⚠学パロ
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桜もしっかり緑になって、もう5月
涼しく、暑い感じもある。そんな季節
ある日のことだった。
「行って来まーす」
俺は急いで学校へ行く
あの日以降まだモヤモヤは消えないまま。
その代わりといってはなんだが
レトさんのことをたくさん知ることが出来た
少し高くて、鼻にかかる声
ゲームはすごく大好きだけど弱いところ
時々見せる笑顔が俺の気持ちをスッキリさせてくれる。
友達のいいところを知れたはいいけれど
やっぱりなぁ
モヤモヤの正体が知りてぇよぉ
そう思いながら駆け足で向かった。
ーーー
ガラリとドアを開けて自分の席を見る。
そうすると、レトさんの周りには「めがねをかけた奴」と「めがねをかけた奴2」が立っていた
レトさんはビクビクして縮こまっていた。
「お前ら何してんの?」
「あ?」
一人がけんか腰に俺を睨む
チンピラ怖ぇ
「うっしー、やめなさい」
「だってよぉ」
うっしーと呼ばれたその男はまたレトさんに目線を戻す
「きききキヨ君…」
「どどどどどうしよう……」
耳元で囁くように話してくる
「大丈夫」
「何してたんだよ」
「あ?レトルトに話しかけてただけだけど?」
「うっしー、落ち着いて」
そうなだめる男の方は慎重な雰囲気だった
「ごめんね。キヨ…だっけ?俺達さ、レトルトさんの自己紹介聞いてゲームに誘おうとしてただけなんだ。」
「は?」
レトさんはそんなこと聞いてもいないと言わんばかりの顔でキョドキョドしてた
「……なるほどな。全部そっちの眼鏡が悪いんだな」
「俺は悪くありませんよぉ?」
「あはは…けんか腰になっちゃダメだってば」
「あ…の…」
レトさんが口を開いた
「て、て、てことは…お、おおおれとともだちになってくれるんで……すか?」
しゃべり慣れてきたのか、一文をハッキリと言えていた
レトさん…!成長したなぁ
勘づかれたのかレトさんがキッとこっちをにらみつける
あらこわーい
「いいの?友達になっても」
「は…は…………う、うん…!」
二人は顔を見合わせて目を輝かせる
「俺は牛沢、よろしくな。レトルト」
呼び捨てが癖になっている人なのか、初対面の人に堂々と呼び捨てをしている。
「俺はガッチマンだよ。よろしくね」
ニコリと優しくガッチマンとやらが微笑んでいたので安心したのか、レトさんの肩の力が抜けている
「よ、よろしく…………ね。ガッチマンさん。牛沢さん。」
「堅苦しぃ~。うっしーとでも呼べよ」
「おい、にらみつけたらレトさんが怖がるだろ」
「ナンだよ。キヨ」
「にらみつけるなと言ってるんだよ?うっしー?」
にやりと俺は笑いかえす。そうすると相手もにやりと笑ってくる。
こいつとはなぜか気が合いそうだ。そんな気がする。
「俺も呼びにくいと思うから、ガッチさんとでも呼んで?」
「じゃ、じゃあ、がっちさんと…う、うううっしー………よろ…しく………」
「俺もよろしくお願いする!」
「よかったね、レトさん。」
「う、うん!」
レトさんに友達が増えて嬉しいのと、なぜか悲しいという気持ちが混ざってくる。
「キヨ君のおかげだよ。ありがとう」
小さく背伸びをして耳元で言ってくれた。
ハッキリ言って心底嬉しい。
女子に言われても嬉しいだけだったのに
レトさんに言われるとすごく嬉しかった。
あぁ、気付きたくなかったなぁ
だって、気付いたら意識しちゃうじゃん
無意識にも意識しちゃってるのに
ああ、笑うなよ。追い打ちをかけないでくれ
俺の顔を見て落ち着いた表情をしないでくれ
かわいすぎんだよ
その時俺はしゃがみこんで「はぁぁぁ」と
大きなため息をついた。
「大丈夫?!」と慌てて聞いてくる
俺は顔を上げて、ニカッと笑った
「大丈夫!」
好きだよ。レトさん。
ーーー
ツヅク