるの??」

アリィ「砂漠で1回溶けてるよ。」

ノア「絶対嘘だよ!」

アリィ「本当だよ。」

ノア「だとしてもどういう原理!?」

アリィ「私に聞かれても…。最近水浴びだけで済ませてたから、お湯は癒されるね。凄くいい景色。 」

ノア「悪魔っぽいのが居るのだけが気がかりだね。」

アリィ「ノアって裸でも戦える?」

ノア「余裕…って言いたいところだけど、隠したいかな。万が一ヒトに性器が無いのを見られたらまずいから…恥ではないんだけど…」

アリィ「あーそっかぁ…。悪魔って皆性別ないの?ノアに性別がないのは大分前に聞いたけど…」

ノア「いや性別のある子が多いよ。ただ、あんまり繁殖する必要のない長命種だから、たまにボクみたいなのが生まれるんだ。」

アリィ「悪魔って言葉を使うのは…」

ノア「少し気が引ける?」

アリィ「うん。」

ノア「ありがとう、そう思ってくれて。でも悪魔って言ってね。じゃないと万が一目をつけられたら大変だからね。」

アリィ「分かってる。」

少しの間沈黙が流れる。

アリィ「そういえば…」

沈黙を破ったのはアリィだった。

アリィ「ノアはお湯に浸かるのは平気なの?ほら、一般的にはこうやってお湯に浸かるのは中々ないから…」

ノア「慣れてるわけじゃないけど、全然平気!むしろ気持ちいいよ。アリィは慣れてるみたいな言い方だね?」

アリィ「そうだよ。セヌス国ではお湯に浸かるのは結構一般的だね。毒以前にあそこの植物って皆ベタベタするし、毒を洗い流す目的でも、念には念をってことでね。」

ノア「へぇ〜。…ボク、トスク国は来たことあったんだけど、セヌス国は行ったことがないんだよね。」

アリィ「来たことあったの!?」

ノア「うん。実はここ何百年も前から狙ってたんだ〜。まだ続いていて良かったぁ。」

アリィ「この宿そんな長生きだったんだ。」

ノア「天花旅館てんげりょかんって言うんだよー。」

アリィ「へ〜。」


アリィ「いいお湯だったぁ〜!」

ノア「もうこのまま寝ちゃいたいよぉ。」

アリィ「寝ててもいいよ。」

ノア「えっほんと?」

アリィ「うん。」

ノア「それじゃあおやすみ!」

アリィ「おやすみ。さてと…私はやることがあるからね…。」

ジーク「おかえり。」

アリィ「ただいま。隠れてたつもりかもしれないけど、足、カーテンから見えてたよ。」

ジーク「そりゃ残念だ。いい景色だったよ。」

アリィ「ほんと?私も後で見よっと。」

ジーク「背中の傷に薬塗るのか?」

アリィ「そう、多分落ちちゃってるから。水とかも傷に、染みなくなってきたし塞がってきてはいると思うけど…。」

ジーク「大分前に捻挫してたけど、あれは?」

アリィ「あれはもうとっくに良くなったよ。」

ジーク「良かった良かった。手伝うか?お前、前に腕つったろ?」

アリィ「それは言わないで欲しかったかな…。…1度つるとさ、その後ずっとつりやすいの?」

ジーク「まぁそうだな。」

アリィ「じゃあお願いします。」

ジーク「はいはい。」

アリィ「そうだ、ジークに伝えようと思ってたことがあって…」

ジーク「なんだ?」

アリィ「この宿の店主に聞いた話なんだけど…」

そう言い、アリィはトスク国内に悪魔がいることをジークに話し始めた。


ジーク「…そうだったのか。まぁ、元々長居をする予定は無かったし、あんまり変わらないだろ。買い物は出来たんだろ?」

アリィ「うん…。」

ジーク「明日は武器の調達と薬の調達、それが終わったら出ていこう。食料や道具は揃ってるし…この辺りは少し肌寒いが、イリアが買ってくれた防寒着がある。携帯暖火もある。」

アリィ「あ、それなんだけど…ほら、ポルポル用…」

ジーク「…あっ。じゃあノア分の防寒着だな。寝具は今のままで十分だろう。」

アリィ「なんだかなぁ…」

ジーク「不安か?」

アリィ「うん…嫌な予感がして…」

ジーク「あんまりそう気に病まないでくれ。」

アリィ「…………分かった。」

ジーク「んふふ、長いなためが。」

アリィ「だってぇ」

ジーク「ほら、終わったぞ。今日ぐらいはゆっくり休もう。ここまでかなり急ぎ足で来たからな。 」

アリィ「はーい…。」


ノア「…お昼寝したせいで、変な時間に起きちゃったな。今は…」

ノアは窓にかけられた掛布を捲り、外の様子を見る。

ノア「…夜。」

(あぁ…あの日も今日と同じ暗さと涼しさだった。 )

ノアは古い思い出に耽ける。


ふと、夜中に目が覚めて向かいの敷布団に居るはずの存在が居ないことに気がつく。

ノア(最初は床で寝るなんてありえないと思ってたけど、意外といけるんだよなぁコレ。)

そんな余所事を考えながら、窓辺に行く。

ノア(…風。)

窓辺に行けば、窓は空いており、風が吹くのを感じる。窓の外の小さな箱庭に出て、話しかける。

ノア「テオス。」

テオス「…起こしてしまったかい?すまないね。」

ノアはじっと柵の外にいるテオスを見つめる。

テオス「安心しなさい。飛び降りたりなどしないよ。」

ノア「当然。」

テオス「私の死の選択権は君達にあるからね。」

ノア「何を?」

テオス「夜風に当たっていたんだよ。少し気分が悪くてね…。食べすぎだ。」

そう言い、目の前の人物はクスリと笑う。

テオス「果物と水しか食べてこなかった、この体に肉は少し重かったらしい。」

ノア「…あー…。」

そう言われ、昼間の出来事を思い出す。そう言えば次から次へと食べ物に食いついていたな…。


ノア「ふふっ。」

そんな他愛もない話を思い出し、小さくノアは笑う。

ジーク「ノア?」

ノア「ジーク?」

ジーク「あぁ。起きてたのか。」

ノア「お昼寝したせいで、変な時間に起きちゃった。ジークは?」

ジーク「俺は…寝れなくてな。」

ノア「…不安?」

ジーク「あぁ。敵陣のど真ん中に居るようなもんだ。凄く怖いよ。なんだよ、驚いた顔して…」

ノア「ジークって…怖いとか言うんだ。」

ジーク「誰だってそれくらいは言うだろ。…ずっと気になってたんだ。ノアに聞きたいことがあって。」

ノア「うん?」

アリィ「うるさい…」

ジーク「…場所…は変えない方がいいか。」

ノア「そうだね、なるべく声は落とすよ。」

ジーク「そうしてくれ。俺も努力する。」

ジーク「…なんでイリアに、俺の助力をするよう頼んだんだ?」

ノア「…以前テオスの記憶は消したと言ったよね。もう彼はテオスじゃない。だからジークも、テオスの孫じゃない。ただのよく知ってる誰かに似た孫、それだけ。」

ジーク「でもお前は、俺じゃなくてテオスの孫としての助力をイリアに…」

ノア「そうだね。テオスの話をしよう。今でも、ボクは彼のこと、憎いと思ってる。」

ジーク「じゃあ…」

ノア「…彼は、自分の意思で声を発することも、歩くこともしなかった。だから、記憶を消して、第2の人生を歩ませた。…憎い相手にわざわざここまでしてやったんだ。簡単にくたばってもらっちゃ困るんだよ。操り人形に蹴られるイドゥン教のやつらを見たい。ボクはね、テオスも憎いけど、イドゥン教の方が憎い。期待してるよ。 」

ジーク「爺さんになるまで、逃げて生き続けろって言いたいのか?」

ノア「そ。期限なんてないけど、せめて、1000年は生きてくれなきゃね。孫くらいは見せてよ。」

ジーク「お前に見せる前提かよ。」

ノア「後はまぁ単純に…ジークは憎い相手に赤ちゃんが居たとして、その赤ちゃんを殺そうと思う?」

ジーク「いや流石に可哀想だろ…」

ノア「そういうこと。 」

ジーク「……?……は…!?ま、まさか俺達のことお前…」

ノア「そんなわけないって分かってる分かってる!でもどうしても…ね。赤ん坊にしか見えない年齢なんだよ君達…。 」

ジーク「…お前…一体いくつだ。」

ノア「1000はとっくにいってたはず…数えるのめんどくさくて曖昧だけど…ボクの周りは3000とかザラに…」

ジーク「なるほどな…。 」

ジークは足の力が抜け、座り込む。

ジーク「なんだよ、心配して損した…。」

ノア「疑問は解消された?」

ジーク「おかげさまで。万が一死んだ後のこと、考えたなんて馬鹿らしい。」

ノア「ボクは君達に手出したりしないよ。」

ジーク「知ってる。」

(そんなこと考えるより、コイツらの為に何ができるか考えた方が有意義だ。)

ジーク「今なら寝れそうだし、俺は寝る。ノアも夜更かししすぎるなよ。」

ノア「分かってるよ。」


アリィ「おはよう、朝だよー。」

ノア「ぐわーっ!眩しいー!!」

アリィ「ははは!食らえー!」

ジーク「ぐぁっ!?ベッドから引きずり下ろすとかアリかよ…。俺一応怪我人なんだが?」

アリィ「だからでしょ。悪いけど、早起きしてもらわなきゃ。早いとこ済ませて、この国を出ないと。あや…なんとかも気になるし。 」

ノア「妖?」

アリィ「そうそれ。」

ノア「…アリィって思ったよりしっかりしてるよね。ジークにも関わりのある話だから?」

アリィ「それは…あると思う。朝ごはん食べたら出発するよ!武器に関しては皆それぞれに合わないとダメなんだから今日は3人行動ね! 」

ジーク「しかし…ここまでアリィが早起きなのは珍しいな。」

アリィ「どこかの誰かさん達が夜中に、会話を弾ませてたせいで、寝付きにくかったんだよ。」

ジーク&ノア「すみませんでした。」

ポルポルは今日もお腹が空いている

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