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黒
続きもの。
二次創作。本人様には関係ありません。
この空白を満たしてくれるなら誰でもよかった。
でもやっぱり、君がよかった、なんてさ。
足下に絡まる呪縛。
いつになったら抜け出せるのだろうか。
なにをしてもらっても、なにをもらっても、全部俺のほしいものとは違う。
欲しい人から本当に欲しい言葉を言えないし、貰えない。
誰でもよかったから、大好きって、愛してるって言ってほしかった。
そんな気持ちを抱えたまま、今日も空白の夜を歩く。
いつからこんなに愛に飢えてしまったのだろう。
思い出せないし、思い出したくもない。
だから俺は体を売って空白を満たす。
愛されるために。
愛された錯覚に陥るために。
狂ったように喘いだだけで俺のことを抱きしめてくれる。
大好きっていっぱい言ってくれる。
俺にとって夢の時間。
嘘の愛に溺れて、夢から醒めた時に地獄に落ちる最悪な時間。
愛をくれるなら、喜んでこのお金も人生も命も捧げる。
それで愛してくれるなら。
長い夜も、たった1人の時間も、こんな最悪な気持ちも、いつかは明けるのだろうか。
夜が明ける前に俺の心が壊れそうだ。
…本当は他の誰でもないたった1人、あいつがよかった。
ほんとは大好きって言ってほしい人がいる。言いたい人がいる。
高校生の時からの同級生で、友達。
俺なんかに優しくしてくれて、いつも一緒にいてくれて大好きになった。
でも俺は言えなかった。
そのまま離れて、ずっと片想いのまま。
諦めなきゃなって思えば思うほど毎日思い出す。
その空白を埋めるように体を売って堕落していく。
目が回る感覚がした。
最近咳と立ちくらみがひどい。巷では風邪が流行っているのだろうか。
寝れたら寝たいけど、色んなことを考えてたら結局いつのまにか時間が溶けている。
明日は寝よう。
いつもの橋の柵。朝には朝日が見える綺麗な場所。
もたれかかって、少し寝た。
今日も橋の柵にもたれかかって朝を待つ。
家はあるけど、帰るのもめんどくさくて、雨の日以外はずっとこうしている。
今日も明日も明後日も、一生同じ毎日が続くのだろうか。
愛に飢えたまま死んだように生きる。
こんな人生最悪だ。
死ねればいいのに。
…ああ。死ねばいいのか。
寝たはずなのに、貧血も咳もひどくなっている気がするし、心なしか息もしずらい。
名前も知らないおじさんに毎日会って、抱かれて、使い所もない金が増えていく。
お金で買えないものって本当にあるんだな、とつくづく感じる。
好きって言って欲しい。
抱きしめてほしい。
愛してるって言ってほしい。
全部、上辺じゃなくて心からの。
傷つけても、閉じ込めても、狂っていてもいいから、愛してるって伝えてほしい。
無理ってわかってるよ、俺だって。
夜の仕事で殴られたあざと傷つけられた傷痕が痛む。
全部、ただのストレス発散のくせに。
息苦しい。
ちょっと前からあった息苦しさと咳は治る気配すらなく、ひどくなっていく一向だ。
まあ、それで死ねるなら、解放されるならいいか。
「…っはぁっ…はぁっ…」
過呼吸みたいになる。
苦しい。
「っ、!」
…あれは…。
駄作。消すかも。