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もう死んだかな?
私は確かにとびおりたしあの高さなら確実に死んだはず、
けれど私の意識はまだあるし、どうなっているんだろうか?こうなったら確かめてみるか、私は恐る恐る目を開けてみた、
すると見覚えのある部屋に居た、私が子供の頃使っていた部屋そっくりなのだ、走馬灯?思いっきり頬をつねってみたが、ただただ痛いだけだった、夢や走馬灯ではなさそう、
どうなっているんだ、私はベッドから飛び起きた、もしここが私の部屋ならベッドの近くに大きな鏡があるはず、
実際本当に鏡が置いてあった、だがおかしい、鏡には
8歳程に見える子供が写っている、私は23のはずなのに、
けれどこのクリーム色のショートカットの髪、
琥珀色の瞳に、頭に生えている狼の耳
包帯を所々に巻かれているがどう見ても幼少期の私?!
「ウッソだろ!」驚いて思わず鏡を掴んで揺らしてしまい
思いの外大声で叫んでしまった、
私の大声を聞いたのかすぐに一人の侍女が部屋に慌てて入ってきた、「なにかありましたか!」そばかす顔に茶色の三編みで優しそうな顔をしている人、この人にも見覚えがある。
「あ、いや特に何も、ねぼけちゃったかな〜」
我ながら自分の大根役者っぷりに驚くほどだが、とりあえず誤魔化さないと、「そうですか、特に何もなくて良かったです」
安心したように一息ついている彼女は私の記憶が正しければ私専属の次女のモカだったはず、
「それより、もう動いて大丈夫なんですか?」
今度は不安そうな顔でこちらを見ている、
「‥何が?」こんときの私ってなんか病気だったっけ?
「覚えてないんですか?、木から落っこちて3日間も眠っていたのに」3日?今3日って言った?
嘘でしょ、木から落ちてそんな寝込むものなの?
「あ~、うんオボエテルヨ」どうしよう、一切記憶に残ってない
「まあでももう大丈夫だよ、元気だし」
実際体のどこも痛くは無いし。
「けれど、あまり過度な運動はしないでくだないね」
最近はめっきり忙しくて会話を出来ていなかったが、モカはこういう子だった、優しくて心配性だったな。
遊び盛りな10代のころの私や姉さんによく振り回されてたっけ、そういえばもしかしたらモカもいるし私縮んでるし、夢だとしたら姉さんにも会える?
「モカ!、今からすぐ姉さんに会うことって出来る?」
もしそうなら夢が覚める前に一度くらい顔を見たい。
「イリヤお嬢様ならすぐ会えると思いますけど、行ってみます?」
「その必要はないぞ」ドアのあたりから子供の声がした、
もし私の記憶が合ってれば姉さんはこんな声をしていた気がする、年の割には落ち着いた大人っぽい声色の姉さん、
「久しぶり、ニナ」ゆっくりと部屋に入って私のそばまで歩いてきたその子は確かに幼少期のねえさんだった。
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