テラーノベル
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基地の訓練場へ足を踏み入れた瞬間――
鉄と油の匂いが、公太たち三人を包み込んだ。
そこに待っていたのは、ジュリーと畑中。
畑中は腕を組み、鋭い眼差しで三人を見据える。
「……戻ったか。」
低く響く声に、公太、唯我、一祟は静かに頷いた。
公太は拳を強く握り締める。
唯我は刀の柄へ静かに手を添えた。
一祟は深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。
敗北の悔しさ。
仲間への想い。
そして、自分たちの誇り。
そのすべてを胸に刻み、三人は再び立ち上がった。
畑中は短く告げる。
「修行だ。」
その一言だけで十分だった。
公太の瞳には炎が宿る。
唯我は静かに剣を構える。
一祟からは、研ぎ澄まされた静かな闘気が漂う。
訓練場の空気が、一瞬で張り詰めた。
もう逃げ道はない。
ここから先は、強くなるしかない。
三人は新たな一歩を踏み出した。
トレーニングルーム。
汗の匂いと鉄の軋む音が響く中、
公太、唯我、一祟は、それぞれの師と向き合っていた。
公太 VS 烈堂
「お前の拳には、まだ”迷い”がある。」
烈堂の低い声が響く。
腕を組んだまま、公太を真っ直ぐ見据える。
「はぁ!?
俺が迷ってるだと?
ふざけんな!」
公太は苛立ちを隠さず叫ぶ。
烈堂は口元をわずかに緩め、拳を構えた。
「なら証明しろ。」
「この俺を、本気で殴ってみろ。」
「……上等だぁッ!!」
公太は地面を蹴る。
爆発するような踏み込み。
炎をまとった拳が一直線に烈堂へ迫る。
しかし――
「遅い。」
烈堂は最小限の動きだけで拳を流した。
ドォン!!
公太の拳は床を砕き、衝撃が訓練場に響き渡る。
「くっ……!」
烈堂は静かに言う。
「力任せの拳は読まれる。」
「迷いは拳に出る。」
「だから届かない。」
公太は拳を握り直した。
「……チッ。」
悔しさだけが、胸の奥で燃え続けていた。
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唯我 VS 朧
唯我は龍焉刀 を静かに構える。
向かい合う朧は木刀を抜き、淡々と言った。
「その剣を握る資格があるか。」
「見極めさせてもらう。」
唯我は視線を逸らさない。
「試される必要はない。」
「俺は、この剣と共に戦ってきた。」
朧は静かに頷く。
「ならば見せろ。」
「龍焉刀 の真価を。」
次の瞬間。
唯我が踏み込む。
鋭い斬撃が一直線に走る。
だが――
「甘い。」
朧の姿が煙のように消えた。
「……ッ!」
唯我は即座に振り向く。
しかし、そこにもいない。
背後から静かな声が響く。
「お前の剣は、まだ揺らいでいる。」
唯我は歯を食いしばり、さらに剣を振るう。
だが、どれだけ斬っても届かない。
朧は、まるで風そのものだった。
一祟 VS 風音
一祟は風音と向き合う。
静かに構えを取る。
「力だけでは勝てないわ。」
風音が穏やかに言う。
「あなたの流れは、すぐ読まれる。」
「はい!」
一祟は踏み込む。
しかし――
パンッ!
風音の拳が肩をかすめる。
軽く触れただけ。
それなのに身体が大きく揺れた。
「……!」
「動きに無駄がある。」
「呼吸を合わせなさい。」
「もっと――風になって。」
「承知しました!」
一祟は静かに目を閉じる。
深く息を吸う。
そして再び踏み込む。
今度は先ほどよりも軽く。
風のように。
しかし風音は微笑みながら、その拳を紙一重でかわした。
「まだまだね。」
一祟は小さく頷いた。
「……はい。」
こうして始まった新たな修行。
敗北を知った三人は、
今までとは違う覚悟で強さを求めていた。
やがて訪れる最終決戦。
その日まで、立ち止まることはない。
炎は再び燃え始めた。
コメント
1件
「再始動の炎」第72話、めちゃくちゃ熱かったです!🔥 公太くんたちが敗北を経てそれぞれの師匠に向き合う冒頭がもう、ゾクゾクしました。特に烈堂の「迷いは拳に出る。だから届かない。」――あの言葉、痺れますね。唯我と朧の剣戟も一祟が風音に「流れを読まれる」と指摘される場面も、成長の予感がして続きが待ち遠しいです。最後の「炎は再び燃え始めた」で鳥肌立ちました!初回からこんなに引き込まれるなんて、たけっちさんの筆力、本当に素晴らしいです🌷