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次の朝。朝日の光が静かにリビングへ差し込んでいた。
私は、まだ眠っていた。
末澤さんの胸に寄りかかり、彼の腕に包まれたまま。
そんな中……
《ただいま〜……って、えっ?》
一番早く帰ってきたのは小島健だった。
リビングへ入った瞬間、動きが止まった。
続いて佐野晶哉。
〈……は?ちょ……どうなってるん……〉
その後、リチャード、良規、大晴がぞろぞろ帰宅してきて……
{え、え、え、なになになに!?なんで仲良く抱き合って寝てんの!?}
リビングの入り口で男5人が同時に固まった。
ソファで眠る二人の姿は、どう見ても“恋人同士”のそれだった。
部屋の空気がざわつき始める。
〈……っ〉
晶哉は思わず拳をぎゅっと握った。
なんなん、この気持ち……。
胸の奥がじりじりして、目をそらせない。
好きな如月ちゃんが……
自分じゃなく、誠也くんの腕の中で眠ってる。
〈なんで……こんなにイラつくんやろ……〉
息が詰まる。
自分でも抑えられない感情が胸を満たしていく。
……これは嫉妬だ。
晶哉は薄々気づいていた。
そして……
{いやいやいやいや!!ちょ、ちょっと待って!!なんで如月ちゃんが誠也くんと!?}
大晴が真っ赤な顔で大騒ぎする。
〔……大晴、声でかい。落ち着けって。〕
リチャードが呆れた顔で肩をすくめる。
{落ち着けるかい!!だってオレ……オレだって……!}
大晴はハッとして口をつぐんだ。
その一瞬の迷いを、晶哉は見逃さなかった。
〈……大晴くんも、か〉
2人の視線が交差する。
静かに、しかし確実に火花が散った。
その時……
【……大丈夫や。俺が居るから……】
誠也が寝言を言いながら、抱きしめる腕をさらに強くした。
〈チッ……〉
{うわぁぁあ!!なんか余計ムカつく!!}
晶哉も大晴も、完全に顔が曇る。
《あー……これは、波乱の予感やな……》
健が小声でつぶやく。
〔嫉妬組が2人……めんどくさ……〕
リチャードが眉をひそめる。
『如月ちゃん、これからどうするんかなぁ……』
良規は腕を組み、静かに二人を見つめていた。
リビングに流れる複雑で張りつめた空気。
やがて、二人が目を覚ますまで……
5人はただ、黙ったままその光景を見つめ続けていた。