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突然の訪問から数日後。
リビングのソファで、ころんくんとゲームしてた。
【ころん】「次、僕の番!」
【莉犬】「頑張って!ころちゃん!」
【あっきぃ】「……集中してよ、w」
笑いながら、コントローラーを置いた、その時。
スマホが、震えた。
どくっ、どくっ。
心臓が、少しだけ速くなる。
画面を見る。 グループじゃない。
個別。
名前が、並んでる。
『あっと』
『けちゃ』
『まぜた』
『ぷりっつ』
『ちぐさ』
一斉じゃない。
時間も、少しずつズレてる。
(……話し合ったのかな)
最初に開いたのは、あと兄。
【あっと】
『突然ごめん。返事はいらない。
今は、元気でいてくれたらそれでいい』
短い。要求が、ない。
胸が、少し緩む。
次、けちゃ兄。
【けちゃ】
『急に近づかない。無理に呼ばない。
それだけは守る。』
……守る、って言葉
前は、聞いたことなかった。
まぜ兄。
【まぜ太】
『俺、逃げてた。言い訳しない。
距離は、そっちに合わせる。』
読みながら、息を整える。
……圧がない
ぷり兄。
画面を見るのに、少し時間がかかった。
【ぷりっつ】
『怖い思いさせた。本当にごめん。
待つ。
それだけは、約束する。』
指先が、少し震える。
(……待つ)
最後に、ちぐちゃん。
【ちぐさ】
『返事しなくていいよ。
あき兄が笑ってたら、うれしいな。』
画面が、少し滲んだ。
スマホを、膝の上に置く。
(……全部、短い)
(……全部、命令じゃない)
【ころん】「無理しないで」
【莉犬】「今は、読めただけで十分」
【あっきぃ】「うん……読めた」
それだけ言った。
部屋に戻って、ベッドに座る。
(……どうする)
今すぐ、返事はできない。
でも。
(……切りたいわけじゃない)
画面を開いて、ひとつだけ打つ。
【あっきぃ】
『読んだ。
今は、ここで大丈夫。』
シュポッ。送信。
心臓が、どくっと鳴る。
既読が、順に付く。
返事は、来ない。
(……それでいい)
布団に横になる。
【あっきぃ】「……進んでる」
小さく、確認する。
壊れたものは、戻らない。
でも、壊れたまま、
違う形で続けることはできる。
数日後のその夜、
俺は初めて
「待たれること」を
怖くないと思えた。