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みー
8
Codeレイ
46
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あまりにも主が大きな声を出すので、本邸別邸の執事達が裏庭に集まって来た。そして執事達は主の前に跪いた。
あのシロでさえも…
そして、ベリアンが口を開いた。
「ここに居る執事は皆、一生涯主様に仕え、我らが命に代えても、主様への忠誠を誓います。」
主はいつの間にか、執事達に囲まれて居る事にようやく気が付いた。そしてボスキは主の目の前に来て再び跪いた。
「主様、先程の非礼をお許し下さい。…一執事が主様に手を出す様な事をしてしまい、申し訳ございません。」
いつものボスキらしからぬ言葉遣いと、様子に困惑するが主はボスキと同じ目線の位置に座り込んだ。
「許すよ。…ボスキ、私こそごめんね。ううん、ボスキだけじゃない。ここに居る執事達皆にもちゃんと謝りたい、本当にごめんなさい。 」
主は皆に向かって深々と頭を下げた。
「主様!頭を上げて下さい、…しかし、主様の俺達執事に対し真摯な対応をして下さるところが、皆の心を惹きつけてしまうのです。」
フェネスは主の目の前に跪き、手の甲にキスをした。
フェネスの唐突な行動を皮切りに、ラムリが主に抱き着いたり、ラトも主の手の甲にキスをしたりと最後は皆、主に好意を伝えていった。
アモンは主を後ろから抱きしめ、自分のものだと誇示していたがボスキに“アモンはいつでも◯◯と触れ合えるだろうが!”と主の腰に手を回して言った。
†††
主のお腹もだいぶ大きくなり、仕事も産休を取った頃─
ベリアンが淹れてくれたノンカフェインの紅茶を飲みながら、ミヤジとラトが演奏してくれる曲に聴き惚れていた。
「痛っ!…今日はたくさん暴れてるねぇ。」
主はそう言いながら、大きくなったお腹を撫でていた。すると、部屋をノックする音が部屋に響いた。
「どうぞ、入って。」
「失礼します、主様。」
そう言って入って来たのはフルーレだった。
「主様、だいぶお腹も大きくなったようなので、新しいお召し物を用意致しました!」
フルーレはお腹に締め付けのないゆったりとした上品さもありつつ、フリルで可愛らしさもある服を主に見せた。
「わぁー…フルーレは本当に繊細で綺麗な服を作るのが上手だよね!いつも素敵な服を使ってくれてありがとう。」
主がそう言うとフルーレは照れながらも、今度は小さな服も主の前に差し出した。それは赤ちゃんの服だった。
「先程のお召し物で余った布で、産まれてくる子のために、作ってみたんです。…いかがでしょうか?」
主は喜びのあまりに泣き出してしまった。フルーレは戸惑いながらも、何かやらかしてしまったのではないかと思ったがそうではなかった。
「嬉しいの…それにこのお洋服、私のために作ってくれたお洋服とそっくりで…フルーレだからこそ出来てしまう、とても素敵な贈り物だよ!ありがとう、フルーレ。」
主は涙を拭いながら、フルーレにお礼を言った。フルーレは衣装係として今まで頑張ってきて良かったと思える褒め言葉をもらえたと心の内で喜んだ。
「…俺は主様の執事ですから!主様、先程のお召し物にはちょっとした工夫があるんです。」
そう言ってお洋服を広げ、胸元を見せた。ボレロにしては、前もしっかり止まっている。そしてなんといっても、その内側はすぐに胸元を出せるようになっていた。主も気付いたのか、フルーレの方を向いた。
「そうなんです!それに、授乳中に主様の胸元が見えないように、隠れるよう仕立てましたから安心して下さいね。」
主は、フルーレの気遣いとお洋服にかける情熱をひしひしと感じた。
するとまたドアがノックされる音が響いた。
「どうぞ、入って。」
すると中に入って来たのはボスキとハウレスだった。2人は何やら大きな物を運んで来たのだが、主はすぐにそれがベビーベットだと分かった。
「わぁー!これ、作ったの!?」
ハウレスとボスキが2人で作ったベビーベットだった。何故ハウレスに任せられないかと言うと、やはりハウレスのセンスに任せていたら、とんでもないセンスの悪いベビーベットになりかねないからだった。
「これなら◯◯の好みに合うし、他のインテリアとも馴染みやすいだろ?ハウレスのやつ、インテリアの事何も分かっちゃいねぇ。」
主とボスキは笑い合いながら居ると─
「…ボスキ!ずっと気になっていたんだが、主様の事を名前で呼ぶのは…」
ハウレスがずっと気になっていた事を指摘すると、主は首を横に振り、口を挟んだ。
「良いの。…皆が私の事を大切に想ってくれて、皆からたくさんの愛情をもらっても、私はその愛情に応える事は出来ないもの。
だからせめて、呼びたいように呼んで欲しいって思ったの。」
それが主なりの愛情だと思って欲しい、と主が言うと、ボスキはありがとな、と言い額に軽くキスをした。すると、ラトも主の頬に軽くキスをした。
その場に居る執事達は、それは流石に駄目だろうと言いつつも心の内では羨ましいとも思っていた。
するとまた、ドアがノックされる音が部屋に響いた。
「入るっすよー!ってボスキさん!ラトさんまで!?◯◯さんにまたちょっかい出さないで下さいっす!」
アモンはそう言い、主とボスキとラトの間に割って入って来た。
「もぉ…油断も隙もないんすから。」
そう言って主の頭にお花の冠を乗せた。
「主様!これ、アモンさんと一緒に作ったんです!そして、こちらが赤ちゃん用です!」
アモンの側に居たムーは、小さなお花の冠を主に渡した。とても小さくて可愛らしいお花の冠だった。
産まれる頃には枯れちゃうかな…と主はアモンに話したが、お腹の上にぽんっと乗せた。
「これで、大丈夫っすよ。」
主とアモンは甘いムードを作り出していたので、その場に居る執事達に咳払いをされ現実に戻された。
「あ、えーと、フェネスさん呼んで食堂まで◯◯さんの事運んでもらうんで、待っててくださいっす!」
そう言ってその場から去って行ったアモンはフェネスを探したが、何処にも見つからずに居ると、ハナマルがサボって居るのを見付けた。
アモンは主を食堂に連れて行ける人を探している事を話すと、ハナマルは意気揚々と立候補したので、ハナマルに頼む事にした。
ハナマルが主を横抱きにした時─
「おっ!だいぶ成長してんじゃないの?もう歩くのもだいぶ大変だろ?」
ハナマルはひょいっと主を横抱きにして、食堂に連れて行く。ハウレスはアモンがやれば良いだろうと話したが、出来ない事に難色を示し、トレーニングメニューを追加しようかと言い出すので、アモンはそれは嫌だと駄々をこねた。
主はアモンとハウレスの会話を聞いていて、とても微笑ましくなった。食堂に着いて、ロノが作ってくれた食事を取り、ハナマルにまた部屋まで連れて行ってもらった。執事達もそれを区切りにそれぞれ仕事をし始めた。
アモンは指輪が着いた主の手を取り、こんなに幸せで良いものなのかと思っていると主の手にキスをしていた。
「あ、アモン?どうしたの?急に…」
「いや…幸せだな〜って思ってたら思わず…」
アモンは照れながら主に言うと、主はアモンの額にそっと優しくキスをした。
「アモン、私も幸せだよ。執事の皆もだいぶ気持ちが落ち着いたみたいだし、とても良くしてくれる。
…私、皆に出会えて良かった!アモンに出会えて本当に嬉しいの。私の事を好きになってくれてありがとう、アモン。」
主は今までの感謝の気持ちを込めた。言葉では言い表せないくらいの感謝を伝えたい。ありがとう以上の言葉が見付からないから、ひたすらにありがとうと伝えた。
「…なんか照れるっすよ。」
アモンはそれと同時に、何とも言えない不安を少し感じ始めた。まるで、主が居なくなってしまうのではないかと思ってしまうほどに…
すると、パチンッという音がした途端─
「…アモンっ…ルカス、呼んで来てっこれ、産まれそう…破水しちゃった…」
破水してからすぐに陣痛が来て、あまりの痛さに主は気を失ってしまった。 アモンが掛け布団を剥ぐと、そこは水浸しになっていた。アモンは急いでルカスに伝えに行った。
自分には何も出来ない事が悔しい。ルカスさんみたいに医者でもないし、フェネスさんみたいに知識が豊富な訳じゃない。ボスキさんやハウレスさんみたいに強くないし、それから…
アモンの頭の中でぐるぐると思考が巡る。
アモンは3階執事室に着くなりドアを叩いた。
コメント
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読了しました。お腹も大きくなって、執事たち一人ひとりが主様のために心を込めて贈り物を用意する場面がとても温かかったです。特にフルーレの授乳用の工夫がされた服や、アモンとムーの小さなお花の冠にぐっときました。皆が主様を大切に想い、それぞれの方法で愛情を示そうとする健気さが伝わってきます。そしてラストの破水――アモンの不安が切なくて、この後の展開が気になります。素敵なエピソードでした!