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アリィ「昨日、一応ヒトからどこに何があるか聞いておいたんだよ。それでその時貰った、国の地図。」
ジーク「大陸の、じゃなくて国のか?それってかなりの重要物のはずだぞ。」
アリィ「そうだね、普通ならたっかいお金を払わなきゃダメなんだけど…この地図少し古いんだよ。」
ノア「古いって言っても少しだけ建物の位置が違うとかくらい。これに記されてる道は今も使えるって。」
ジーク「なら大丈夫か…。よく貰えたな。」
アリィ「へへーん。ただ、これを見たら分かるんだけど…この国相当広くって…今櫻雨町から一番近い国外への道は、私達が入ってきたあの、門だけになる。…万が一この町の門…桜門が潰れれば、出入りできる一番近いところはここ。」
そう言い、アリィは地図のある箇所を指で指す。
ジーク「…字が読めねぇ。」
アリィ「だよねー。ここ文字だけ独特なものが使われてるから…そういう訳で、ノアに頼みました。」
ノア「この国の字も読めるし、訛りも完璧だよー。何百年前にもこの国の言語は覚えていたけど一応ね。変わったりもするから。 」
ジーク「お前って勉強できるの?」
ノア「ううん。」
ノアは否定し、アリィに話したように、自身がどう言語や文字を理解しているのか説明し始めた。
ジーク「…なるほどな。それでここの名前は?」
ノア「秋月の山。…ここからかなり遠いね…。」
アリィ「そう、本来なら国門が潰れるなんて、そうそうない。 」
ジーク「でも今は…アヤカシもしくは悪魔が居る。」
アリィ「そう。ハンター協会のヒト達が何人いたか覚えてる?」
ジーク「正確には覚えていないな…。ただ、かなり大人数だったのを覚えてる。」
アリィ「…やっぱり…。桜門が潰れる可能性がある。だから、急いで準備を済ませたい。」
ジーク「わかった。2人ともありがとうな。代わりに情報収集してくれて。」
ノア「いつもはジークがしてるもんね。お互い様お互い様。…でもまぁ武器は正直アリィのくらいなんだよね。」
アリィ「うん、ジークは弓を変えたい訳じゃないし、矢も先に補充したからね。弓そのものも傷んでなかったし…。でもノアは私と一緒に一応探してね。」
ノア「えっ、なんで?」
アリィ「その足にはめてる…チャクラムだっけ?それってアレで動かしてるんでしょ?」
ノア「アレ…あぁ!そうだね。」
アリィ「なら買うべきだよ。」
ジーク「俺もそう思う。万が一、壊れた時に修理が出来ない。お前が自力で修理できるなら話は別だが…」
ノア「それは…確かに無理だね。貰い物だし…分かった、買うよ。似た武器があればいいんだけど…」
アリィ「一緒に頑張って探そ!」
ジーク「お、そんなこと行ってる間に着いたな。じゃあここで俺は待ってる。」
そう言い、ジークは店の前の長椅子に座る。
アリィ「はーい。さて…私の場合は…手に着けられる物が欲しいな…。あんまり技術がないから体術でないと…」
ノア「…剣多いなぁ…。」
2人は各々、店の中を自由に回る。
ガタイの良い店の者「坊主は付き添いか?」
ジーク「あ、はい。…すみません、自分だけ買わなくて。」
ガタイの良い店の者「いい、いい。坊主がそこに居てくれりゃ、他の奴らも気になって入るかもしれないしな。」
ジーク「それは…どうか、うーん…。 」
ガタイの良い店の者「坊主、暇だろ?」
ジーク「そりゃまぁ…」
ガタイの良い店の者「丁度いい。小春ー!!このお客さんたち急ぎらしいから、お前が適当に見繕ってやれー!」
ガタイの良い店の者がそう階段に大声を放つと、しばらくしてパタパタと音を撫でながら、小春と呼ばれた1人の女性が降りてくる。
小春「うえぇ!?そりゃないよ、たっちゃん!ウチ、まだつい最近、たっちゃんに同情で雇ってもらっただけのど素人やで!?」
たっちゃん「勉強はしてるだろ?ならできる出来る。」
小春「たっちゃんの鬼〜!」
文句を垂れながらも、小春はアリィ達の方へと向かう。
たっちゃん「俺だと怖がられることも少なくないからな。茶菓子でも食うか?」
ジーク「え、いや…」
ジークはアリィ達の方へ目を向ける。
小春「え、えっとえっと、どどどんな、武器をお探しでで! 」
アリィ「うん、とりあえず落ち着いて。」
小春「す、すすみましぇん!」
たっちゃん「あの緊張癖さえなけりゃ、喉から手が出るほど、皆欲しがる人材なんだがな。あの2人にも振る舞うさ。 」
ジーク「…白髪の分は大丈夫です、アイツ甘いもの苦手なんで。」
たっちゃん「そりゃ残念だ。待ってろよー。」
ジーク「ありがとうございます。」
ノア「ジーク、お菓子貰うの?」
ジーク「これからな。期待の眼差しに俺弱いんだ…。」
ノア「そんな気はしてた。」
ジーク「武器はいいのか?」
ノア「2人一気にだと緊張しやすいかなと思って、アリィに先に譲ったんだ。」
ジーク「ああ、なるほど…。そうだ、お前らの分も用意してくれるって言ってて…ノアに関しては、とりあえず甘い物が苦手だって断った。」
ノア「ん、ありがとう。」
ジーク「もしかしたら、飲み物は来るかもしれないが…飲めるか?」
ノア「液体なら大丈夫だよ。水分と血液は流れてるから。」
ジーク「悪いな。」
ノア「全然あんまり良くない行為ではあるけど、ボク飲んだりするの好きだよ。みんなと違って食事が出来ないし、食べるのも羨ましかったり。」
ジーク「…お前が今まで食事中の俺たちを見てたのはもしかして…」
ノアとジークは同時に答える。
ノア「幸せな顔して可愛くてこっちも幸せになるから。」
ジーク「恨めしかったからなのか。」
ノア「…ん?」
ジーク「あ、別にそういう訳じゃないのか。」
ノア「そんなわけないでしょ!」
ジーク「可愛いねぇ…。」
ノア「可愛い可愛い。」
ジーク「あんまそれ頻繁に言うと、安っぽく聞こえるぞ。」
ノア「えっ!?…そうなの? 」
ジーク「ああ、胡散臭いチャラ男だ。」
ノア「ちゃらっ…!?」
ジーク「…ノアなら大丈夫だろ。ここぞと言う時にでも、アリィに言ってやれ。 」
ノア「ここぞってどんな時なのさ…。ジークは?」
ジーク「俺は自分が可愛いのを知ってるから別にいい。」
ノア「うそ、バレちゃった?」
ジーク「バレちゃってた。本当は格好よくなりたいとは思うけどな。愛嬌はあって損しない。 」
ノア「人相さえ除けば、お人好しなところあるもんね。」
ジーク「人相はアリィに可愛さを吸われたかもな。あんな綺麗な顔中々居ない。」
ノア「…それをアリィに言えばいいのに…。」
ジーク「言ってたよ。…でも言えなくなった。本当はいつまでも言ってやりたいよ。ああ見えて、凄く自分を卑下するから。…でも言えないんだな。」
ノア「じゃあ代わりに伝えようと思う!」
ジーク「おおそうしてくれ。…俺離れさせないといけないからな…あんま依存させるようなこと言えないんだよなぁ…。」
ノア「アリィの方、終わったみたいだから、ボク行ってくるね。」
ジーク「分かった。」
ノア「アリィ、何に決めたのー?」
アリィ「えっとねー。」
たっちゃん「待たせたな。ほれ、これでも食って時間を潰しててくれ。」
ジーク「あ、ありがとうございます。」
ジークはたっちゃんと呼ばれた男性に出された、お茶を飲む。
ジーク「にっ…にが…!?」
たっちゃん「はは、菓子がとびきり甘いからそれでバランスを取るんだよ。」
ジーク「はぁ…。本当に菓子なんて高級品頂いていいんですか?」
たっちゃん「いいからいいから。」
ジーク「……。」
(後で請求されたらどうしような…。)
ジークは次にお菓子に口を付ける。
ジーク「!これ好きだな…美味い。」
たっちゃん「そうだろ?美味いよな。小春の店で作った物でな。」
ジーク「え?」
たっちゃん「まぁそうなるよな。実力はあるけどあの緊張癖が問題で、不審に思って客が帰っちまって経営不振なんだよ。んで、一時的に俺のとこで雇ってるわけだ。金がなきゃ何も出来ないからな。気に入ったなら、行けとまでは言わないが、噂はしてくれると助かる。」
ジーク「そうします。でも今まではどうしてたんです?」
たっちゃん「アイツは厨房で働いてて、接客は両親がしてたんだ。ただ小春の両親は…」
ジーク「…あの、話しにくい話題なら…」
たっちゃん「俺の両親と一緒に、マムロウ国に旅行に行っててな。」
ジーク「旅行かよ。」
アリィ「にっっっが!?」
ジーク「あ。」
ジーク「2人とも何を買ったんだ。」
アリィ「私…武器じゃなくて、防具を勧められて。」
そう言い、アリィは手に装備した防具をジークに見せる。
ジーク「防具か。生身で殴るより、痛くないし、これ皮じゃないから硬いから強くて良いと思う。鉄か?これ。」
アリィ「鉄じゃ多分ないと思う。皮みたいに凄く自由に動かせるんだよね。大容量圧縮装置みたいなものかなっておもって、ノアに聞いてみたんだけど… 」
ノア「欠片も感じれないね。この国特有の鉱石だと思って良いと思う。」
ジーク「へぇ〜。ノアは何にしたんだ?やっぱりチャクラムか?」
ノア「うん。一番使い慣れてるからね。でも、買った方は予備にしてもいい?」
ジーク「ああ。でもここでは自分のは使わないでくれ。」
ノア「もちろん!」
アリィ「いい時間だし、ご飯はここで食べよう。」
ジーク「まぁいつ食えるか分からない場所より、ここで食う方が安全か…。」
アリィ「私が焦らせるようなこと言っちゃったから、ここで食べるのは避けたいのはわかるよ。でもご飯はここで食べる方が良いと思う。」
ノア「…多分安心して食べられる時間はそうそうないと思う。ここは多分どこよりも多いと思う。」
ジーク「…そうだな、分かった。じゃあここで食べよう。 」
アリィ「コハルさんのお菓子美味しかったけど、あそこ今やってないんだよね残念。」
ノア「一時的にお店畳んでるみたいだね。」
ジーク「じゃあ他に食べたいものは?」
アリィ「んー、シチューとか野菜スープとかないかな?食べ物はヒトに聞いてなかったんだよね…。 」
ジーク「んじゃあ、それで探してみよう。 」
ノア「はーい。」
ジーク「そういや、ノア、この国の言語覚えてたってことは前にも来たことあるんだよな?丁度いい店を覚えてたりするか?」
ノア「そもそもボクは忘れたりしないよ。でも何百年も前の話だし、まず残ってないのが殆どだよ。」
アリィ「そっかぁ。それじゃあ頑張って自力で探そう!あとついでにコハルさんのお菓子の話するようにしよう!」
ジーク「ああ。」
ノア「…で、教えてもらった場所がここなわけだけど…」
ジーク「これ…どこからどう見てもただの家だよな…?」
アリィ「全くお店に見えない…」
3人が揃って疑問を浮かべた建物は、どう見ても店には見えない民家だった。
アリィ「でもここで首を傾げててもしょうがないね。すみませーん!」
アリィが呼びかけると家の裏手からはーいという声が聞こえてくる。
ジーク「家の中には居ないのか?」
ノア「さぁ…」
土まみれの老人「お待たせして悪いねぇ。ちょっと畑を弄ってたもんだからさ。」
アリィ「私達、ご飯を食べに来たんですけど、ここに案内されて…」
土まみれの老人「あぁ!ただの家だもんねぇ。すまないね、ややこしくて。ここはたしかに食事処だよ。」
ノア「ご飯屋さんって意味ね。」
アリィ「分かった。ありがとう。」
土まみれの老人「それじゃあ準備するから、ちょっと待っててねぇ。さ、入って入って。 」
老人に流され3人は、老人の店の席に案内される。
アリィ「あ、良かったここのメニュー、絵が描いてあるよ。」
ジーク「おお、たまに文字だけの時があるから助かるな。」
ノア「これあの人の手描きかな?うまーい。」
アリィ「多分そうじゃない?なんにしよっかな。野菜のメニュー多いよ。」
ジーク「これなんだ?絵が描いてないけど…」
ノア「これ、収穫したての野菜を、おまかせで料理してくれるメニューみたいだね。だから描いてないみたい。 」
ジーク「ノアがこの国の文字を読めるから助かるな。じゃあこれにしよう。」
アリィ「私はこれかな。」
ジーク「…赤いけど…これ辛いやつか?腹は壊すなよ。 」
ノア「違うよー。これは赤い野菜、タワタのスープだって。」
ジーク「じゃあどっちかと言えば、酸っぱいな。アリィって酸っぱいの行けたっけ?」
アリィ「行けるよー。辛い方が好きだけど、折角だからこれにしよっかな。」
老人「注文は決まったかい?」
ノア「うん。って短時間で凄いピカピカになってる…。」
老人「ははは、慣れだ慣れ。」
ジーク「これとこれ、ひとつずつ下さい。」
老人「はいはーい。」
アリィ「ふぅ。食べた食べた。それじゃあ荷物を引き上げて出発しよう。」
ノア「ボクが運べば、戻る必要ないのに…」
アリィ&ジーク「それはダメ。」
ノア「ちぇー。宿で受付したのはボクだし、荷物取ってきて鍵返してくるよ。」
ジーク「じゃあ頼む。」
差し出されたノアの手にジークは鍵を渡す。
ジーク「…前から思ってたんだけど、2人ともなんで必ず俺に鍵を渡すんだ?」
ノア「ボク持っとくと無くしそう。」
アリィ「なんとなく。」
ジーク「…持っててもいいんだからな?」
ノア「それじゃあ行ってくるー」
アリィ「聞いてないねアレ。」
ジーク「まぁいっか…。」
アリィ「ねぇちょっと遅くない!?」
ジーク「このまま根っこ生えそう…」
アリィ「何してるんだろう…まさか何かあったんじゃ…」
ジーク「これ、多分なんだがここの店主、話長いから捕まってるだけだと思う。石は反応しないし。 」
アリィ「…なんかそんな気がしてきた。ごめん、私トイレ行きたくなっちゃった。」
ジーク「行ってこい行ってこい。」
アリィ「気をつけてね。」
ジーク「分かってる。」
アリィが席を外して暫くすると、ジークの前に3人のヒトが前に立つ。
真ん中にいるヒト「お迎えに上がりました。」
ジーク「…俺は貴族じゃなくて庶民ですよ。なにか間違えているのでは?」
真ん中に居るヒト「いいえ、間違えてなどおりません。」
ジーク「名前は?」
真ん中にいるヒト「俺ですか?…無理もありませんね、俺は貴方様が離れてから、神聖なる立場に就いた者ですから。」
ルシアス「俺はルシアスといいます。」
左に並んでいるヒト「…ルシアス様。」
ルシアス「問題ありませんよ。」
ジーク「単刀直入に聞こう。」
ルシアス「俺にお答えできますことなら、なんなりと。」
ジーク「いつ毒を盛った?」