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今日も出会った駄菓子屋に行く、隣にはドラゴンリュックの綴が後を付いてくる。この光景が日常になりつつある、綴は何もなければ変わった格好の女子に見える。それだけなら自分が興味を引くことはなかっただろう、どこか客観的な視点に観察力まるで探偵ドラマを体験している気分だ。雛千はまだ興味と言う一言で片付けているが、いつになったら綴への気持ちに気付くのだろうか。雛千たちが駄菓子屋に着く頃、自治会の集まりで老人たちが難儀していた。なにやら夏祭りの出し物がマンネリ気味らしく街起こしも兼ねているため適当には出来ないそうだ、そこにちょうどよく綴と雛千がアイスを買いに駄菓子屋の扉をあけた時だった。老人数人がこちらを見た、はっ!としたように仲間内を見直したと思ったとたんに大きく頷いた。パッキンアイスをおごってもらい二人で話を聞きながら奥歯でガリガリかじっていた、夏祭りでミスコンとミスターコンを開き告白をしよう!となったらしい。いやそうはならないだろっ!なんて突っ込むことが出来るはずがなかった、勝手に雛千と綴がエントリーされているのは祭り一週前にクラスメイトにいじられて知った。さすがに綴も驚いていたのが面白かった、前に綴のドラゴンリュックを投げ捨てた女王的女子、以下三海 萌仁香(みつうみ もにか)がミスコンに出るらしい。男子はネタにするためか出るらしい、祭り前日に綴が相談して来た。珍しいなと思いながら聞いて見るとミスコンの優勝景品が駄菓子屋でも使える商品券と知ったらしい、だが男の雛千に何故相談したのかと聞いて見ると肌が綺麗で眉も整えられているため美意識が高いからと真顔で言われた。何を隠そう雛千は母にメイクをする程メイクが好きなのだ、だが雛千がメイクを施すのはいいのか?と悩んだ結果快く快諾してもらった。夏祭り当日の昼、駄菓子屋に集まり雛千の家に行った。雛千の母と祖母が大歓迎でいつの間にか用意した浴衣を着せられていた、その間にメイク道具を済ませることになった。綴が着せられていた浴衣は白に荒いグレーの縦縞、裾に向日葵が描いてあった。帯が緑色で浴衣にもあっていた。見惚れてしまったのは言うまでもない、とりあえず髪をセットする事にした。綴はそこそこ長さがあったのでやりやすい、猫っ毛に見えてサラサラだった。三編みを円にまとめて薔薇の様にセットした、少し後れ毛を出して向日葵の浴衣と同じ簪を指してヘアセットが完成だ、次はメイクだが一番悩ましい。リップを赤みの強いカラーにしたら少し大人っぽいメイクになったそしたらこれが大正解だった、いつもと違う綴が色っぽく見えて鼓動が早いのが聞こえるほど大きかった。あとは自分の準備だがやはり母と祖母に浴衣を着せられた、黒色に藍色の斑模様と帯が白でお洒落だった。髪をセットして少しメイクをしてお祭りに向かった、そこそこ人が集まっている、この町の半分以上は来てると考えていた。ちょうど出店があったので綴と少し見ることにした、綴るは最初イカ焼きが食べたいと言っていたが、タレが浴衣に付くことを心配して止めた。とうとう夏祭りが本場に差し掛かった時雛千と綴は会場によばれた。
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この話は前半です、次回作をお楽しみに。読んでいただきありがとうございます