テラーノベル
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†††
それぞれの執事達の部屋では─
1階執事室
「ベリアンさんは知っていたんだな…主様とアモンさんの事。」
バスティンはベッドに腰掛け、話し出した。
「…えぇ。最初は私もかなり取り乱しました。主様の事をずっと想い続けて居ましたから。」
そう言って2人はベッドに潜り込んだ。
(…主様…悪魔化から救って頂いた時からずっと、俺は主様の事が…)
(主様…幸せになって下さい。私は貴女のお側に居られるだけでも幸せなのですから…)
3階の執事室
「ルカス様!納得いきません!僕は主様が好きなのにっ…主様が居なくなっちゃったら僕、どうしたら良いのか…」
「ラムリ!…ベリアンさんも仰っていたでしょう?主様がお決めになった事です。どうしようも出来ない事くらい分かるでしょう?」
「…ナック。んなの分かってるよ!だからっ」
ラムリとナックの間にルカスが入り込み、喧嘩を仲裁した。
(…主様…何でローズ君なの?僕の事、好きじゃなかったの?)
(…主様はアモン君が好きだと仰った。こういう時、感情を全部出せるラムリが羨ましいです…)
(…主様、頑張りましたね。後は皆が乗り越えなければなりません。)
地下の執事室
「ミヤジ先生。結婚は想像はつくのですが、ご懐妊とは何でしょうか?」
「ラ、ラト!?」
フルーレはそんな事も分からないのかと驚くが、ミヤジは丁寧に説明した。
「…ふむ。では、主様はアモン君との子供をお腹に宿しているという事ですか…それなら、私も主様との子供が欲しいです。」
ラトの奇想天外な発言で、ミヤジとフルーレは尚も驚かされるが、そういう事は出来ない事を懇切丁寧に説明した。
ラトは主の事をすぐに諦めがつくはずもなかったが、ひとまず今日は寝ようと3人ともベッドに潜り込んだ。
(…主様、私は主様が欲しいんです…じゃないと私は…)
(主様とアモンさんが結婚…しかも妊娠まで。俺だって主様の事…)
(ルカスは知っていたのか…診察しているなら当然か…主様、私は…)
別邸1階執事室
「…ひっく…主様ぁー…俺だって、俺だって…」
テディはひたすら泣き続けていたため、ハナマルとユーハンは泣くに泣けずに居た。その声があまりにも大きかったのか─
“黙れ!“という声が執事室に響いた。
「シロ…言い方がいつも以上にキツイ。」
シロとベレンが2階から降りてきた。テディは驚いて、涙は止まりまるで怒られた子犬みたいになってしまった。
「…ふん。今、我は機嫌が悪い。…騒ぐなら他所でやれば良いであろう。」
そう言ってシロが2階に戻っていく後をベレンは追いかけた。
(主様…俺だって主様の事が好きなんです…)
テディはベッドに潜り込み、再び涙を流し始め、ハナマルは隠していたお酒を和室で飲み始めた。
「ハナマルさん!?何処に隠し持って居たんですか?」
「今はそんな事気にしないの!…ユーハンも一緒に飲もうや!なっ?… 主様とアモンの事、何となくは気付いてたんだがなぁ、こう正面から言われるとキツイわ…」
(主様…俺だって主様の事が好きなんだよ…)
ハナマルも涙を堪えきれず、頬に涙が伝っていった。それを見たユーハンはハナマルの隣に座り、ハナマルからお酒をもらった。
(主様に命を救われたあの日から私は…)
別邸2階執事室
「シロ!テディ君に当たるのは…」
ベレンが話そうとしたが、またもや黙れ!と一蹴し、聞く耳を持たなかった。シロはベッドに潜り込み、思考を巡らせていた。
(…あやつは我ではなくアモンを選んだというのか。気に喰わん…)
ベレンは溜め息をつきベッドに潜り込んだ。(…主様がアモン君の事が好きな事くらい、分かってたのにな…)
それぞれの執事達が皆、主を心酔していた。心優しく、純粋で、とても傷付きやすい心を持っていた…だからこそ自分が守らなきゃと皆が思っていたし、想っていた。
でも主が選んだのは、自分ではなく他の執事だった。主が皆の前で宣言した以上、これが覆る事はないだろうと皆が思った。
それでも皆は主からは離れる事は出来ない。主が自分のものにならなくても、側から離れる事の方が身を裂かれる思いをする事になると、確信しているからだ。
†††
しばらくの間、皆の心が癒えるまでは、主の世話はメインはアモンがやる事になり、ベリアン、ルカスで補佐に回る事にした。
主は窓の外を見つめボーッとしながら、自身のお腹を擦っていた。ベリアンが淹れてくれたノンカフェインの紅茶を一口飲み、向かいに座るアモンと目が合うとアモンから話しかけて来た。
「…少し、散歩するっすか?」
「うん。最近、歩いてないしね!」
主はアモンに手を引かれ、庭に出た。最近は眠たくてずっと寝ている事が多かったため、久しぶりに庭に出た主はアモンが育てている花の香りを楽しんでいた。
「◯◯さんは本当にお花が好きっすね♪」
「…私が好きなのは、アモンが育てたお花が好きなの。ここに咲いてるお花はとても綺麗に咲いて、良い香りがする、…アモンが育てるお花はみんな嬉しそうだから。」
アモンが丹誠込めてお花を育てている事をずっと見てきた主だからこそ言えるのだろう、アモンは主の言葉に、今まで庭師をしてきて最高の褒め言葉をもらった気がした。
「…◯◯さんは本当に、最高の俺の彼女っすね。あ、もう婚約したから俺の奥さんっすね♪」
アモンはイタズラな顔をして主をからかいながら、自身の照れ隠しをした。
主とアモンは自然と手を繋ぎ、裏庭の方にも回っていく。すると、アモン以外の2階の執事達が揃っていた。
キーン!!
刀同士がぶつかり合う音が聞こえてきた。模擬戦をしているのだろうか…それにしても模擬戦とは思えないくらいの気迫で3人とも刀を振るっていた。
結果はハウレスが勝った。3人とも肩で息をしていて、汗もたくさんかいている様子だ。
「ハァっハァハァっ…クソ!ハウレスもう1回だ。」
「ま、待てボスキ!」
ハウレスは上手に剣で交わしていく事が気に食わなかったのだろう、ボスキは必死で剣を振り回す。
フェネスは息を整えて居る時─
「…!主様。お帰り、なさいませ。すみません!こんな汗まみれの状態で…」
フェネスは主とぎこちない挨拶を交わした事に気付いて、ハウレスとボスキは剣を振るう手を止めた。
「…主様。お帰りなさいませ、すみません。このような格好のままで…」
ハウレスは挨拶を交わすが、ボスキは言葉を発する事もなく主に近付いたと思うと、ボスキは主の体を優しく抱き締めた。
「…なんで、アモン何だよ。俺じゃぁ駄目なのかよ…なぁ、俺はずっと◯◯を見てきた!主である◯◯が死ぬ時は俺も死んじまうんだよ…
なぁ…俺は◯◯の事が好きなんだよ…っ」
アモンはボスキの心の叫びを聞いて、何も出来なかった。そして、主の目にはたくさんの涙が溜まり、頬に涙が伝っていった。
「…ごめん、なさい。私は…」
「聞きたくねぇっ!」
ボスキは主の言葉を遮り、主の口にキスをしてきた。ボスキは主の口内に舌を入れ、主が離れようとしてもボスキは主の体を離さなかった。
その場にいるみんなが呆気にとられたが、すぐに3人で主とボスキを引き離し、ハウレスはボスキに向かって罵声を浴びせる。
「ボスキ!なんて事をしたんだ…アモンが居る前で、しかも今の主様は妊娠中の身だぞ!?」
主はアモンの腕に抱かれながら、泣きじゃくっていた。でも、これだけは伝えないといけないと思い、主は泣きながらも口を開いた。
「…私は、ここに居る執事達の事が好きなの!私にとって、誰一人として欠けちゃ駄目な大切な執事なの、だからお願いっ…私のわがまま聞いてくれるかな?」
あまりにも主が大きな声を出すので、別邸の執事が集まりだした。そして、本邸の執事までも何事だと思って裏庭に集まった。主は泣きながらも必死で、執事達に問いかけた。
「…みんなが良ければ、執事として私の側に居て欲しいの…都合が良すぎるのは分かってる。でも、皆の側に居たいの…傷付けて、ごめんなさいっ」
主の言葉を聞いた執事達は主の前に跪いた。
あのシロでさえも…
そして、ベリアンが口を開いた。
#あくねこ夢小説
なっちゃん
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コメント
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おお〜、第12話、めちゃくちゃ切ない回でしたね…!それぞれの執事が主様への想いを抱えながらも、“選ばれなかった”現実と向き合う姿が胸に刺さりました。特にボスキの「なんでアモンなんだよ」って叫びと、あの衝動的なキス…思わず息を呑みました。主様が泣きながらも「みんなが大切」って伝えるシーン、すごく好きです。優しさゆえの葛藤が伝わってきました。