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めっっちゃくちゃ面白いです……!!!こんなに続きが気になる小説久々に出会いました😭😭最終的にどことどこがどうくっつくのかが楽しみでなりません😌😌
タクナオとナオリュキがみたいです
続きが気になりすぎるぅぅぅ まさかのエイナオが前に付き合ってた同士だったとは、過去も気になるし今後どうなるんかもめっちゃ気になるぅ マンネたっくんの続きも待ってるぞぉ(っ ॑꒳ ॑c)
(RAN視点)
セイトさんが絶句して俺達を見た時、無意識にカイリュウの手を強く握っていた。
カイリュウが今にも泣きそうな顔をして、俺の名前を呼んで。
咄嗟に抱きしめたら、背中に手が回ってきて。
俺を、必要としてくれた気がした。
ナオヤも、セイトさんも、それぞれに抱えているものがある事は察していた。
カイリュウが、それを全て、1人で抱えようとしていたことも。
“ランがいてくれて、よかったなって思ってん”
あの言葉が、嬉しそうな顔が、ずっと突き刺さっていて。
誰が、どう、何を思っていたとしても、
俺は、カイリュウに笑っていてほしかったから。
泣きそうな目を見つめていると、胸がぎゅっとなって。
自然と、顔を近づけようとしていた。
「っ、せい……っ、」
セイトさんが出ていくのを、複雑な顔で見つめるカイリュウ。
ねぇ。カイリュウ。
これ以上、辛い思い、せんでよ。
「……カイリュウ、」
「……っ、…ラン、…ごめん、おれ…っ、」
「まさか行こうとしとらんよね?」
「…え…、」
ずっと外を見ているカイリュウに、そう言うとゆっくりと俺の方を向いた。
「行ってどうすんの?」
「っ…、そんなんわからへんけど、このままでおれへんやろ…っ、」
「……行かないでよ、」
「え…、」
「行かんで。カイリュウ、」
「っ……、」
なんで、いつもそうやって、人の事ばっかり大事にすんの。
もっと自分を、大事にしてよ。
そんな気持ちをぶつけるようにカイリュウを見つめていると、店に誰かが入ってくる足音が聞こえ、反射でそっちを向いた。
「っ、カイリュウ…、」
「…っ、ナオヤ、?!」
久しぶりに見たナオヤの姿がそこにあって、弱々しいその声が心配になったけど、来てくれた事にそっと安堵した。ナオヤの姿を見た瞬間、カイリュウは立ち上がって近付いていく。
「ナオヤっ、お前、今まで何しててん…っ、」
「……っ、ごめん、ごめんな、?カイリュウ…、体調、大丈夫なん…っ?」
「……え、?」
「ランちゃんが教えてくれてん、」
「っ、ラン、お前…っ、」
「…カイリュウが心配やったけん。」
ナオヤの言葉にカイリュウが振り返って、俺を見た。
俺がこっそり、ラインしたのをちゃんと見てくれたんやな。
「カイリュウ、……ほんまにごめん、今日は帰って、ゆっくり休んで。」
「…お前、大丈夫なんか、?」
「……なにがっ?大丈夫やから来てんねん、」
「…ほんまかっ、?ほんまに、だいじょ…っ、
「っ、ええから自分の心配してよ!」
「っ、…」
少し声を荒らげてそう言ったナオヤに、カイリュウが怯んだ。
何があったかまでは分からないけど、いつも優しくて、
柔らかく接してくれるナオヤの初めて聞いたその声に、いっぱいいっぱいな雰囲気を感じ取って、2人にそっと近付いた。
「……ナオヤ、?…来てくれてよかった。カイリュウも俺も、ずっと心配しとったんよ、?」
「っ…、ごめん、ランちゃんも、ほんま、…ほんまにごめん、……ナオ、最低やんな…っ、ナオのために、頑張ってくれてたのに、」
弱々しく、申し訳なさそうに、涙目になりながら俯いてそう漏らすナオヤ。
唇を噛みながら、そんなナオヤを見つめるカイリュウ。
2人の間に、相手を想う絆がある事が伝わってきて、何も言えないでいるとカイリュウがゆっくりと口を開いた。
「……お前こそ、自分の心配せぇよ、」
「…えっ、?」
「……また、お前が、前みたいになってもうたらって、俺…っ、」
「っ、…」
何かを確かめあうように、2人が見つめ合う。
……俺は知らない、何かがあるのか、
気になったけど、今は俺が出ていくところじゃない。
「っ、……カイリュウ…、…大丈夫やから、…今は体調の事考えてよ。……今日は、帰って。お願い、」
「……っ、わかった、今日は帰らせてもらうわ。……けどお前、明日は絶対来いよ。」
「……わかってる。」
ナオヤの肩を心配そうにポン、と叩いて、俺に向き直るカイリュウ。
「……ラン、……今日はほんまに、ありがとうな、」
「っ、……気をつけてね、」
「おん、」
少しだけ微笑んで、俺にも肩を叩いてくれた。
内心、あの時、顔をお互いに近付けたことを、カイリュウはどう思っているのか、帰っていく背中を見つめながら少しだけ気にしていた。
……………………
「……ランちゃん。ほんまに、ライン、ありがとうね。」
カイリュウが帰った後、2人で洗ったグラスを拭いていると、ナオヤがそう話しかけてきた。
「……うん、来てくれてよかった。」
「もう、ライン見た瞬間飛んできてん、」
「……カメラマンの方は、?大丈夫やったん、」
「…あぁっ、うん…ちょうど、終わった時やったから…」
まだちょっと申し訳なさそうなナオヤに、聞いていいのか分からなかったけど、この間海で見かけた事を直接聞いてみることにした。
「……ナオヤ、…俺、見たよ。……海で、ナオヤのこと。」
「っ……、そっか。……ごめん、カイリュウには黙っててくれへん…?」
グラスを拭く手を一瞬止めながらも、俺を見ずにそう言うナオヤ。
「……なんで、あんな事してんの。」
「えっ、?」
「…ナオヤって、セイトさんのこと好きなんやろ、?」
「っ…、……好きやで、」
「そうなら、セイトさんとちゃんとぶつかったらええやん。」
「っ、……そんなの、できるんやったらしてんねん」
「できるやろ」
「っ、できんねん、!どうせっ、…セイちゃんは、カイリュウが好きなんやから…っ、」
「え、?」
拭いていたグラスを置いて、声が震えだすナオヤ。
「っ……言われたねん、セイちゃんに。……カイリュウが、好きやって、」
「……っ、…それで、避けとったん、?」
「……ごめん。最低やってわかってんねん。でも、……ナオ、こんなん初めてで、……それに、……」
「……それに、?」
「っ……さっき、……キス、してもうてん、セイちゃんに。」
「……え、?」
「あははっ、…ほんま、引くよなぁっ?……本気やと思ってたのに、結局手出して。……やっぱりナオって、根っからの遊び人やねん。……こんなの、好きになってくれるわけないやんな……っ、?」
ナオヤの目から、ぽろぽろと涙が零れていく。
自分に呆れるように笑いながら、顔を手で拭っていた。
その顔は、どこか混乱しているように見えて。
「……ナオヤ…、?」
「あ、ごめんね…っ、?なんやろなぁ、これ…っ、なんか、止まらへんくて…っ、」
心配になって顔を覗き込むと、焦ったように取り繕うとする。
遊び人、…だって言うなら、そんな涙出んやろ。
「……なんで、それが遊び人になんの?」
「っ、えっ…?」
「……本気だから、キスしちゃうこともあるだろ。」
「っ……ランちゃん、?」
ナオヤに言いつつも、カイリュウに自分もそうしてしまいそうになった事を、ふと考えていた。
「……ずっと、逃げるつもりなん、?…キス、しちゃったんなら、余計に向き合うしかないやろ?……俺は、カイリュウのためにも、そうしてほしい」
「っ、……ランちゃんって、…」
「なに、?」
「……っ、ううん。なんでもあらへんよ…っ、?」
少し涙が収まった様子のナオヤは、なんだか小さく笑いながらまたグラスを拭き始めた。
***
(SEITO視点)
ナオが立ち去ってから、動揺して暫くそこに立ち尽くしていた。
カイリュウと、ランが、顔を近づけ合って、
あのまま俺が来なかったら、きっと、唇が重なっていた。
やっぱり、2人の距離は、俺が思っていたよりもずっと近付いていた。
カイリュウとは、ほんまに関わり始めてすぐに仲良くなって。
俺と話すと楽しそうで、俺も楽しくて。
いつからか、楽しそうに笑うその顔を、独占したいと思うようになって。
できるだけ近くに、長い間傍に居たくて、仕事だって調整したりした。
でも。
……仲良く、なりすぎたんかな。
そんな後悔が、急に押し寄せた。
傍にいれば、意識してもらえると思ってた。
でも、カイリュウからは友情以上の感情を感じ取れへんくて。
ランが現れてから、
2人が、惹かれ合っているような気がして、勝手に焦って。
キス、しようとした。
タイミングが悪すぎた。
そう思おうとした。
……でも、ほんまは少しだけ分かってた。
俺がキスしようとしても、故意に触れてみても、
多分カイリュウの中で、俺はずっと友達のままで。
俺が頭を撫でた時、複雑そうな顔をしていた。
ランが、カイリュウの腕を掴んだ時、
カイリュウが必要としているのは、ランなんじゃないかって、少しだけ、感じてしまった。
譲らへんって、思ってたのに。
カイリュウが望んでへんのに、そんなの、意味ないやろ。
そう、思うのに、
全然、諦めることなんてできひんくて。
絶望して、胸が苦しかった。
そこにナオが現れて、久しぶりにナオに会えて、
ずっと心配していた気持ちが前に出たけど、
すぐに頭の中には2人の事が浮かんできて。
かっこ悪く、涙なんか流したりして。
“ナオは、セイちゃんしか見てへんよ”
“ナオにして。ナオにしてよ”
そんな言葉が聞こえてきて、理解が追いつかないまま、
ナオに、キスをされた。
……ナオは、出会ってからずっと、俺に懐いてくれていて。
愛嬌があって、どこか危なっかしくて、なんとなく放っておけない存在だった。
初めて、俺に甘えてくれなかった事は、正直寂しくて。
なんで頼ってくれへんの、って、悲しくて、珍しく感情を剥き出しにして怒ってしまった。
でも、キスをされて、困惑した。
俺がナオに向けている感情と、違ったから。
俺以外にキスをしようとしていたカイリュウと、
俺にキスをしてきたナオで、
頭の中が、ぐちゃぐちゃになった。
混乱したまま、車に乗り込んで、
しばらく、何も考えられないまま、海を眺めていた。
***
(RAN視点)
朝、海の家に着くと、まだ誰も来ていなかった。
荷物を置いて、ふと、昨日カイリュウを座らせた椅子に視線をやった。
カイリュウ、体調大丈夫かな。
……あの時、何を、思ってたんやろう。
「ラン、おはよ、」
「っ、あ、おはよう…っ、カイリュウ、」
そんな事を考えていると後ろからカイリュウの声がして、振り向いて挨拶を交わす。
なんとなく緊張しながらも、声を掛けた。
「カイリュウ、体調は大丈夫…?」
「おん。昨日休ませてもらったし、もう大丈夫や。ありがとうな、」
「そっか…、なら良かった。」
「……ごめんな、ラン。」
「ん、?なにが?」
「なんか、…みっともないとこ見せてもうて……昨日の事は、恥ずいし忘れてや、?」
「……え、…」
“忘れてや”
カイリュウのその言葉に、もやっと、心の中で何かが引っかかった。
「……おはよう、」
セイトさんの低い声がして、2人で声のした方向を見た。
「っ、……セイト、…っ、おはようさん…、」
「…おはようございます、セイトさん、」
ぴし、っと、少しだけ張り詰めたような空気が流れるも、セイトさんがゆっくりと口を開いた。
「……昨日、ごめんな。……なんか、変なタイミングで来てもうて。」
「…っ、…別に、そんなことあらへんって。……な、?ラン、」
「っ、…」
多分、無理しているセイトさんと、セイトさんを困らせまいとするカイリュウ。
カイリュウがまだ、セイトさんを守ろうとするその姿に、なぜか苛立ってしまった。
結局、カイリュウの中では、セイトさんが大切なんだと、そう感じると抗いたくなって、上手く言葉が出てこなくて、返事を出来ずにいた。
「……おはよっ、みんな。」
「ナオヤ…、ちゃんと来たんやな。」
「…ごめんね、ずっと来られへんくて。」
セイトさんの後ろに、ナオヤの姿が見えて、カイリュウが安堵したような表情になる。
みんなの視線がナオヤに集中すると、戸惑いながらもカイリュウに話し掛けるナオヤ。
「…カイリュウ、体調は大丈夫?」
「おん…、」
「なら、よかった…っ」
「…ナオ、」
「っ、…ランちゃん。セイちゃんと、荷物運んでくれるっ?」
「えっ?…あ、うん…、」
セイトさんが呼んだ声を遮るように、俺にそう指示をすると、カイリュウに向き直った。
「カイリュウ、開店準備お願い。ナオ、在庫確認してくるなっ、?」
「……、あ、…おん…っ、」
「……っ、ナオ、」
「っ、…行ってくるね、」
そのままセイトさんを避けるように、ナオヤは調理場に消えていってしまった。
……やっぱり、向き合う気、ないんかな。
そう心配になりながらも、荷物を運ぼうと手をつけた。
***
(SEITO視点)
正直、今、カイリュウとランを見る事は辛かった。
けど、仕事上、会わないわけにもいかない。
無理矢理自分の感情を押し殺して、昨日の事に触れると、少し俺の事を庇うような態度を取ったカイリュウ。
そんな姿を見ていると、やっぱり、まだ、諦めきれたわけじゃないと自覚する。
2人にモヤモヤしていると、ナオが現れて、また違う感情が動かされた。
顔を出してくれた事に安心した気持ちと、昨日のあれは何だったのかと気になる気持ち。
「…ナオ、」
「っ、…ランちゃん。セイちゃんと、荷物運んでくれるっ?」
「えっ?…あ、うん…、」
名前を呼ぶ俺の声に、反応してくれないナオ。
もう一度呼んでも反応してくれず、そのまま調理場へ行ってしまった。
……なんで。なんやねん。
あんなに、今まで、セイちゃんセイちゃんって、毎朝近寄ってきてたくせに。
突然消えて、連絡も取れなくなって、かと思ったら、いきなりキスしてきて、ナオにしてよ、なんて。
意味、わからへんやろ。
ちゃんと、教えてや。
「……セイトさん、?大丈夫ですか、」
ランの声に、ふ、と我に返る。
「……あ、…ごめん、」
荷物を持ち、奥へと運ぶランの背中を眺める。
ナオの態度も気になるけど、……ランが昨日、カイリュウにキスしようとしたことも、やっぱり気になってしまう。
「……ラン、……昨日、さ……」
聞こうとしたけど、そこまで言って、聞くのが怖くなる。
「……、カイリュウが、ふらついて。座らせたんです。それだけなんで。」
「……え、?」
俺の表情と、”昨日”という言葉で察したのか、なぜか少しだけ拗ねたような口調でそう返してくるラン。
「……そんな風には見えへんやったけど。」
「……まぁ、俺は、そうだったかも。」「え……?」
「……荷物、これで終わりなんで、俺あっち行きますね」
「っ、…」
そう言って、俺の元を離れていく。
ランの気持ちは、確実にカイリュウに向き始めている。
……さっきのカイリュウの態度だと、俺を蔑ろにはできないという感じだった。
でも、ランには、どうなんやろう。
“俺は”、という、ランの言葉に、カイリュウの気持ちはまだ定まってないのかと、少しだけ縋るような気持ちになってしまった。
そんな事を考えながら荷物を運び終え、調理場に視線をやると、一人で作業をしているナオが目に入る。
……やっぱり、ナオとも話したい。
足が勝手に、ナオの方へ向かう。
「……ナオ。」
手を動かしているナオの後ろ姿に呼びかけると、ぴく、と小さく肩を跳ねさせた。
「……、あ、セイちゃん、終わった?」
俺の方を見ずに作業を続け、口だけでそう言うナオ。
「…っ、ナオ、……ちょっと話さへん、」
「……、ごめんな?朝はやること多いねん、ほら、サボってた分、働かんとなぁ、?」
「……サボってたん?」
“サボってた”
その言葉に驚いて、聞き返す。
……カメラマンの仕事、忙しかったんとちゃうん。
話、ちゃうやんけ。
やっぱり、なんかおかしい。
なんで、言うてくれへんの?
「っ、……あ、いや…、」
ぴた、と一瞬ナオの手が止まり、少し焦ったようにまた手を動かし始める。
「…カメラの仕事、忙しかったんとちゃうん。」
「…っ…、」
「ナオ。」
何も言ってくれないことが悔しくて、思わずナオの腕を掴んだ。
「っ……じゃあ、どんな顔して、来たらよかったん。」
「え…、?」
小さく、少し震えたような声で、そう呟いた。
「……っ、…ごめんなぁ?昨日、キスなんかして。なんか、…セイちゃん、泣いてたから、…咄嗟にっていうか。なんでもないから、あんなの。」
なんだか俺を突き放すように、そう言った。
……そんな感じや、なかったやん。
なんやねん、なんでもないって。
なんでもないのに、キスなんてせえへんやろ。
……それに、あの言葉は、なんやってん。
「…っ…俺のことしか、見てへんってのは?」
「っ、……なんか、雰囲気で言ってもうてん。……それより、カイリュウと話さんでええの。ランちゃんに取られてまうで。」
俺に腕を取られたまま、ずっとこっちを見てくれないナオ。
今までの甘えたような口調とは違う、どこか冷たくて、どこか、何かを悟ったようなその口ぶりに、なぜか少しだけ苛立つような、焦るような気持ちになる。
「……っ、…ナオ、…俺の方見てや、」
「……、離してっ?ナオ、忙しいねん、」
「ナオ…っ、なぁ、」
「っ、…配達、終わったんなら、帰って。」
帰って。
そう言われて、ギュッ、と胸が苦しくなった。
今までやったら、俺が帰ろうとすると、もっとおってやぁとか、え〜もう帰るん?とか、腕を掴んできて、擦り寄ってきたくせに。
俺が、腕を掴んでいても、見向きもしないナオに、酷く動揺して、力無く手を離した。
「っ……、わかった。」
ナオの背中を少し見つめるも、今は、そう言って、立ち去ることしかできなかった。
***
「……セイト、なんか元気ないね。なんかあった?」
会社に戻り、廊下の自販機の前でボーッとしていると、通りかかったエイキに声を掛けられた。
「……あぁ、…いや、」
「………海の家のこと、?」
「……まぁ、…おん、」
「…こっち来て。…座って。」
近くにあるベンチにエイキが腰掛け、トントン、と隣を叩いて俺を呼び、そこに座ると顔を覗き込まれる。
「……何かあったの?」
「………うん、まぁ、ちょっとな、」
「……カイリュウのこと?」
「…え、?」
そう聞かれて、カイリュウとランの事より、ナオに冷たくされた事を考えていたことに気付く。
……まぁ、つい、さっきの事やし、ショックがでかかったからかもな。
「……それも、あるねんけど、」
「……なに?」
「………ナオが、……ナオ、に、」
「…………ナオ、?」
カイリュウの事だと思っていたのか、俺がナオと言い始めると、間を置いて少し驚いているエイキ。
……カイリュウと、ランの事も、言ってまおっかな、、
口にするのは正直キツいけど、聞いてほしい気持ちもあった。
「………いや…、…実はな、…カイリュウと、…ランが、……キス、しようとしてるとこ、見てもうてん……、」
「……え…っ、?」
「っ……両想いかは、まだわからへんねんけど…、ランは、カイリュウの事が好きなんやと思う、」
「諦めんの?」
「……それは、……まだ、…決めきれへん、」
「……カイリュウがまだわかんないんだったら、諦めんなよ。」
「……うん…、そうやねんけど…、」
「………まだ、なんかあるん、?」
「……、それ、見た後、ナオに会ってん。」
「………来たんだ、ナオ。」
「…たまたま、砂浜で会うてん。……それで…、」
「………それで、?」
「………2人が、キスしそうなとこ、見たって言うたら、……ナオは、セイちゃんしか見てへんよって、……ナオにしてっ、て、……言うてきて…っ、……キス、されてん、」
「………、うん…それで、?」
「…え、?驚かへんの、?」
「驚いてるよ。…続きは、?」
やけに冷静なエイキに思わず突っ込んでしまいながらも、話を続けた。
「……その話、さっきしようと思ってナオに話しかけてん。……でも、…いつもやったら、俺に甘えてくるくせに、……なんかめっちゃ冷たくて。……キスも、あんなのなんでもあらへんとか、……俺しか見てへんって言うたのも、咄嗟に出ただけやとか、……全部、かわされてん。…それ以上、言うてくれへんくて、…帰ってって、言われてもうて。……俺、どうしていいかわからへんくて…」
そこまで言うと、少し考え込むように、真剣な顔で思い詰めるエイキ。
その様子に、こんなこと言われても困るよな、と焦って声をかける。
「……ごめん、急になんか変なこと相談してもうて。自分で整理するわ…、」
「………ナオの、言葉通りにしたらいいと思う。」
「…え、?」
「………ナオは、本気にならないから。深く考えなくていいよ。」
「……なんでそんな事わかんねん…、?」
いつも優しくて熱いはずのエイキから、らしくない冷たい言葉が聞こえてきてびっくりする。
俺が疑問で返すと、少し間を置いて、俺の方に真っ直ぐ向き直るエイキ。
「……セイト、今、色々混乱してるから、……こんなこと言われてもついてこれないかもやけど…、」
「……え、?な、なんやねん…、?」
なんだか改まって、何かを言おうとするエイキに少し身構えていると、ゆっくりと口を開いた。
「………俺さ、……昔、ナオと付き合っとったんよね。」
「……………え、っ、?」
予想もしていなかった言葉を放たれて、意味を理解するのに、少しだけ時間がかかった。