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ある日のこと
郵便物を部屋に乱雑に置いた状態で、グルッペンが報告に来た。
「…なぁ、それ闇オークションの招待状か?」
「あ」
そう言われて郵便物の束を見ると確かに混じっていた。
「…ごめん、別に行く気は無いよ。安心して」
「いや」
気分を悪くしただろうと彼の顔を見ると輝いていた。
「俺も連れてってくれ」
そして予想外の声に驚いた。
「…別に私は行きたくないんだけど」
これは本心だ、これ以上買う気もないし興味もない。
「お願いだ、丁度このオークションに行くつもりだったんだ。どうせなら正式なルールで入場したい」
だが思わぬ情報に思わずツッコんだ
「おいどういうルートで行く気だったんだ、これ私の身内だから開いてるの…って言っちゃった。」
あまり言いたくない事も言ってしまって、グルッペンの様子を見る
実はグルッペンらの出たオークションも身内開催の物である、なのでオークションに出る前に買わせてもらった。ちゃっかりしてるのだ私は。
「別に関係ない、なあ連れてってくれ!」
だがその感情とは裏腹にグルッペンは気にしてなかった。
喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか…。
私は罪滅ぼしのつもりで、
「… … …わかったよ」
「っしゃい!!!」
OKを出した。そして、当日…。
舞台のカーテンが開き、奴隷の紹介をされていく。
やはりというか、性というか…グルッペンは、
「…」
オークションに妙に見入っていた。
「嫌なら見ないほうが…。」
「なぁ、蝶使。もう二人ほど奴隷を買えないか?」
だが、唐突な発言に耳を疑う。
そうか…、新しい戦力が欲かったのか。
「…後輩か。う〜ん、私はいいけど…彼らが逃げても止めちゃ駄目だよ。」
奴隷を奴隷として扱うな、とグルッペンに伝える。だがやはりというか…彼からは安定した答えが出てきた。
「問題ない。あいつらは主人が違っただけで我々の一員なのだ、今の環境で逃げる理由が見つかる筈がない。」
良かった、仲間か。
グルッペンの目線の先は一つの折。
癖っ毛の強い男性とふわふわ髪の男性。
なんだろ…、どっちも整ってるから高そう。別にいいけど。
「カゴの一つに二人入ってるけど…あの二人でいいの?54番」
「あぁ。」
しかも仲間ってことは…、反乱軍だけど、国からは反乱軍としては捕まらなかった人間って事だ。
…相当脳が強いな、多分。
私は近くのスタッフを呼んで54番の二人を買った。
それはオークションに競り合う事はなく、サラッと裏へ引っ込んでいった。
「(別に買うって言っただけなのに、全く”お兄ちゃん”は優しいなぁ)」
そういえばグルッペン達の時もそんな感じだっけ、と思いながら私は会場を出た。
スタッフさんにグルッペンを執事と紹介し、グルッペンに一任することを伝える。
「じゃ、後は頼んだよグルッペン」
「あぁ、ありがとう」
「あと執事の衣装似合ってる。それじゃ」
私はその場で乗ってきた馬車に乗って帰った、勿論奴隷を買うかもしれないからもう一つ持ってきている。
多分グルッペンはそれに乗って帰えれるだろう。
私は内心…
もう牢屋無いから、あいつらがこっち住むならいっそ全員館に移すか…。
と考えていた。
だがその日はすぐに眠ってしまった。