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テレビはついてない。
ソファに、みんなが程よく散らばって座ってる。
【ななもり】「今は、話しても話さなくてもいいよ」
【るぅと】「途中でやめても大丈夫です」
【ジェル】「重くなったら、俺が空気変えたる」
【さとみ】「そうそう、深呼吸しよ」
【ころん】「僕、隣いくね」
【莉犬】「あっきぃ、ここいるからね」
背中に、逃げ道がある配置。
【あっきぃ】「……ありがとう」
喉が少し、乾く。
【あっきぃ】「……兄弟、来たでしょ」
【ころん】「うん」
【あっきぃ】「……説得されると思ってた」
【莉犬】「怖かったよね」
【あっきぃ】「…うん…でも、今日
“戻れ”って言われなかった」
【あっきぃ】「それで……少し、息できた」
【ななもり】「それは、大事な感覚だね」
指先を、ぎゅっと握る。
【あっきぃ】「……俺
嫌われてた、って思ってた」
【あっきぃ】「家でも、学校でも。
……居ないみたいに」
言葉が、途切れる。
【るぅと】「……それ、つらいですね」
【ジェル】「存在、消される感じやな」
【あっきぃ】「……でも、ここに来て」
【あっきぃ】「聞かれないのが、楽だった。
決めろ、って言われないのも」
【さとみ】「それ、尊重されてるってことだからな」
【ななもり】「自分の速度でいいんだよ」
少し、間。
【あっきぃ】「……正直、兄弟のこと、嫌いじゃない」
【あっきぃ】「でも……怖い。
また、戻ったら
…消える気がして」
【ころん】「正直でいいね」
【莉犬】「守る選択、間違ってないよ」
胸が、少しだけ軽くなる。
【あっきぃ】「……だから
今は、ここにいたい」
【あっきぃ】「逃げじゃなくて、
……回復、したい」
言い切れた。
【ななもり】「いい判断だと思うよ」
【るぅと】「回復は、優先事項です」
【さとみ】「ここ、回復施設だからw」
【ジェル】「そうやで!w」
少し、笑いが起きる。
【あっきぃ】「……守ってくれて、ありがとう」
【ころん】「守るってより、並んでるだけだし」
【莉犬】「一人にしてないだけ!」
【ななもり】「それで十分」
【るぅと】「必要なとき、言ってください」
【さとみ】「夜食、する?」
【ジェル】「いいやん!」
胸の奥が、あったかい。
【あっきぃ】「……ここなら、
ちゃんと、俺でいられる」
誰も、急がせない。
誰も、否定しない。
その夜、俺は初めて
“本音を言っても居場所が消えない”
経験をした。