11/22(いい夫婦の日)
目が眩むほどの照明
胡散臭い笑顔のインタビュアー
わたしだけに、いや、わたしたちだけに集まってくる視線
今日は、わたしたちの結婚発表の日
「私たち神代類と」
「草薙寧々は」
「「入籍しました」」
「ひゃ〜!寧々ちゃん見て見て!!」
高校の頃からの友人で、現在は遊園地の経営をしている鳳えむ
彼女はわたしの顔にスマホを近づけた
「ちょ…近すぎて見えないってば」
「わわっ、ごめんね」
少しオーバーなリアクションをし、改めてわたしに画面を見せる
「寧々ちゃんと類くん、トレンド入りしてるの!すごいね〜!」
画面を確認すると、SNSのトレンドの殆どがわたしたちのことだった
「わ、ほんとだ」
「全く、寧々はネットに関心がなさすぎるのではないか?」
そう言ったのは同じく高校時代からの友人で、ミュージカル俳優として活躍する天馬司
「興味ないわけじゃないってば。…ゲームの新情報とかは見てるし」
「そうではなく、同業者たちのSNSをチェックするためのアカウントも用意するべきだと言っている!」
「もう…うるさ」
「なに!?」
耳がきんとするような大声に、思わず耳を塞ぐ
「フフ、まあその辺にしておいて」
そう仲介したのは、舞台やミュージカルの演出家として活躍する神代類
わたしの幼馴染で、夫にあたる
「おめでたい日じゃないか、ねぇ、寧々」
彼はそう言ってわたしの肩を抱き、引き寄せた
「さりげなくイチャつくんじゃない!!」
「ラブラブだね〜!!」
「フフ、相変わらず退屈しないね」
それぞれ忙しくなってしまったが、会える時に会いたいと思える大切な仲間
「…ほんと」
ほんの少し口角をあげ、目を細める
わたしも、彼の体に身を寄せた
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