テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「晩飯、持ってきたぞ……。大丈夫か?」
入り口で相変わらず片手に木のトレーを持った主炎が眉間にシワを寄せた。
少しマシになったとは言え、未だ咳は続き、熱を出している。
だが、この程度だろ?
この程度なら誰も何も言うまい。
なのに、何故コイツは俺に『大丈夫か』と問いかけるんだ?
疑問に疑問がのしかかり、何度思考を巡らせようが意図が理解できない。
「大丈夫、ですよ?」
あまりの戸惑いに、少し疑問符がついた気がするが、気の所為としておきたい。
「そう、か」
その一言だけを残して、主炎は机に晩飯を置くと、早々に部屋を後にした。
逃げられた。
晩飯は要らないと言いたかったのだが…。
正直今は食欲と言うものが無い。
食べなくても良いか。
そんなふうに自己完結をして、俺はもう一度温かな毛布で身を包み、夢の底に身を投じた。
それから数日が経った。と言っても、片手で数えられる程だが…。
俺が食事を拒否すれば、主炎は雷に打たれたかのような表情をする____と言っても、少し目を見開いて、眉間にしわを寄せるだけだが…。そしてその後、「食え。食えるだけ食え」と真顔で迫ってくるもんだから、食べるしかない。
そのおかげなのかどうなのかは解らないが、俺の体調は本の少しづつだが、回復の傾向にあった。