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そして何だかんだで始まった森田の新人研修。
「まず、客に対しては笑顔で接すること。そうしないとこの店には『無愛想な店』というイメージがついてしまう」
やってみろ、と続けると、森田は満面の笑みを向けてきた。
「…眩し」
「それ、褒め言葉で受け取っとくね」
その時、レジに客が並び始めた。
「さっき教えた要領で、接客してみろ」
たかが新人、と思っていた俺がバカみたいに思えた。彼女はされど新人と言うほどのスピードと態度で、客を次々に魅了し、接客していた。
こいつ……、やるな。
「こんな感じですか!?菱岡くん」
森田、そんな事は大声で言うな。俺と森田が仲良しみたいに見えるだろ。
とか思いつつ、俺は冷静に続けた。
「そうだ。後はこれの繰り返し。じゃ、俺は製作に行ってくる」
言い残して、俺はアトリエに向かった。