TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

遠ざかる君

一覧ページ

「遠ざかる君」のメインビジュアル

遠ざかる君

1 - 1、出会い

♥

42

2023年10月30日

シェアするシェアする
報告する

1.出会い

今日は大学の友達、陽斗とハチ公前でライブの待ち合わせをしている。

「近々推しのライブがあるんだけど一緒に行こう!」と半ば強制的に行くことになった。まぁ暇人な僕からすればうってつけな予定だった

「おまたせ」

遅れて登場した陽斗のおでこは少し汗ばんでいた。遅いよと、怒ろうとした時

「時間ないから早く行くよ!」

僕の手を掴み走り出した。「「時間通りにこれば」」と思ったがそんなことを言える余裕もなかった

ライブ会場に着くと最前列に行き陽斗はカバンからペンライトとうちわを取りだした。「はい」と何も持っていない僕にペンライトを1つ貸してくれた。お礼を伝えようとした時、辺りが暗くなりポップな音楽が流れ出した。

「みんなー!今日は○○のライブに来てくれてありがとう!」

可愛らしい声が聞こえてきた。観客は「うぉぉぉぉ」と大きな声でペンライトを振り出した。陽斗に至ってはジャンプしていた。すごいなぁと思いつつ出てくるのを待っていた。

ピンク、水色、紫、白で構成された四人グループだった。歌う前に自己紹介があるらしい。初めて来た僕からすればありがたい。

ピンクの子は「ゆめの」と言うらしくツインテールでふわふわした子だ。

水色は「セレン」少し強気な子だ。陽斗の推しらしい。

紫は「しすい」1番人気なのか3人の中で歓声が1番大きかった。

最後に白色の子は「しを」弱々しくあまりパッとしない子だ。陽斗が言うには最近入ってきた子らしく人気もあまりないそう。

歌に入るとステージが暗くなり、決まっている立ち位置に立っていた。ステージが明るくなると、歌が始まった。「しを」という子はステージからみて左端で歌うパートも少なかった。他の子達より動きが硬いが一生懸命なのが伝わった。そんなしをに目線がいった。しをはその視線に気づいたのか、僕の方を見て優しい表情で笑ってくれたその時僕の心は撃ち抜かれた。なんとなく紫色にしていたペンライトを白色に変え振り続けた。

ライブが終わった後、アイドルたちは舞台袖に戻り、しばらくしてから握手会が始まった。しをの列には6人くらいしか並んでおらず僕はしをの最後尾に並んだ。しすいの列を横目に順番を待っていた。順番が近づくにつれて僕の心はドキドキと音を鳴らした。僕の番が来ると、横にいたスタッフが20秒タイマーをセットした。しをは僕の手を掴んでくれた。少し温かく小さな手だ。何も言うことを考えていなかった僕に、「は、初めて来てくれましたよね…?」と小さな声で話してくれた。「あ、はい!しをさんの可愛らしい声と踊り方に心が惹かれました!」ほんの数秒しをの惹かれたところの話をした「ありがとうございます!また来てくれると嬉しいです」「も、もちろんですまたっ…」「時間でーす」スタッフが僕の肩を掴みしをの手を剥がした。しをは最後に手を振ってくれた。

陽斗に「どうだった?初めてのライブ」と聞かれ僕は「まぁ、別に普通」と答えた。顔に出ていたのか「また行こうな!」少し笑いながら言われた。


1話終わり。

この作品はいかがでしたか?

42

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚