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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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俺はアタリの子を抱いて家の玄関に転がり込み、泣くアタリの子を抱いてしばらく呆然としていた。と、とりあえずこの子を確保して避難できた、最優先事項はうまくいった……。
俺はアタリの子をあやした。
「もう怖くないからねー、もう怖いのいないからねー、しばらくおじちゃんと一緒にいようねー」
「ひっ、ひっ……」
「あーよしよし、怖くない怖くない」
俺はアタリの子を抱いてリビングまで行き、テーブルの上のティッシュを取り、涙と鼻水を拭いてあげた。
「ちーんできる?」
「で、できゆ」
「はいこっち押さえるからね、ちーん」
鼻もかませて、落ち着かせる。しばらく抱きしめてなでていたら、アタリの子は周りが気になりだしたらしくてキョロキョロしだした。
「ここ、なーに?」
「おじちゃんの家だよ」
アタリの子は目をまん丸くしてリビングを見渡している。そうか、さっきの地下室にずっといたわけだから、この子にとって世界は何もかもが初めてなのか。
千歳のことは心配だが、ひとまずはこの子の面倒を見たほうがいいだろう。どうしようか、何か飲ませてあげようか。千歳のココアもらおう。
「甘いの飲もうか? おじちゃんが作ってあげる」
「あまいのー?」
アタリの子は首を傾げた。
「ココア、わかるかな?」
「???」
わかってないみたいだったが、アタリの子を台所に連れていき、マグカップを出して牛乳と調製ココアでアイスココアを作って飲ませたら、アタリの子は「みよ!」と騒いだ。
「みろ? ああ、そうか、ミロね、ミロは飲んだことあるのか」
「おいち!」
「よかったよかった」
ニコニコしながらココアを飲むアタリの子をなでる。しかしこの子垢じみてるな、堀江さんを確保した後、ろくに世話されてなかったのかもしれない。
その時、玄関の扉が開いた。和束みやびのアジトにつなげてある扉である、一瞬警戒したが、入ってきたのはヘロヘロの千歳であった。
『疲れたー……』
「大丈夫!?」
『大丈夫、終わった、倒した』
千歳の後ろから、緑さんが入ってきた。後ろに九さんと深山さんもいる。
「和束みやび、無事に倒しました。後は警察の担当です。私たちはアタリの子を確認しに来て……」
緑さんが話している最中、千歳の体から白い玉がいくつも飛び出し、アタリの子に入ってしまった。
『え!?』
「えっこれ何!?」
『集めてた魂9体……ああそうか、兄弟の体のほうが馴染むのか……』
アタリの子は人が増えてびっくりしている。すると、緑さんが顔をしかめ、九さんと深山さんが目を見交わした。
「まずいのう」
「まずいですわね」
え!? まだ何事かあるの!?
「な、何がまずいんですか?」
「複合体が完成してしまってのう……悪いことに使う奴はもうおらんが、その……その子の霊力がより凄まじいことになっておる。普通の人間が近くにいたら、10分もたたず霊障で倒れる……」
「ええ!?」
『ま、マジかよ……』
緑さんがうめいた。
「ちょ、ちょっと私でも30分も一緒にいられないかもです……」
「そんなにですか!?」
九さんが「どうするかのう……」とため息をついた。
「しばらくうちで面倒を見るつもりじゃったが……無理じゃ、長時間一緒にはいられぬ。うちの弟子たちもすぐ倒れてしまう……」
深山さんが絶望的な顔をした。
「わたくしも無理ですわよ……?」
緑さんが俺と千歳を見た。
「多分、大丈夫なの和泉さんと千歳ちゃんくらいです」
「ええ……?」
じゃあ、自動的に俺たちが面倒見ないと無理ってこと……?
アタリの子が俺の手を掴んで、俺を見上げた。あどけない目。
「おじちゃん」
「…………」
俺達しか、いないのか。
俺は、アタリの子を抱き上げた。
「しばらくうちで面倒見ます。千歳、それでいい?」
千歳はふにゃふにゃで言った。
『うん……あ、でも、ワシ何日か寝まくるからその間頼む……』
「うん、たっぷり寝て、俺なんとかする」
緑さんが「本当に申し訳ありません」と頭を下げた。
「いきなり押し付けるような形で……」
「いいですよ、こんな小さい子放り出せませんし」
それに、俺はこの子のことがずっと心配だったんだよ。会えたら、優しくしてあげたかったんだ。どれくらいの期間面倒見ることになるかわからないけど、できるだけのことはしよう。
コメント
1件
いやあもう、この回めっちゃ良かった…!最初の「ちーん」のやりとりからもう心臓掴まれたわ。アタリの子が「みよ!」ってココアに興奮してるところ、めちゃくちゃ可愛くて思わず顔ほころんだ。でも最後の「複合体完成」からの「お前らしか無理」って流れ、一気にシリアスで笑った。おじちゃんが迷いなく「うちで見ます」って言ったのが熱すぎる。この子の成長と、千歳との三人生活、めっちゃ見たい…!!!