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わ...わぁ...😇 やばい...好きすぎる...😭✨ でも普通に反応遅れたの悔しすぎる...😭もう奥さんったら、深夜に私にスマホ持たせるとろくな事にならないんだから、そこのところ少し配慮してくださいまし!
目を覚ますと、甘い香りがしていた。焦げる一歩手前のバターと、じんわり溶ける砂糖の匂い。
自分の部屋なのに、どこか知らない場所みたいで、胸の奥がざわついた。
キッチンに立っていたのは、王子だった。
エプロンの紐が少しゆるくて、袖をまくった腕に薄く粉がついている。
その姿を見ているだけで、なぜか泣きたくなった。理由はわからない。
☕️「起きたのか。」
彼が気づいて、ふわっと柔らかく笑った。
その笑顔も、どこか懐かしいのに、遠い。
🥞「なぜ王子が…ここに…?」
☕️「パンケーキを、焼いているんだ。彰人が好きだったんだ。」
そう言って、ひっくり返した生地が空中でふわりと舞う。
まるで、何かの記憶を呼び覚ますように。
🥞(俺が好きだったものを覚えて…?)
☕️「前にも作ったんだ。…彰人と一緒に」
彼は少し間を置いて言った。
☕️「…でも、あの時は全部ぐちゃぐちゃで、ふたりで笑い転げてた。
粉まみれになって、床にもバター落として。
が『こんなの料理じゃない!!』って怒りながら、結局食べてくれた。 」
思い出せないのに、涙がにじんだ。
笑いながら泣いているような光景が、ぼんやり脳裏に浮かぶ。
自分の声で笑っている気がした。
☕️「そのあと、彰人が言ったんだ。
“焦げてもいい。お前といっしょに作れたから美味しい”って」
彼は目を伏せて、少し笑う。
☕️「だから、また作ろうと思った。
記憶が戻るとかじゃなくて、…もう一回、最初から始めてもいいかなって」
皿に並べられたパンケーキは、形が不揃いで、少し焦げていた。
でもフォークを入れると、ふわっと湯気が立ちのぼって、甘い匂いが広がる。
☕️「是非食べてくれ。彰人ために作ったんだ。」
🥞(わざわざただの騎士のために…?)
そう思いながらも、この甘い匂いがそんな疑問をすぐに覆い尽くした。
🥞「…いただきます。」
一口食べた瞬間、胸がきゅっと締めつけられた。
懐かしい、でも遠い。
それでも確かに、心のどこかが「知ってる」と言っていた。
🥞「…美味しい、です…。」
やっと言葉が出た。
彼は小さく息をついて、照れたように笑った。
その笑顔を見て思った。
この味も、この人も――きっと、忘れていた大切な“日常”なんだ。
でも、安心感と同時に、違和感を感じた。
俺は本当にただの騎士、だったのか?