コメント
1件
わぁ、すっごい面白いです!!設定がしっかりしてて流石ですね! これからが楽しみです!!ていのうより。 p.s.今タブレット使えないので別垢からこんにちは
「さようなら。二度と帰ってこないでね。」
これは、家を追い出された魔女が、旅をする話。
私はリアナ・ウディリ。ウディリ家は代々優秀な魔法使いが生まれる家系。私の代は3人子どもが生まれた。私が一番末っ子で、2人お姉ちゃんがいた。優しくて落ち着いてる、ミミアお姉ちゃんに、おっちょこちょいだけど天才肌な、デシィお姉ちゃん。でもミミアお姉ちゃんは死んじゃった。ミミアお姉ちゃんは一番安定してて優秀で、運動も抜群にできるし、頭もいいし、3歳の時から魔法が使えた。でも、そのせいで魔法が暴走して死んだ。私はお姉ちゃんが死んだって聞いたときから、魔法が怖いと思うようになった。魔法の授業はずっと受けていたけれど、やりたいという気持ちより怖いという気持ちが大きかったからか、私の魔法の開花は遅かった。普通は5歳くらいでなるんだけど、私だけ8歳に開花した。つまり私は落ちこぼれ。運動とかは得意だし、頭も悪い方じゃない。物覚えも良い方だった。でも、魔法が怖くて、怖くて、開花させるのに時間がかかった。私の属性は風。火、水、風、土、光、闇の風だった。ミミアお姉ちゃんも風属性だった。ウディリ家は風属性はの子どもが生まれやすいから仕方ないけれど、ミミアお姉ちゃんと一緒の属性は嫌だった。それからより一層、魔法が怖くなった。魔法の授業の先生も、お母さんも、お父さんも、みんなデシィお姉ちゃんを贔屓するようになったし、デシィお姉ちゃんに期待するようになった。デシィお姉ちゃんはそれが窮屈で、嫌だといつも私に愚痴を聞かせていた。でも、私はすごいと思った。だってデシィお姉ちゃんは、お母さんたちの期待を必ず超える。4級の魔法が出来てほしいと願われれば、3級の魔法を成功させる。魔獣は蛇がいいと願われれば、龍が魔獣になる。でも私は違う。期待に応えることができない。5級の魔法ができてほしいと願われれば、6級の魔法すらできない。魔獣は猫がいいと願われれば、蝶が魔獣になる。でもそれでも、デシィお姉ちゃんは私を下に見なかった。あくまで対等な妹として話してくれた。お母さんたちは違った。私を一族の落ちこぼれ、無能という目で見てくる。実際に言われたこともある。産まなければよかった、と。だから私はデシィお姉ちゃんが好きだ。私が落ちこぼれなのは間違いないし、実際そういう目で見られてることをお姉ちゃんも知ってるはずなのに。お姉ちゃんは天才肌で頭が良いから…。なのに、私を蔑まないばかりか、お母さんたちに説得までしてくれる。自分は運動ができないけど、リアナは運動ができるし、運動を伸ばせばいいだろう、って。でも、私は落ちこぼれだから、家を出ていくことになるって、お母さんたちが話してるのが聞こえた。だから、出ていっても大丈夫なように、こっそり街で働いた。年齢を偽って、魔法を使わない力仕事で働いた。みんな私に興味がなくなって、私をほっぽりだしてるから、簡単に抜け出せた。街では、いろんな出会いがあった。お忍びで来てる貴族や、優しい魔法使いの人。魔法を使わなくても人と繋がることができて、感覚を共有できる。それが改めてわかった。だから、私はデシィお姉ちゃんがいなくても大丈夫。私なりに生きよう。そう思った。そして、お金が十分に貯まった15の誕生日。時が来た。お母さんに、もう帰ってくるな。と言われた。渡されたのはちょっとのお金と最低限の食料。でも私は隠し持って貯めてきたお金も持ってきたのだ。だからいつも通り街で働いて、寝泊まりできる場所でも探そうかと思ったけど、よく考えたらここに留まるのも面白くないし、結局それはリアナ・ウディリとしての場所にすがりついているだけなのではないかと思った。だから、旅をすることにした。
第1話 完